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今日も元気よ!カタカムナ!  作者: ミスマル
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神戸市東灘区住吉町 その2

「次の昭和の歴史は播磨から説明しろ」ゴジラが痩せた播磨に命じる。


「はい」少し歯が出た猫背の播磨が別の地図を持ってホワイトボードに向かって歩く。背格好と歩き方は「ゲゲゲの鬼太郎」のネズミ男を彷彿とさせる。


「今、部長が言ったように昭和に入ってもさらに大富豪はこの地に集まってきた。ネットでも確認してほしい」先程の地図の横に別の地図を張り付けて播磨が説明する。


「まずは1930年 大林組社長 大林義雄がここに家を建てた。続いて1932年 武田薬品工業社長 武田長兵衛の家がここ」播磨がか細い声で順番に読み上げる。灰色の服を着せたら完全にネズミ男の完成だ。


「さらに同年 乾汽船社長 乾豊彦、弘海商店社長 弘海二三郎の家が続いて建てられました」


貼られた地図は住吉町のほとんどのエリアが赤で染まっている。それはそうである一軒の大きさが普通の家の何十倍もあるのだから。


「そのほかにも伊藤忠社長、伊藤忠兵衛が来たあとには丸紅、安宅産業、兼松、江商などの強力な商社の社長宅が全部集まってくることになりました」ネズミ男の説明が続く。


「この辺りだけで当時の日本経済を余裕で動かせるメンツだな」ゴジラがまとめる。


「もしここに爆弾が落ちたら日本経済が止まるとまで言われたんだ」新谷が捕捉する。ピカッと光る。


「それと特筆すべきは日本の大企業だけでなくドイツのシーメンスという会社の極東支配人のヘルマンという人物がドイツの古城のような邸宅をこの地に構えたことです。これは絶対に怪しいと思います」もっと怪しい風体のネズミ男が付け加える。


「なるほどなー、東西3km南北2kmの狭い地域にこれだけの企業家の家が短期間に集まるには絶対なにか訳があるな」


「極端すぎるよね」


「フリーメーソンみたいな結社があったのかな?」


「あ、大会社の社長たちが作った『住吉倶楽部』というのが今の住吉学園にあったそうよ」


部室内がまたざわめき出した。


「しかも、この地で居を構えた社長の会社は全て利益を上げてみんなも知っているような世界的な大会社に成長したんだ」ネズミ男が説明する。


「この件に関しまして、中居先生はどう思いますか?」ゴジラが質問した。


「いやよく調べたね!感心したよ。君たち3人がチームを作って1年間コツコツとやってきた事は評価してたよ。実際にこの地域は日本中が驚くような富豪がたくさんいた事はよく知られているからね。さて卯原さんチームの見解を聞いてみよう」


「答えは水晶ね!」腕を組んで聞いていたメグが答えた。


「磁場について知ってた人間がいたんだナ」


「せや、しかも増幅の仕方まで知っていた人間がおったんやな」


「水晶?ちょっと分かりずらいな。説明してもらいたいんだが」新谷が答える。また頭がピカッと光った。

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