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極楽クラフト  作者: ゆまち春
一章『引きこもりの涛万里』編
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005 須田君、元気出して(上)



 髪の毛が好きだ。黒い髪の毛が好きだ。

 切り取ってその人の素質がわかる便利な念能力は持っていないけれど、女性のありのままの地毛が好きだ。

 とはいっても変質的なまでじゃない。血の繋がった姉である乙女おとめのショートカットでさえ本人には言ったことがないけれど好きだ。けれど変質的なまでじゃない。


 ドライバーが道路標識を確認するのは当たり前だ。それと同じ話をしている。


 出歩いた先で黒髪を見つけたら、新種か既存種か。枝毛や痛みがないか具合を診察する。

 今朝も、いつも通り目に入った――髪。


 電車の座席にはおそらく女性が座っている。すだれのような髪が顔にかぶっているせいで、服装からでしか判別がつかない。

 俺が通う高校の制服。スカートとブレザーの赤メッシュの模様からして女子モノ。流れ落ちる髪の毛をき止めているダムの推定カップ数は……服の上からわかるわけなかった。大きそうだし、ええんじゃないの。Eカップなだけに。


「ん……ううん……」


 小鳥が上擦うわずっているみたいな唸り声。俺の思念が波長となって伝わり、彼女に嫌悪感をもたらしたのかと冷や冷やしたが、そうではなかった。


「交換……ポイント……足りない……うう」


「……どんな夢を見てるんだよ」


 車両の端の席で寝こけている彼女は、背もたれと車両の壁に体を預けながら、前方はヒサシ代わりの髪で覆われている。寝るために電車に乗っているような恰好だった。

 俺は居眠りをする彼女の前に立ちながら、その青色の庇を見ていた。



 ――青色。



 彼女の髪は、青かった。

 快晴の空を水色として、夜空を紫だとする。その中間色のようだ。こんな色を、群青ぐんじょう色だというんだっけか。

 俺は髪が好きだ。日本人の遺伝子に刻まれてはぐくまれてきた黒髪を一人の伴侶として迎えてもいいぐらいだ。

 ただし、好きなのは地毛だ。目の前で眠る彼女の髪は、ハーフにしても人工的な色合いをしていた。絵の具を混ぜていたら綺麗な色が生まれたから、それを髪に塗ったみたいな。

 おおよそ世間から浮くであろうその青色は、けれど綺麗だった。

 びっくりした。電車に乗り込んで青色の塊を見た時、ヒト型のダイヤモンドが浮いているのかと思った。



 通学途中の電車には朝陽が射し込む。今までは朝から目が痛くなるのにと思っていたが、彼女の髪の毛を映えさせるための朝陽であると今後は提唱していきたい。

 俺は髪の毛が好きだ。地毛が好きだ。だけれどそこまで変質的じゃない。いいと思ったものを、規定から外れたから悪いと怒るほど、度量が小さい男ではない。

 俺は胸を張った。俺が張った胸よりも、彼女の胸の方が大きく隆起りゅうきした。深い深呼吸。よほど気持ちよく寝ているらしい。


 けれど、世の中いつまでも眠ってなんかいられない。

 永眠は死だ。これ直訳だ。


『まもなく、停車いたします。まもなく、停車いたします』


 高校の最寄もより駅に到着した。社会人のスーツの中で、俺と同じ制服を着た人たちが次々と電車を降りていく。俺も早く降りないといけない。只でさえ今日は遅刻ギリギリの電車だ。余計な時間をくってはいられない。

 ちらと、前を見る。


「……すう…………すう」



 寝心地よさそうに腹式呼吸をする青髪すだれのお嬢さん。毎日見ている制服を着ている。

 彼女は知らない人だ。見捨てて降りても文句は言われない。俺が目の前で見つめていたことだって彼女は知らないのだから。


 昨日、水無月みなづきに優しさのリターンをもらったからって、世間を甘く見てるんじゃないのか。あんなの、万に一つの偶然でしかない。


 降りる人波が途絶えた。入れ替わり、車両には人が入ってくる。これが最後だ。降りるなら今しかない。手刀を切りながら「すいません」と言えば車両の出入り口まで道を割ってくれる。


 ……簡単なことなのに、どうしてそれが出来ないのか。全く、遺伝が恨めしい。

 手刀を切るべき手で、すだれ女の肩を掴む。


「おい、起きろ。おい」


 腕ごと引っ張ればまだ間に合うか。

 俺の思惑をよそに、乗客を飲み込んだ電車の口は閉じた。


『ご乗車、ありがとうございます』


 乗りたくて乗ってるわけじゃねえ! と、電車の中で叫ぶわけにもいかない。走り出した電車は次の駅を見据える。俺は見慣れない景色に視線を落とすこともせず、女子の肩を揺さぶり続けた。


 青髪女は何度も唸るだけだった。深海の底まで意識が沈んでいた彼女が目を覚ましたのは、次の駅に近づいたと車掌がアナウンスをした頃合いだった。

 さしもの俺でさえ、女性に少し手荒な真似をはたらくことを考えそうになった。


「起きたか?」


「……ぱぱ?」


 彼女の胸には傾いたリボンがある。赤色は二年生の証。俺のネクタイと同じ色だ。女子高生だというのに、彼女の声は未成熟で、小学生みたいなキンキンする声だった。



「とりあえず立て。次の駅で降りるぞ」


 扉の前で待っていようと、俺は振り向いた。


「なんで指図を受ける、の。いらない。もう少し寝る」


 きびすを返す。大きな目は月が消えるように細くなっていった――って、そんな表現してる場合じゃねえ!


「もう駅過ぎてるんだよ。学校遅刻してもいいのか」


「いい!」


「そうか」



 なんだ、そうか。遅刻してもいいのか。だったらお節介だった。


 怒りは沸かない。申し訳なさを感じるぐらいだ。俺は高校ぐらいは出ておけば就職先に困らないと考えて、卒業するつもりでいる。けれど事情は人それぞれだ。卒業する気もなければ、学校に出席するつもりもない。そこまで極端じゃなくても、遅刻程度は構わないと考える人もいる。


 学校というのは、いろんな考え方を持った人の集合場だ。壺の中のぬか漬けみたいに、いろんな野菜がひしめき合っている。自己を押し付けるのは、必ずしも最良手ではない。


『まもなく、停車いたします。まもなく、停車いたします』


 もう振り向かない。電車は速度を落として停止。目の前の扉が開く。

 降りたことのない駅に降りる。二日連続だ。昨日は渋谷で今日は――。


「……」

「……」


 電車の扉が閉まる。車体の上部には、駅名が記されていた。けれど考えてみれば、そこに書かれているのは次の駅名だった。ここの駅のホームにある看板を見ればいい。車体から目を離す。


 えーっと、この駅の名は。


「…………いで」


 去っていく電車とホームに立つ俺の間には、ダイヤモンドが浮いている。

 彼女から漏れた声は小さくて羽虫のようだった。なまじ声の高さもあいまって、断末魔に聞こえた。


「………ないで」


「ふうん。お弁当みたいな駅名だな」


 一つのホームの両側に電車が来るタイプの駅でよかった。階段を一度のぼってから別のホームに行く駅もある。あれってどういう違いがあるんだろうか。乗降人数によって決まっているのかもしれない。ホームが混雑し過ぎないように、人が多そうな駅はあらかじめ二つのホームを作る。


 この駅のホームにいるのは、二人だけだから。

 一つのホームでよかったんだと思う。

 俺と青髪は横並びだ。

 今さっきの上りの電車ではなく、学校へ一駅の下りの電車に乗るために。

 俺が立っている場所から、余裕を持って青髪が立っている。

 電車が来たら、扉が開く。俺と彼女がいる場所は遠過ぎるから、別々の扉から入るだろう。


 どうとも思わない。本当だ。どうとも思ってない。

 だから何もしなかったら、電車はすぐにやってきた。見るからに満員電車にため息を漏らした。



「――――いで!」



 青髪が重力に逆らった。違う。彼女が頭を大きくヘッドバッドしながら、何かを叫んだ。滑り込んだ電車のせいで聞こえなかったけれど。宙に浮いた青髪が落ちる前に、彼女は破裂寸前のポップコーンみたいな電車に飛び乗った。


 彼女が何を言いたかったのかはわからない。それをわざわざ追いかけて聞く必要もない。彼女は同じ学校で、同じ学年。十三クラスあるけれど、探せば見つかる。


 探さないけど。やさしさの対価なんてこんなもんだ。御返しなんてない。それどころか罵倒で終わる。いつだってこうだ。


 最後まで顔が見えなかった、青髪だけが特徴的な彼女とは違う扉から、俺は電車へと体を押し込んだ。




    ♰ ♰ ♰




 学校の最寄り駅で電車を降りたけど、人ごみに紛れて青髪は見えなかった。

 教室に到着したのは、朝のホームルームが終わるすんでだった。


 横開きの扉を開けると、物々しい音がクラス中の視線を一手に集める。丸縁眼鏡と寝かしつけた髪が規律を守る性格だと物語っている担任が、教壇の上から物言いたげな視線を投げつけてくる。


「遅れました。ごめんなさい」


 こういうしかない。下手な言い訳をしたところで必ず滑る。

 もしも遅刻をした言い訳にとっても面白いギャグを思いついたとしても、笑ってはいけない空気が蔓延はびこっている場所で披露するのは悪手あくしゅだ。苦笑で済まされるから絶対にやってはいけない。いいか、もう二度とやるんじゃないぞ、俺。


「まだホームルームだから遅刻にはしない。だが爼倉まないたぐら、普段から登校する時間をもっと早くすれば遅刻しなかっただろ。これからは気を付けろ」


 一年と二ヶ月、俺の担任をやっているやなぎ先生だが、いつも爼倉で噛みそうになる。誰かが遅刻するたびに聞いている台詞だから耳タコの説教に神妙そうに頷いてから、自席に座る。


「それで話の続きだが、お前らの学友である濤万里とうばんりが」


 背後で鳴った雷のような音で、クラス中が驚いた猫みたいに背筋を振るわせた。どうやら俺以外にも遅刻者がいたらしい。

 勢いよく扉を開けて教室を震撼させた張本人は、四十路よそじを過ぎた担任のため息を吹き飛ばした。


「ごめんなさい遅れました! いやー日曜日だったからフクオカまで紅葉もみじりに行ってたんですけど、びっくりしました、紅葉こうようないんですよ! 梅雨だから雨で落ちちゃったみたいです。一晩明けたら咲いてるかもと今朝まで張ってたんですけど、そういう仕様じゃなかったみたいです! あ、座っていいですか?」



 梅雨に入った世間から涼し過ぎる風が教室に舞い込んだ。

 いつもはギャグで押し通す遅刻魔――須田すだだったが、今日はただの言い訳だった。


 須田が言い訳をしているときは本当のことが多い。つまり本当に福岡まで紅葉狩りに行って、今朝帰ってきたのだろう。……ん?


 スーパーにある野菜と野菜ジュースで何日間生活できるか、よりも些細な疑問を抱いた。須田の言うことなんてこの上なくどうでもいいが、言い分が通っていないことが気になった。

 嘘に対して敏感になっているのかもしれない。思春期の中学生じゃあるまいし、昨日今日あった人の一言に左右されるほど多感じゃないとは思うが……。

 須田は今朝、木々に紅葉がないことを確認してから帰ってきたと言った。

 日の出で紅葉の有無を見て、それから埼玉まで帰ってきたのだ。……福岡から?

 新幹線や飛行機なら、日の出直後に出発すれば間に合うかもしれない。けれど国内線がそんな早朝から動いているわけない。


 眉間に皺を増やした担任が、俺と同じ疑問を口にする。


「……須田。お前は、福岡県がどこにあるか知っておるか?」


 まるで小学生に聞いているような質問だった。


「質問に質問に返すなって教えたのは柳先生じゃないですか! どうして俺の質問に答えてくれないんですか」


「須田の質問には答えた。私の顔を見ていればわかったはずだ」


 怒ってる! 先生、怒ってるよ! 

 流石に空気の雰囲気が須田に「自重しろ」と伝える。けれどそんな空気が須田に伝播でんぱしてくれるなら、最初の挨拶すら彼は穏便に済ませたはずだ。


 恐れ知らずかバカなのか。須田は地雷にオリンピックで金メダル級に重い鉄アレイを放り込んだ。


「え? 落書きとかないですよ?」


 梅雨はまだ遠い。だってわれらが担任はあんなにも舌が渇いてるんだもの。

 教室から眺めた窓に「みつお」と指でなぞってしまうほど、須田は怒られた。


「――それで、出席はどうなります?」


「遅刻だバカモノ!」





 ホームルームは一限目に食い込んだ。

 哲学の木本先生が教室に来るまで、柳先生は須田の悪点をのべつまくなしに言い立てては、それについての改善点を懇切丁寧に怒声で説明していた。尻を振って職員室に向かった柳先生を見ながら、木本先生が須田に座るように指示した。


「まあ、なんだ須田。あんまり柳先生を怒らせるな。そもそもどうして怒られたんだ?」


 けろりとしている須田はまるで笑い話であったかのように、遅刻の言い訳から怒られた内容までを詳細に語った。

 木本先生はふんふんと、「柳先生が正しいなあ、ふむ」と過度に相槌を打っていた。

 須田の話を聞き終えた木本先生はさも当たり前であるかのように、須田にチョップをくらわせた。


「柳先生には昼休みにでも謝りに行っとけ。どうして謝るかは昼休みまで自分の頭で考えろよ」


 木本先生は説教についての話を一区切りつかせた。流して授業中のクラスの雰囲気がまとまらないことを懸念けねんしたのかもしれない。朝一の授業だからと、肩をほぐしながら須田と雑談を始めた。


「で、どうやって帰ってきたんだ?」


「いったい。帰ってきた? 俺ですか? え、俺がどこから帰ってきたんですか?」


「福岡からだよ。須田の言い分だと、今日紅葉が咲いてないことを確認してから埼玉に帰ってきたんだろ。紅葉がないのは当たり前だという話は面白いから放置しておくが。まさか朝一の新幹線だって、始業時間より前に動いてないだろ」


 須田は首を傾げる。きょとんとしたいのはクラスの方だというのに。


「バイクか? 未成年でバイクを走らせたなら今からでも警察か職員室に」


 剣呑な雰囲気の木本先生とは裏腹に、須田は手をたたいてほがらかに笑った。


「ああ、そういうことですか。違いますよ木本先生、福岡じゃないですよ」


「ん? 福岡と、お前が言ったんじゃないか」


 うんうん。と、クラス中が頷いていた。どういうことなのだ? 

 須田は笑いながら俺たちの間違いを指摘した。


「福岡って九州の県の方じゃないですよ。フクオカサーバーです。俺がやってるネトゲの、フクオカサーバーにまで遠征に行ってたんですよ。キャラはその場で放置してます。俺はログアウトして現実に一時帰還して参りました」


 敬礼をした須田。なんとも紛らわしいが、普段の言動がゲームかぶれの須田だ。少し考えれば想像がついた。見抜けなかった徒労が、須田の気の抜けた笑い声のせいで一気に押し寄せる。



 朝から疲労ひろうが溜まる話だった。最初からオンラインゲームだと言えばいいものを……。肩が余計にったと腕を回す木本先生が、クラスを代表してため息をついた。


「はあ……授業始めるぞー。教科書出せー」


 須田が手を挙げる。


「あ、木本先生、遅刻したんで教科書ロッカーから取ってきていいですか?」


 俺も手を挙げた。


「ごめんなさい先生。俺もロッカーに取りに行きます」


「須田と爼倉か。さっさと行ってこい」


 席を立ちあがって教室の外にでる。

 廊下のロッカー前に降下。目下、消火活動に移ります! って、教室出て三歩のロッカーが火を噴いているわけがない。そうだったら須田のどうでもいい話に耳なんて傾けていなかった。


 俺がロッカーの錠前を開けていたら、須田も後ろからやってきた。


「おっし」


 おっし。というのは、俺の名前「牡牛」から生成されたあだ名。兼、朝の挨拶を織り交ぜたものだ。使い勝手がいいと巷で好評。クラス内での俺の立場向上に一役買ってくれた経緯あり。


「おはよう」


 哲学の教科書を速やかに取り出してロッカーを閉めた。


「やなぎん怒り過ぎじゃね。朝からチビりそうだったわ」


 やなぎんというのは、担任の柳先生のあだ名。


「だったら下手な言い訳してないで、さっさと謝っちまえよ。つうか遅刻しなきゃいいだろ」


「お前がいうな。おっしだって今日は遅刻なんだろ」


 それを言われたら反論ができない。もし須田よりも後に教室に入っていたらと思うと身震いする。間一髪だった。

 結果的には、青髪の子をホームで探さなくて正解だった訳だ。


「後で謝っとけよ、ほんと。やなぎんガチギレだったから」


「だよな。購買のパンでも買ってくか」


「どうして石油タンクに放火する選択肢しかないんだよ」


「まあでも」と、何も話など繋がっていないのに須田はネトゲの話をし始めた。「フクオカもおかしいよなあ。『紅葉咲きました!』ってイベントバナーが公式サイトにあるのに、梅雨の時期だから現実と連動して葉っぱが落ちますだなんて。梅雨と秋が一緒にあるわけないのによお」


「なんだ、わかってたのか」


「おっしの意外そうな顔! 俺だって高校生だぜ。春は桜で夏は水着、秋は紅葉で雪は蜜柑だろ」


「雪は蜜柑ってなんだよ。冬は雪で蜜柑は炬燵だろ」


 前提においてそんな標語はないけれど。須田は真下に突き進んだ。


「何それ。四文字熟語?」


「……どうしてお前と一緒の高校なんだろうな」


 奇抜さなんて微塵もなく、須田の順位はテストで学年最下位だった。順当過ぎて掛ける言葉を失ったまである。


「よく二年に進級できたよな」


 俺の慰めも取り合わず、須田は哲学の教科書を団扇うちわにしていた。


「やっぱあの運営糞だよな」


「話聞けよ」


「とりあえずおっしもやらね?」


「糞だって言われた後のゲームに手出すわけないだろ。そもそも朝までやり続ける、ネトゲって何が楽しいんだよ」


 そろそろ教室に入らなければ、木本先生にどやされる。たぶん木本先生もやなぎんと同じく、怒ったら怖い。というか、大人の大半は怒ったら怖い。



「女の子がたくさんいる」


「詳しく」


 俺はロッカーに背を預けた。


「……お前ら、いつまでくっちゃべってる」


 案の定、タイミング悪く教室から顔を出した木本先生にお叱りを受けた。



005 と 006 は連話となります。

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