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今日も元気よ!カタカムナ!  作者: ミスマル
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証券会社支店長・新谷昇 1

同じく時間はさかのぼって播磨が父親と話している同時刻。


新谷は自宅で父親に学校で今まで起こったことの説明を始めた。




新谷の父親、昇は野原証券・神戸支店の支店長をしている。


貫禄ある大きな体をスーツに包んだ昇は普段あまり話しかけてこない息子の話にネクタイを外しながら耳を傾けた。


野原証券は四大証券の一角で日本で一番大きな証券会社である。


応接間の大きなソファーに腰をかけた昇に新谷は興奮して今日までのいきさつを説明している。




「でさぁ親父、ほんとにその装置を使ったら一瞬でお化けトンネルから渦森山まで行けたんだぜ。これにはまじでに驚いたぜ」




「おまえ高校2年生にもなって頭大丈夫か?さっきからピカピカ光っているが・・・せっかく進学校に行ってるのに超自然科学研究部なんてわけのわからない部活動をやってるから頭の中がほとんどオカルトが詰まってるじゃないのか?」


ブランデーの入ったグラスを持った昇はまったく息子のことを信じていない。


新谷はよほどでたらめな子供時代を送っていたのであろう。




「しかし実際に俺はその装置に乗って往復したんだから間違いないんだ。この息子の言うことが信じられないのか?」




「まぁ、お前の今までやってきたことを鑑みると信じろと言う方が無理だろ」




「冷たいなぁ・・・それでも本当の父親かよ」




「そもそも我々証券マンは現実主義者だからな、そんなばかばかしい話を信じるわけがない」




「じゃあわかった、100歩譲るとしよう。もし仮にそういう装置ができてその装置を使う人が増えたとしたら世の中はどんなふうにになるかを証券マンの立場で教えてくれないか?」




「そういう話だったら一緒に考えてやってもいいな」




「わかったじゃあ30分だけ時間をくれないか?今まで起こった事を順序立てて説明するから」


新谷はスキンヘッドを光らせながら今までのいきさつを大学ノートに書いて説明しだした。







息子の話を腕を組んでじっと聞いていた父親の昇がおもむろに話し出した。




「しかしよくできた話だな。高校生にしては上出来だ。まるで本当の話のように聞こえるな」




「まぁまぁ、親子で難しい話をするなんて珍しいわね」


と新谷の母親がブランデーグラスの傍にチーズを盛ったおつまみを置いていった。




「だから何度も言ってるだろ、本当の話なんだと!これほど言ってもわからないのか?頑固な親父だなぁ全く!」


激怒する新谷。


「分かった分かった。もしもだな仮にそんな夢のような装置ができたら明日からクロネコヤマトに日通や西濃運輸等の運送業界の株は大暴落だな。次に日本航空、ANA 、JR、東急、西武、阪神、阪急などの空輸、電鉄業界の株も大暴落。さらにはトヨタ、日産、ホンダ、マツダなどの車両を作ってる会社の株も大暴落。旅行会社のJTBや日本旅行などは大暴落どころかもはや値段がつかなくなると思うな」




「えー!そんなに大きな事態が世の中に起こるのか!」




「それだけじゃない。例えば鉄道会社や自動車会社にレールや車体の鋼板を売っている新日鉄や住友金属などの素材関連の会社も打撃を食う。一体どれぐらいの二次産業の会社が仕事がなくなって被害を蒙るかは我々証券マンとしても想像もつかない。しかも今言った会社からは失業者が山のように出る」




「しかし逆にいい会社も現れてくるだろ?」




「当たり前だ。いろんなところに瞬時に行けると言う事は例えばそのライセンスを持った旅行会社があったとすればその会社の株は毎日値が上がりつつ続けて値段がつかない状態になるだろうな。かつてのMicrosoft社やYAHOO社の比ではない」




「なるほどなー。旅行会社がライセンスを持てばいいのか・・・」


新谷は播磨のネズミ顔が浮かんだ。




「えと、その何だっけ?ミスマルノタマとか言ったな。要するにその装置はミスマルノタマを纏う人間にしか使えないって言うことだから、その能力を授ける教育会社やすでに纏っている人間を集めて人材派遣をする会社があればその株は間違いなく急騰するな」




「なるほどなー。さすがエリート証券マンの我が親父。いい勉強になるわ」




「それとその装置は神社の鳥居の下に移動できるようになってるんだな?」




「うん、そうなんだ。前回も住吉神社の奥の宮に移送されたから間違いない」




「と言う事は日本中の神社の周りの不動産の値段が急騰するな。今のところ不動産の値段は駅から近いと言うことが高い理由になっているが今後は神社に近いところの不動産が買われるようになる」




「各神社の奥の宮に移送されるわけなんだ。でもほとんどの奥の宮っていうのは山の中にあって不便なところなんだ。




「だから山の中ということは現在はクズみたいな不動産価格の場所が多いと言うことだな。と言う事はその奥の宮の近辺の土地を既に持っているか今から買い占める不動産会社の株価が急騰するだろうな」




「なるほど」




「しかしその話は日本国内移動だけの話なのか?」




「いやメグって言う新入生が言うには外国の神社にも行けると言っていた」




「夢のような話だな。もしそれが実現すれば、人々はタダで海外旅行に行けるようになるわけだな。しかも飛行機の墜落や事故が無いから保険会社の株も下がるな」




「そういうことになるのか・・・」

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