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今日も元気よ!カタカムナ!  作者: ミスマル
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お化けトンネルから伊勢参り

体育館を出て報道陣を誘導する中居先生にメグ達が近づいた。


「先生、いい記者会見でしたね!」

「あぁ。ワイも久々に感動したわ!」

「よくぞ藤田校長の長話を見事に制したんだナ。グッジョブ!」

と星が親指を立てる。


「しかしこの新技術の張本人の君達があの大切なインタビューに出なくて本当によかったのか?」


「いいのよ。私たちはいつの時代も常に影の存在だから。第一、私たちが出て行ったら意味無いでしょう?」


「せや、何度も言うようにワイらは今回は摩耶はんに全て任したさかいにな」


「そうなんだナ。摩耶さんは非常に優秀な我々の生徒だから、彼女にすべて託したんだナ」


「そうか、他ならぬ君たちがそう言うならそれでいいんだが。今から報道陣と摩耶さんをトンネルに案内してくるからな」


「了解です。伊勢と出雲までの水晶は彼女に渡しています」

「ほな、よろしゅう頼みま」

「お願いするんだナ」


そう言って中居は、さながら大名行列のように何十人もの報道陣と摩耶を連れて国道2号線の下の狭いお化けトンネルの入り口に入って行き中央部についた。


「さあ皆さん、つきました。ここが通称お化けトンネルの中間地点です。ここから摩耶さんが皆さんに瞬間移動を体験させていただきます」


「噂には聞いていたが確かに狭いトンネルだな」

カメラを回しながら兵庫テレビのスタッフが言った。


「上は国道2号線なのか、なんか昔はお化けが出たらしいよ」


「時々上のバスの音が聞こえてくるな」

始終、キョロキョロする報道陣。


「さぁ、皆さんいいですか。私の肩にしっかりつかまってください。一度に三人までです」

先ほどからまばゆい光の玉をまとっている摩耶は報道陣に言った。


集まった報道陣は全部で30名ほどいた。


もちろん随行したテレビカメラもこの狭いお化けトンネル内に、今やその世紀の一瞬を撮影しようとスタンバイしていた。


「ではそちらの読捨新聞と兵庫テレビと神戸シーテレビの3名の方、私の肩につかまってください。いいですか、そのまま普通にまっすぐ進んでくださいね。では、参りましょう」

ポケットから小さな水晶を取り出した摩耶が歩みを進めると、まもなく渦が発生して三人の姿は忽然と消えた。


「あ、消えた」

「本当だ。夢のようだ」

「どこに行ったんだ?」


しばらくしたら摩耶が1人で帰って来た。


「はい、お次の三人の方。どうぞ、順番に、参りましょう」

このようにして次々と報道陣を渦森台に移送していく。


「あー、やめてください。タマ袋さん、さわるのは肩です肩!どさくさに紛れて胸は触らないでください」

巨乳メグには負けるが、豊満な摩耶の胸にしがみつく玉袋。


「いやー!奇跡です!今から楽しい奇跡旅行に行って来まーす!」

最終組に当たった茶髪がやはり一番やかましかった。



六甲山の中腹にある標高300メートルの渦森台に報道陣30人が呆然とたたずんでいた。


あまりにもの驚きの為、言葉を発する者は一人もいない。


風が強いのか住吉神社の鳥居の周りの草木が強風にたなびいていた。


あんぐりと口を開けた報道陣は眼下に見える神戸港を見下ろしていた。


「ボー」

神戸港の重い汽笛が聞こえてきた。


「さーて。皆さんどうですか?」


「いやびっくりしたの一言だ!」

「本当に瞬間移動ができた」

「奇跡です!奇跡です!奇跡以外ありません!」


「みなさん、びっくりするのはこれからですよ。今からお伊勢参りに行きます」


「伊勢だと?」

「かなり遠いですよ」


「そうです、今から200km離れた伊勢神宮に行きます」

と、摩耶はポケットから先ほどより一回り大きい水晶を取り出した。


「さぁ、みなさん。先ほどと同じように私の肩につかまってください。カメラさん準備はいいですか?それでは、ただいまからお伊勢参りに出発!」


「みなさん!今から奇跡の伊勢参りでーす!」


「もあ!玉袋さん、何度も言わせないで!そこは胸です!」

メーテルが身悶えして怒る。


やはり茶髪が、一番やかましい。


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