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今日も元気よ!カタカムナ!  作者: ミスマル
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神隠し


「で、行き先を特定した水晶を持った人がどうやったら装置を起動することができるのだ?」中居がハンバーガーを食べ終えて尋ねた。


「先生、眉間にシワを寄せて何を難しい話をしてるのですか?」

トレイを下げに来た店長のマイが尋ねた。


「いや、マイ君、兎に角とんでもない話なんだ。一口ではとても説明できない」


「中居先生がそういうのだからきっと凄いことなんでしょうね。では、ごゆっくり!」

笑顔で立ち去るマイ。


「質問に答えます。起動装置の鍵はミスマルノタマよ!」メグが言い切った。


「何?そのミスマルノタマって?」摩耶がコーラを飲みながら聞いた。


「ミスマルノタマ・・・おれは聞いたことがある。カタカムナウタヒの七首のたしか最後に出てくるな」


「ピンポーン、流石はカタカムナ研究第一人者の中居先生!よくご存知」


「ぼくたちカタカムナ人が常に纏っている球体なんだナ」


「わかりやすーいうと、自分を中心とした直径2mくらいの目に見えへん球体のバリアや思たらええ」

秀が両手を広げて円を描いてみせる。


「先生、さっきのカタカムナウタヒの七首歌えまっか?」


「たしか・・・

『マガタマノ

アマノミナカヌシ

タカヒムスビ

カムミムスビ

ミスマルノタマ』だったかな」


「その通りや!」


「その歌を歌うと私たちの周りにはバリアができるのよ」


「私があなたたち3人の背後に見える渦の正体はそのミスマルノタマだったのね」


「正解やな!」


「このミスマルノタマは私たちカタカムナ人を外からの悪い思念や害になるものから守ってくれるものなの」


「さらに自分に害のある人かどうかもわかるセンサーの役目も担っているんだナ」


「そうか、そのミスマルノタマを纏った者が鳥居の下にあるゲートを通過したら移送装置が起動するわけか」


「せや、お化けトンネルゲートでメグはんが『肩に触れて』というたんはメグはんのミスマルノタマの中に2人を入らせるためやったんや」


「あなたたちカタカムナ人が纏えれのはわかったわ。私たち普通の人間にはそのミスマルノタマは纏えないの?」


「いい質問なんだナ。このミスマルノタマは物理的なバリアではなく強力な思念でできたバリアなんだナ。だから一般の人間でもカタカムナの根本原理を理解してウタヒを唱えると纏うことは不可能ではないんだナ」


「そうなの。精神世界を勉強して理解できたら可能なのよ。でもね、ごく稀に先天的に小さな子供がミスマルノタマを纏って生まれてくることがあるの。そういう子供が偶然に水晶を持って鳥居をくぐったたら装置が勝手に起動して別のところに移送されることがあるの。あなたたちはこれを昔から『神隠し』って呼んでいるわね」


「そうか、昔から日本各地の神隠しはそういう理屈だったのか。しびれるね!まったく!」


「でも安心して。間違って移送されたすべての子供は別の地域の神社に出てきてるから」


「そういうわけね、昔からいきなり知らない子供が神社にいたという話が各地にあるわね」


「せや、しゃーから神官か巫女が境内にいる迷子を見つけて保護したという話が多いでんな」


「それともうひとつルール」

指を立てるメグ。


「神社の鳥居はどこでもいいわけじゃあなくて必ず山の中の『奥の宮』にゲートがあるのよ」


「さっき移送された時もたしか住吉神社の『奥の宮』だったわね。なぜ?」


「簡単や、普通の神社の鳥居の下にいきなり人間が現れたら参詣客が仰山おますさかいにぶつかりまんねん。これがよー事故に繋がりますんや」


「各神社の『奥の宮』はたいてい人がいない山の中にあるんだナ」


「そうか、だからさっき帰る時もスマホで2人に誰もトンネルにいないことを確認したんだな」


「そうでんねん、ワイら2人がトンネル内に人がいないことを確認してメグはんは帰ってきたんや」


「何事も安全第一ね!」


「なるほど、君たちの移送装置の理論と原理は理解した。凄いものだな!ここで話をちょっとまとめていいかな?」


「かまへんで」


「まずは神戸・金鳥山に君たちの住む月との移動用の大型ゲートを作ったのだな。設置場所は保久良神社だな」


「せや」


「そして次に渦森山の住吉神社の奥の宮に海外移動用のゲートを作った」


「正解なんだナ」


「そして磁場パワーの増幅と到着地を特定するのに水晶を使った。特に遠距離の海外に行く時には特大の水晶を使った」


「はい、その通りです」


「しかし遠距離移動の特大の水晶は人体に影響を及ぼす。よってそれをカバーするために銅鐸を発明し遮蔽に使用した」


「せや」


「移送装置の起動はミスマルノタマが必要。我々のような一般人はミスマルノタマを纏う人物との同行が可能」


「そうなんだナ」


「時々ミスマルノタマを帯びた子供が生まれてきて意思に反して装置が稼働していわゆる神隠しを誘発する」


「そうなんです」


「なるほどな、よくわかった。それと移動にかかる所用時間を教えて欲しい。先程渦森山までは1秒もかからなかったが海外のシュメールやエジプト、または月に行くのにはどのくらいの時間がかかるんだ?」


「どこも同じでんがな、あっというまや」


「最後に神隠しの弊害は聞いたがそれ以外に想定される困ることとかは何かあるか?」


「さっき先生も見たと思うけど、装置を起動したときに渦が発生するの。近い場所の移動だったら小さい渦だけれども海外に移送する時などは結構な大きさの渦が発生するのよ」


「まあ、弊害ちゅうほど大したもんやないけど突風で木がたなびく程度の現象は起きまんねん」


「だからさっき移動した場所では昔、大きな渦を見た人が渦森山という名前をつけたの」




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