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今日も元気よ!カタカムナ!  作者: ミスマル
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編集長 吉原の質問

摩耶の熱心な授業が景況に入ってきた。

たくさんの生徒は摩耶の言うように「2週間でミスマルノタマがまとえるように」と言うことで希望の火が見えたこともあって、一生懸命、暗記に集中してるようだ。


授業の終盤に差し掛かった時に、「神戸シティライフ」の編集長の吉原が手を挙げた。


「ふーちゃん。授業中、申し訳ない。ところで、ここにいる100名にこの技を教えたとして、全員がミスマルノタマをまとえたら君は今後どうしていくつもりだ?」


「あら、ジョージおじさん。前も言った通り、この100名には次は先生になってもらうつもりよ」


「なんだと?先生だと?」


「そう、100名が次に100名を教えたら1万人の生徒ができるよね」


「まあそうなるな」


「次に1万人が100名を教えたらどうなります?」


「100万人がミスマルノタマをまとえる事になるな」


「では、100万人が100名を教えたら?」


「日本全国の1億人の人間が全員ミスマルノタマをまとえて、瞬間移動ができるようになる」


「ですよね。それがゴールイメージよ」


「なるほど。その計画はよくわかった。しかし日本人全員が君たちの持つ特殊能力を持つんだったら、何も意味がないじゃないか?」


「何言ってんの?ジョージおじさん。赤ちゃんがハイハイから立ち上がって歩くようになるのを教えるだけよ。それを誰も特別な技術伝授とは言わないでしょ?」


「それもそうだな」


「それと一緒よ。人間は生まれながらにして遠い場所に瞬間移動できるって言うことをただ教えるだけ」


「それはよくわかる、が昨日からの電鉄や物流の株が下がってることを鑑みると、今まで人間が何千年もかけて培ってきた全ての技術が全くないがしろにされるような気がしてならない」


「吉原編集長、ここからは大切な話なので私が説明します」

メグが助け舟を出す。


「いつの時代もそうだったんですけれども、私たちが日本人に新技術を教えたときには必ず同じような現勢力との軋轢が生じたの」


「せや、例えば扇風機が出たときにうちわ業者から嫌がらせがあったようなもんや」


「その扇風機業者もクーラーが出たら、今度は逆の立場で扇風機業者に嫌がらせしたんだナ」


「そう、わたしたちは日本史の中で何回も命をねらわれたこともあるのよ。だから正直、もう慣れっこなの」


「そうなんだな。技術者の僕なんかは、殺されかけた事は100回以上あるんだナ」


「しかしそんなリスクを負ってでも我々に真実を教えたいのか?」


「そうよ!最初にも言ったように、わたしたちは今の日本人に目覚めてほしいのよ」


「我々に目覚めてほしい?何から目覚めるんだ?」


「ズバリ、人間の持ってる『欲からの離脱』よ!」


「欲からの離脱?」


「そうよ。今の世界はすべて、物質文明の権化のような『欲望』に支配されているわ」


「まぁ言われてみればたしかにそうだな」


「いい?今の世界は1%の富裕層が99%の富を支配しているの。残った1% の富を99%の貧困層たちが分配してる。吉原編集長、こんなことって許されると思う?」


「いやよくわからないが、資本主義とはいえ多分許されないな」


「でしょう?縄文時代にはそれがなかったの。富はみんなの共有物なの」

びしっとメグが言い切った。

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