第3話「鑑定」
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「ではまず君達異世界人には特別で強力なスキルを所持している。
そのスキルを確かめたい。その為にこの水晶に触れてくれないか?」
俺達は今王座の間にいる。
「うぉ!マジで出たよ…」
「すげ…」
「こんなんゲームじゃねーか…」
「俺は本当に生きているのか…?」
みんなが並んで次々とスキルを鑑定していく。
「スゲー天鳳院!」
「強すぎィ!」
天鳳院がどうやら凄いスキルを出したようだ。
「『星天の覇凰』と『勇者』!?かっけー!」
「「オオッ!?」」
今度は違う所で歓声が上がった。
「帝山もスゲー!」
「『天賦の皇帝』と『勇者』!スゲーな!」
どうやら帝山も凄いスキルを出したようだな。
「王崎!お前はどうだった!?」
「いや、俺は至って普通だったな」
お、意外だな。
王崎は帝山や天鳳院に劣るとはいえ世間では立派な天才の類に入る人物だ。
その王崎が普通とは…一体どういう基準で決まってるんだ?
「次は君の番です」
よし、呼ばれた。
行くか。
「水晶に手を触れて下さい」
手を触れる。
その瞬間、俺の体から何かが抜けて行く感じかした。
「…えー君のスキルは…無し…ですね」
水晶には何も映っていなかった。
あの神どういうことだ?
「スキル無し!?そんな奴いんのかよ…霊円寺かよ!納得だな!!」
「ギャハハハ!ザマァみろ!」
「やっぱり霊円寺君はクズだね…」
辺りから誹謗中傷が飛んでくる。
「みんなやめろ!」
誰かが怒鳴ってくれた。
でも声の主は狩北じゃない。
天鳳院だ。
「スキルが無いからって言って罵倒するのはおかしいんじゃないか?
霊円寺、君は悪くないよ」
シン…と辺りが静まり返った。
一体どういうことだ?
天鳳院はいつも俺を主犯となって誹謗中傷してた男だぞ?
「では皆さん、これから戻りましょうか」
メイド服の方が俺達を個室の部屋に案内してくれた。
くそ…しかし一体…何故俺にはスキルがなかったんだ?
「霊円寺」
肩を叩かれた。
振り向くと天鳳院がいた。
「天鳳院…?」
「頑張ろうぜ」
…こいつは案外悪い奴じゃないかもしれない。
俺を守ってくれたんだ。
「じゃあな、俺はお前の味方だ」
しかしスキル無しで罵倒されてる時に天鳳院の叫びは助かった。
疲れたから今日は部屋に戻って寝るか。