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今日も元気よ!カタカムナ!  作者: ミスマル
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大人たちの思惑

ウイング内にて摩耶の父親と吉原が討議をしている。


「神戸・シティライフ」は摩耶の父親の隆が全国の購読者に神戸の良さを知ってもらうために25年前に創刊した雑誌である。


神戸生まれで神戸をこよなく愛する隆にとってはこの雑誌は思い入れが強い。


吉原は15年前から隆に付いてきてその強い思いを尊敬している。


「社長、来月はカタカムナ特集で行きましょう」


「そうだな来月どころか一年間は話題に事欠かないな」


「そのですね。ましてや社長の娘、ふーちゃんがミスマルノタマを纏えるので我が社の独占スクープですよ」


「富士子、毎月読者を選んで日本各地の神社巡りは可能か?」


「大丈夫よ。メグに頼んで各地への水晶をもらえば可能よ。でも学校があるから休みの日だけにしてね」


「ところで一度に何人を送ることができるんだ?」


「私は一度に2人まで。メグが言うにはミスマルノタマの大きさ次第らしいわ」


「そうか、10人を送るとなると5人必要だな」


「いや、社長。ふーちゃん一人で十分だと思います。2人づつ連れてピストンでゲートを何回も往復すればいいんです。そして帰る時も同じようにすればいい。少し忙しくはなるけど」


「私は大丈夫よ、そんなに負担はないから」


「じゃあ決まりだな。ネットで募集して購読者に無料伊勢ツアーを組んで体験してもらおう」


「ブルブル」


摩耶の携帯電話が鳴った。

メールが届いたようだ。


「あら?播磨先輩からだわ」


「ビジネスで頼みたいことあり、播磨」

文面も上から目線だ。


「すいません今、会議してます。後でまた掛け直します。摩耶」

と返信する摩耶。


「社長、ジャーナリストとしての意見ですが『神戸を伝える』ということ以上に『新しい6500年がやって来た』の方が今回の本質を捉えていませんか?」


「そうなのよ、ジョージおじさん。メグたちは技術を伝えると共に精神世界の幕開けを伝えに来たの。瞬間移送はあくまでもその中一つの技術なだけ」


「ぼくのタイトル・イメージは『200年前に蒸気機関車が発明された時以上の大変化が起こる。汽車はお金を払えば乗ることができるが今回はお金ではなく精神の持ちようで乗ることができる。そのために考え方を根本から変えよう』だな」


「うーん、しかし我が社が扱うにはテーマとしては大き過ぎるな」


「何言ってるんですか?(大きいことはいいことだ!』です。社長がいつも言ってるじやあありませんか!」


「しかしなあ」


「ところでお父さんの会社って今お金ある?」


「なんだ?子供がいきなり。金か?おかげ様で困らないくらいはあるが」


「じゃあ簡単よ、『精神世界の到来と人類の心掛け』をメインとした新雑誌を創刊するの」


「あ、それいいね。ふーちやん、ナイスアイデア!」

親指を立てる吉原。



「なるほど、新雑誌の創刊か」


「そう、雑誌というよりはカタカムナの教えをいかに簡単に伝えるかを目的とした教科書かな?」


「しかしその内容はだれが編集するんだ?」


「メグと秀と星の指導のもとに私がやるわよ。なんかこれが私の生まれてきた使命のような気がするの」


「「私たちも是非勉強したいわ」」

マイとアミが答えた。


「社長、是非英断を!コストと情報伝達の速さから電子書籍の方がいいと思います」

吉原も勧める。


「よし、決まりだな。我が社の社運を掛けてやるとするか!では富士子が編集長として雑誌名は何にする?」


「今日も元気よ!カタカムナ」




キンコンカンコン♫


始業のチャイムの音が聞こえた。


「いけない!一時間目が始まるわ。じゃあねジョージおじさん、お父さんまたね!」

摩耶が鞄を下げて学校へと走り去った。


「ブルブル」

また携帯が鳴った。


「急ぎビジネスで頼みたいことあり、いい条件を出す。播磨」

またもや上から目線だ。


「授業が始まります、また掛け直します。摩耶」






時間を一時間遡って喫茶店「アリ」

播磨親子と新谷親子が座っている。


「早速ですが新谷さん、今日のあの装置を実際に見てどう思われましたか?」


「いや、驚きましたな。率直にに申し上げます、世界が今日から変わると」


「我が社は名刺のように市内で旅行会社を営んでいます。実は息子から昨日聞いてあの装置を使った格安ツアーを企画しています」


「いや、それは凄い企画ですね。もし御社がそれを専売できたら一躍世界一の旅行会社になる」



「そこで我が社を上場させたいのですが、お手伝いしていただけませんか?」


「いいですな」


「もちろん新谷くんも息子の友人なので我が社の株を持っていただきます」


「なおさらいいですな」


運ばれてきたコーヒを飲みながら新谷昇は答えた。


「俺が株主かよ!」

新谷の頭が、勢いよく光った。


「しかし弊社が上場に向けた幹事証券会社になるためには二つ越えなければならないハードルがあります」


「ほう・・・二つとは?」


「ひとつは瞬間移送装置のパテントを御社が取得すること。ふたつめはミスマルノタマを纏う多数の社員を確保すること」


「それは理解します。パテントは愚息が言うにはメグという後輩から既に許可を得ているそうです。ミスマルノタマは先ほどの摩耶という女性徒を引き抜く話をしているらしいです」


「本当か?播磨、仕事が早いな!」

新谷が驚いた。


「親父、ふたつとも俺に任せてくれ」

そう言うと摩耶にメールを打つ播磨。


「そうですか。証券マンの意見としてもしそのふたつが可能なら今回の話は何百兆円のレベルの儲け話になります」


「「な、何百兆円・・・」」

生唾を飲み込む播磨親子。


「これでも控えめに見た数字ですよ。ところで御社の現在の資本金はいくらですか?」


「はい、5000万円です」


「ではその10%を10倍で買わせていただきます。来週には5000万円を振り込みします。株式の名義は息子の名前でお願いします」


「わ、わかりました。しかすこんな我が社を10倍で評価していただけるんですか?」


「なに、本当に先に言ったふたつが揃えば1万倍以上の価値がありますよ。安いものです」


「ありがとうございます。それでは並行して上場の用意もよろしくお願いします。上場したら頼りないですが、この息子を社長にしたいと思います」


「わかりました」


新谷昇と播磨隆は固い握手をした。


「それでは私は社に戻ります」

「では、私も」


勘定を払って喫茶店アリを出て行く2人。





「いやー、やっぱ大人の世界って凄いな!」

「これは俺たちだけで世界制覇も夢じゃないな!」


新谷と播磨はハイタッチしている。


「新谷、これからは俺を社長と呼ぶように」


「何言ってる、株主様の方が社長より偉いんだぞ」


「ハハハ」


「しかし今回の件で渡辺部長と堀副部長は無視していいのか?」新谷が播磨に聞く。


「そうだな社長決済で1%づつあげようか?どう思う?」

播磨は完全に社長気分だ。


「いいんじやね?さっきの計算だと1%でも最低1兆円になるな」


「俺たちって先輩想いだよな」

「ホント」


キンコンカンコン♫


始業のチャイムの音が聞こえた。


「さあ、株主様。現実世界も大事だ。授業に行くか」


「おう、新社長!」


完全に「取らぬタヌキモード」の2人であった。

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