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オダマキは救えない  作者: ゆうま
8/26

3-2

妙に綺麗な微笑み


「正々堂々勝負いたしましょう」


それにこう言われ、どうしてか一歩後ろに下がった


「このゲーム「イカサマ宝探しゲーム」なんだけどねん」

「ルールにあるイカサマはイカサマではありませんわ」

「そういう考えもあるかもねん」


視線を逸らすことすら出来ない

まるで金縛りにでもあってるみたい


「会場へご案内いたします」


その声でゴスロリの視線がウチから外れると、自由に身体が動くようになった


ゲームマスターが手元のボタンを押すと壁の一部分が上に移動して、廊下が見えた

なにも言わずに進んで行くゲームマスターの後ろを4人がついて歩く

ウチだって廊下が現れたこと自体に驚きはしなかった

でも、どうして全く警戒せずについて行けるのかな


廊下に入って気付く

多分、ある種の信頼がある


ここにいればゲーム以外で死ぬことはない


ウチだって警戒するべきとか思いつつ普通に入ってる

身を守る物を探そうともせず、すぐに逃げられる体勢でいるわけでもない


「こちらです」


廊下は一直線

左右にはいくつか扉があって、そのうちのひとつに手をかけた

突き当りにエレベーターがあるけど、なにに使うんだろ


「こちらが皆様に「イカサマ宝探しゲーム」をしていただく会場となります」


暗い洞窟をイメージさせる壁や床、照明

中央にはカードを置く机

机を挟んでクイズ番組で使いそうな2つの台

壁側には3つの同じような台


「へぇ、雰囲気あるねん」

「そうですわね」


机を挟んで向かい合うと、いよいよ始まるんだって感じ

命を賭けたゲームなのに少しわくわくしてる

これが狂ってるってことなのかなん

急に殺し合いのゲームをさせられて、こうして落ち着いていられること自体が狂ってるのかもしれないけどねん


―――じゃあ、みんな狂ってたんだ


普通誰が裏切るか分かんないのに「全員で帰ろう」とかいう提案なんて出来ないよね

しかもそれを落ち着いて却下してる

みんなみんな、狂ってたんだ


「ゲームを始める前に質問しても良いかなん?」

「どうぞ」

「ウチが参加してた「名前当てゲーム」のゲームマスターが撃たれたんだけど、生きてる?」

「それはお答え出来ません」

「どうしたら教えてくれる?」

「この「ギャンブルの塔」を勝ち抜いたら、といたしましょう」


「イカサマ宝探しゲーム」じゃなくて「ギャンブルの塔」ね

それもそっか

ゲーム一つ一つは「名前当てゲーム」で言うところの「〇日目」ってだけ


「分かったよん。ま、どうせ死んでるけどねん」

「何故そのように思われるのですか」

「だって、殺す気がないなら普通撃たないでしょ」

「撃ち損じかもしれません。もしかしたら、狙われていたのは安藤様かも分かりませんよ」

「そんな腕のスナイパーしかいないんだねん」

「確かにそうですね。では、知ってどうするのでしょう」


くすくすと笑って言われた言葉

それにすぐ返事をすることが出来なかった

…確かに、どうするんだろ


「分かんない。ただ、生きてたら良いなって思っただけかもねん」

「幼馴染たちを死に追いやったゲームマスターに、ですか。随分と寛大ですね」

「ウチは違うと思うなん。あの子を見てれば分かるよ。ウチたちがそうだったように、彼にも抗えない運命があるんだって」

「「あの子」は「彼」の正体に気付いていた、と」

「聞かなかったけど、多分ね」


指を気にしてた

綺麗な指だった


「何故聞かれなかったのでしょう」

「女は秘密を持ってると美しいんだって」

「変わりませんよ」

「だって、出会ったときにはもう持ってたからねん」

「ここまで言うことは決めていたのですね」


笑顔で頷く

この反応を見るに、全員のゲームの内容をそこまで詳細に把握してるわけではなさそう

それが大切なことなのかは、まだ分からない

だけど知りたいことは知れたし、良いかな


「もう質問はないよん。ウチは始めても大丈夫」

「皆様もよろしいですか」

「先程「宝の地図」について確認し忘れたことがありますわ」


明らかに嫌そうな顔するねん

確かに嫌だけど


「「宝の地図」はランダムで与えられるのですわよね?」

「そうです」


当たり前のことを聞くなと言わんばかり

このゲームマスター態度悪いねん


「他の皆様はよろしいですか」


今度こそ誰も声を上げなかった

少し微笑んで頷くと大きく息を吸う


「これより「イカサマ宝探しゲーム」を始めます。画面の案内に従って、白金様、安藤様は「地図」の購入と協会に支払う金額を決定して下さい。久住様、村田様、小林様は「宝」を手に入れる人物と枚数を予想し、賭け金を決定して下さい」


56枚28組か…

一度確認されたところなら間違えないから最後の方は大丈夫

だけど最初に多く使うことを考えると半分の14回分は支払っておきたいかなん

地図を買うと残金は1,000万円


残金が多い方がバックは大きいから、多く支払うに超したことはない、と一見思える

でも、傍観者に最低200万円の賭け金を求めたことが気になる

どうしてか妙に気になる

多分これは終わって種明かしを聞かないと分からない

200万円を残しておける額だと…750万円支払って15回かなん


よし、決定


ゴスロリは多分2枚購入

エリアがいくつに別れてるかも分からないのに3枚は冒険的だからねん

もしかしたら1枚購入で確実に稼げる確認回数に極フリって可能性もあるかなん?

んー、ないかなん

だって、2枚購入でも50回は確認出来る

多く使ったことを考えてもバックは大きい


「皆様の賭け金が出揃いましたので、これよりプレイヤーの白金様、安藤様には洞窟に入って「宝」を探し出して来ていただきます。先攻は所持金の多かった白金様からです」


机にカードが浮かび上がる

デジタルとは随分ハイテクだねん


机には枠が表示されてない

でも、自分の画面には表示されてる

これがエリアだねん


大体の位置は右下が橙、右上が青、左下が黄、左上が緑

これは全てが重なってない

問題は紫

もしゴスロリが紫を持ってたら大体の別け方を把握されてる


中央と、一番左上とその下の2つと、右上の縦横2つずつの4つ

紫しかないのは上の左右とドン真ん中2つだけ

あとの真ん中のところはどこかしらと被ってる

もしかしたら、マズいかもねん


「もう確認してよろしいですの?」

「はい。既にゲームは始まっています」


♥2と♦6

右の紫エリア


♦Aと♧7

その下の青エリア


「以上ですわ」


紫と青ならあからさま過ぎる

次のターンでこのまま下に行くなら紫が青を持ってて橙は持ってない

黄か緑を持ってるのを隠すって作戦が普通に見える

でも、普通に戦って良いのかな


一先ず、次に橙を攻めだしたら橙は持ってない

それは確定で良いと思う

青は怖いから開けられない

紫を開けたときの反応を見て、横にいって緑が無難かな

そうしたら地図を持ってないように見えるかもだし


開ける回数は、相手と同じようにやってたらこっちが後半開けられなくなる

1回にしておこう


♦7

さっきゴスロリが開けた♧7を開けて1ポイント

予定通り♦7の隣とその隣を開けて…♤9と♤3


そう上手くはいかないよねん

序盤だし、焦ることない

それに、重要なのは「宝」を手に入れること

今下手に「宝」を開けてしまう方が困る


「終わりだよん」


♧Jと♦10

♧6と♥4


さっき自分が開けたところの下を躊躇いなく開けてきた

次はどこかなん

上にいくなら、紫持ってると思うんだけど

そのまま横にいってから上かな?

それだと橙を持ってないのはもう確定だねん


♦6と♧6

ふーん、今回の確認回数は3回なんだ

次は…右上の紫

♤Qと♤4


「以上ですわ」


そういえば青を持っててもあそこが別のエリアだってことは分かる

もしかしてこのまま別のエリアに行って、橙を放棄する?

それだと緑と黄って可能性も出てくる

確認回数は1回で、一先ず♤4と♥4を開けて1ポイント


「じゃあウチもこっちにしようかなん」


♥4の隣、橙エリアのカード

♧9と…☆!

もし「宝の地図」を持ってるのが橙じゃなかったら…

でもまだ確認してないカードは沢山ある

一気に持ってるエリアのカードを確認しにくることはない

落ち着いて考えるんだ


「終わりだよん」

「「宝」を開けてしまったのに随分と余裕ですわね」

「まだ3枚あるからねん。もし持ってる地図がこの辺りじゃないなら大変だけど」

「最初の方に開けたから違うだろう、とでも言いたげですわね」

「ウチはなにも言ってないよん」


小さく鼻で笑う


「どう思われていても構いませんわ。勝つのはわたくしですので」

「あなたこそ随分と余裕だねん」

「あら、ご存じないのね。こういうのは意外と近くにあるものなのですわよ」


開けたのは☆の上とその隣

♦2と♤8


もしかして、橙と青の境界線が分かってない?

橙は4×3の12枚

☆の2つ上までが橙で、その上からが青

もし青を持ってれば橙と青の境界線は分かる

それならこれはもう1枚「宝」が橙にあると思わせるためのブラフ

ついでにウチが本当に「洞窟の地図」を持ってないか確かめられる


「その上でも全て開けてしまいましょう」


左から右へ、どんどん開けていく

♦Q、♦9、♤A、♤J、♦K、♤5

今回の確認回数は5回

分かってる2とQを開けたらどこへいく?


♤6、♧3

青の上2枚

紫を持ってれば少なくともあの2枚が1つのエリアに含まれてることは想像出来るはず

事実、その左からは緑


この段階で青を開ける理由は一つ

紫を持ってて、紫に「宝」が一枚ある

橙を横にいったのは、紫を確認するため

横一列開けているときも、紫が多く含まれてる

緑じゃなくて青にした理由は自分が開けたことがあってウチが開けたことがないから


黄に全く触ってないのが気になる

だけどそれは、黄を持ってて「宝」がないからだと説明出来る

だとすると、青か緑に2つ「宝」があることになる


ウチにある選択肢は4つ


一つ、青を開ける

5回確認して、先に「宝」の位置を突き止める

でもこれは☆じゃないと意味がない

もし〇なら左上の紫を緑に数えたとしても5.5回で全て確認出来る

余程運が悪くない限り「宝」の位置を把握されてしまうだけじゃない

もしかしたら両方取られてしまうかもしれない


一つ、黄を開ける

紫と重なってるところを除けば黄は5.5回で全て確認出来る

もしかしたら全く触らないことで「宝」はないと思わせる作戦かもしれない

これも、もしあったとして☆じゃなかったら意味がない

それになかったら確認回数とターンのロスになる


一つ、緑を開ける

緑には「宝」が2つある可能性がある

どちらかは分からないけど「宝」に当たる可能性が高い

もし〇なら青と紫が重なってるところを開ける

☆なら既に開いてる橙を取る


一つ、緑と青両方開ける

「宝」の場所を、緑か青に2つ、少なくとも1つ

紫に1つで、黄にないと仮定しよう

確認回数を裂けない今、無暗に開けるのは得策とは言い難い


どうしよっかなん

どのエリアを何枚確認するか

・青2枚

・緑2枚

・黄2枚

・青と緑各1枚

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