第2話『神と国王』
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「少年よ」
「…はい?」
いつの間にか俺は真っ白な空間に立っていた。
真っ白な空間だなんて頭がおかしくなりそうだが、何故か違和感を感じなかった。
そして俺の目の前には老人が立っていた。
しかし腰は曲がっておらず人間とは思えない「ナニカ」があった。
「私は君達が転移する世界の神の存在だ」
「…そうですか」
そうか。
俺は夢を見てるんだな。
「君達が転移する先の世界は、勇者召喚というものが活発だ。
そして勇者召喚される者は皆、時空を超えてやってくるので何かしら強いスキルを身につけておる。
そしてその能力で世界を荒らしておるのだ」
「はぁ…大変ですねぇ」
「と言うわけで君にはそのパワーバランスを崩す異世界転移者殺しをやって欲しい」
「無理です」
「拒否権はない。貴様に私の力をくれてやる。
お前はその能力で異世界転移者を倒してこい」
…なんと上から目線だな。
まぁ神だから仕方がない。
しかし…。
「俺にはなんの能力が与えられるんですか?」
「『ポイント還元』と言う能力だ…おっと時間がないな。
サービスだ、一つだけ能力を解放してやる。便利なやつをな」
「ありがとうございます」
「それでは少年、強く生きろ…」
視界が暗転した。
□■□■□
「獅童!おい獅童!起きろー!」
…狩北だ。
一体何があった…。
そもそも何故俺は寝ている…?
身を起こした。
目の前には狩北、背景には豪華な城のような空間があった。
「どこだ…?ここ」
「よくわからない、床に光が輝いたの覚えてるだろ?
あれで俺は召喚されたんじゃないかと睨んでる」
へー、召喚ねぇ。
周りを見渡すとほぼ全員が起きていた。
俺と同じ寝起き状態の奴が半分以上だったが。
次の瞬間。
扉が開かれた。
扉の奥から覇気を纏った人物が出てくる。
明らかにデキる男のオーラを纏っている。
「私はリルンハイン王国の国王だ。早速だが、君達を召喚させて貰った」
「ど、どういうことですか!?」
「マジなのか…?」
「まじ緊張してきた…」
周囲が一気にザワザワする。
「貴様ら!王を前に静まれ!!」
騎士らしき人物が槍の棒底を地面に叩きつけた。
激しい音が鳴り、周囲は一気に静まり返る。
「よい、騎士団長。そう慌てるでない。
さて君達を召喚したのは理由がある、話せば長くなる。
まずは話しやすい場所に移ろうじゃないか、勇者達よ」
国王はマントを翻し、扉に戻って行った。
すると背後から騎士達が俺達に進む様催促してきた。
俺達…39人の「勇者」達は扉の奥へと進んで行った…。