2/2
自由
203X年 東京 夏 2日目
目を開けると、冷たい風が直撃してきた。
エアコンの消し忘れか。
電気代が本当に高くなるから気をつけよう。
行儀が悪いかもしれないが、僕はご飯を食べながらテレビを見る。
たまたま目に映ったのは昨日の老人が逮捕されたニュースだ。
国家不敬罪らしい。
今までそんなものはなかったのに。
スマホを開き、検索エンジンを開いた。
「[検索]日本 国家不敬罪」
恐る恐るEnterを押した。指先からどんどん冷えていくような怖さだった。
なんと、知らぬ間に政府は国家に背くものを人、監視カメラを使って監視し逮捕するという法案を作り、可決されていたようだ。
その名は監視と国家安全法。
再びそのページを調べようと思ったが、そのページが表示されないのである。
僕たちに自由はあるのか。
これが日本なのか。
思想は自由じゃないのか。
思わずSNSに上げようとしたが、自分も逮捕されるかもしれないという恐怖にかられ手が止まった。
絶望を胸に、床に就いた。