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極楽クラフト  作者: ゆまち春
一章『引きこもりの涛万里』編
1/40

001 今日から頑張ってみた

 俺は神様を信じない。


 したわれ畏怖いふされうやまわれ。

 教科書に名前さえ載らないくせに人類誰もが知っているくそったれ野郎は、俺の一世一代の願望を叶えてはくれなかった。


 神様ってなんだ。なんのためにいるんだ。問いかけて答えが返ってきたなら誰か教えてくれ。誰も教えてくれないのは、神様がいないからだろ。誰にも姿を見せたことがないんだろ。


 俺は敬虔けいけんな教徒じゃない。どんな神様を信じてもいないし、宗派に属してもいない。だから心眼なんて開けないし説教にも諭されない、天啓を聞く気もない。

 俺に寄り添い立つのは俺しかいない。草葉のかげで見守るのは神ではなく俺を愛してくれていた両親だけだ。


 神様に会えたなんて与太話よたばなしは、ネットワークのどんな情報網にも引っかからない。

 神様という器だけはあるのに中身は空虚。幻を皆で信じている集団催眠の頂点。


 買ったカップアイスの中身がなければ、残念どころじゃ済まない。むしろ憤るのが普通の反応だ。料金の対価としての中身がないのだから。


 信仰の対象が存在しないと知ってしまえば、歴史の教科書にならって言えば「暴動」が起きる。アイスの中身がなければ「クレーム」が発生するように。

 だから蓋は閉じられている。誰もその物理的存在を確認しようとしない。


 知ってしまえば、変わってしまうから。



 何度だって、この信条を宣言しよう。

 俺は神様を信じていない。

 俺にどんな力も与えてはくれなかったからだ。俺の手から滑り落ちる希望をことごとく見捨てたからだ。俺の腐った心に回復呪文を唱えてはくれなかったからだ。



 だから俺は極楽浄土も信じていない。


 仏教では徳を積んだり神様を信じたりすれば、幸せな世界に行けるとされている。

 そこではきっと指を動かせば肉をみ、たゆたう快感が鼻孔から入り込んで、息をするだけで死んでよかったと思える場所なのだろう。


 極楽浄土に行きたいがために、人間は徳を積もうと生きる。徳とは善行。善行とは、つまり人に優しくすること。世界に充満するやさしさの全ては、死後の安寧を希求するがためである。いつか魂が囚われる場所で、空も飛べない世界で味わえなかった快楽をむさぼるために。



 要するに、人間の優しさなんて全て未来への投資と言い換えてもいい。神からのおこぼれに縋っているともいえる。救済と恩赦のため。


 そうやって奇跡の存在しない世界は廻っている。

 嘘を信じて偽善で動く。廻る世界に、俺は異議を唱えよう。

 神様はいない。なのに極楽浄土は信じるのか? 神様がいないなら極楽浄土もないに決まってるだろうが。

 カップの中身がないのなら、アイスを作る工場だって存在しないのと同じだ。


 俺は誰よりも早く、死後の世界と縁を切った。

 現実逃避まがいの妄想を信じて他人に優しくしたって、リターンなんてなかった。優しさが身を滅ぼして、取返しがつかないほどの破綻まで転げ落ちたこともある。

 人生の振り返りなんていらない。これからは未来を見据えるのだから。終わった過去にかまってやる理由はどこにもない。

 来世だと遠い。死後の世界なんて期待していない。翼のない俺が地に足着けて、棺桶に入るまでのこれから。

 俺が生きる残りの人生を、俺の手で極楽浄土にしてやる。


 俺がやりたいことは決まっている。得られるものは大きいが、その夢の実現のためにはときとして色んなものを捨てなければいけない。ハイリスクハイリターンの賭けだ。

 来世はベットした。

 さあ、リターンよ、迎えに行く。




    ♰  ♰  ♰




 電車が到着すると、目的地を告げる電子音が聞こえて顔を上げた。車内で考えていたつまらない事を頭から追い出しながら、車内を充満させていた人いきれの空気と一緒にホームへ踏み立つ。


 渋谷の駅に着実な一歩目を踏み出す。もう後ろは振り向かない。目の前には日陰を色濃く生み出す終春の太陽と、喧噪と人ごみが一体となってとぐろを巻いていた。

 坩堝るつぼの熱にうなり声をあげる。順応するには時間がかかりそうだ。



 駅前に掲げられた時計には、今日の日付と時間がデジタルで表記されている。

 日曜日の昼間。

 疲れた顔した勤め人や、対照的に私服の若い男女が並んで街を闊歩かっぽしている。


 ご飯を食べるには少し遅い時間だ。ナンパをするには出遅れたかもしれない。


 何しろ今日が初挑戦だ。失敗が起こるのはしょうがない。些細なミスは反省リストに入れてしまえ。後悔は後回しだ。


 なんたって今日は夢の実現のためにやってきたのだ。悲しんだり寂しがったり赤面している時間は勿体ない。それに倹約家の姉貴が知ったら、無駄な時間の内訳を鏡に書かせたこつこつ説教を始めるに違いない。


 そんな失敗は犯さない。もう来世なんていらない。んなもんはミジンコにでもくれてやる。俺は今世で幸せとか夢とか天寿とか、何もかも全うして実現してやる。

 それが存在しない神への、俺なりの復讐だ。

 だから。

 人が集まる地にやってきた。


 俺なりの極楽浄土――好きな女性を侍らせたハーレムをこの手でつくってやるために。




  ♰ ♰ ♰




 渋谷、なんて日本では大都会の代名詞みたいな街であるからして、埼玉とは段違いに他人を魅了するフェロモンがそこかしこで羽ばたいている。


 女性の質が高い。この場合の質というのは、化粧は厚くないのにいいフェイスをしていたり、脳幹のうかん直撃のボディラインだったり。そういう性格を含めない外見だけの評価だ。服については似合っているか似合っていないかの二択で決めている。ファッション自体が女性の本質だとは思っていない。流行にだって興味がない。好きな服を着ていればそれでいい。これから天下の女性と生涯たわむれる俺の未来だ。女性の好みにくらい寛容であれ。

 ただし黒髪でないやつは知らん。髪の毛を染めてるやつは不良だ。清純じゃない。認めてなんかやるもんか。


 暑くて半分飲んでしまった水筒片手に、駅の前を往来する幾百の女性に焦点を合わせる。

 俺の好みを基準として、上位の女性を選出することが最初にやるべき課題だ。

 次にやることは、その女性と交際できるように頑張ってなんとかすることだ。具体的な方法とかはよくわからないけれど、相談したら姉貴は、


「とりあえず飯代は絶対にケチるな。ファーストインプレッションはナンパ師において何より大事だと思え。男が誘っても、男が金を払わない。女は十中八九なびかない。次がないと思った女なら割り勘でもいいが、脈がどんなになくても好みだったらおごれ。……軍資金はあるか」


 と言いながら諭吉様をくれたので、飯を奢ればいいんだと思う。


 とはいえ、時刻は昼飯も終わり時。駅前はなんかもう、ご飯を食べ終えて一服する和やかな雰囲気だった。煙草を吸っている人がわんさか。休憩時間に休んでおこうという社会人の至極まっとうな行動だ。これでは駅前でご飯を食べていない人を探すのは一苦労だ。

 それに、出来れば最初の姫は同年代の娘がいい。女子高生がいい。


 街の中心部に出よう。飲食店が並ぶ道へと移動することにした。

 俺の行動シナリオはこうだ。

 道に迷っていそうなふらふら歩く女性を探す。その人はきっと食事する場所に悩んでいるはずだ。すかさずご飯に誘う。


 完璧だった。瞬時に百パターンくらいのイメージトレーンングができる俺の頭は最高潮にえているといっても過言ではないだろう。

 けれど問題は、飲食店に焦って入る必要がないことだった。

 時間も時間で、『お昼のワイドショーで宣伝されました! 現役女子高生アイドルとおしゃべりできる喫茶店』みたいなアンダーグラウンドのニーズに答えたお店しか並んでいるお客はいなかった。


 通りから喫茶店なんかの店内を眺めると、満席だけれど入れないことはない、みたいなお店ばかりだった。早くしないとまだ見ぬ迷える女性がどこかに入店してしまう。今もまた、カップルが適当なお店のドアを叩いてしまった。


 考えよう。お店の前で誘ってもダメだ。


「あなたに美味しいお店とか聞かなくてもネット調べれば一発なんで」


 と現代っ子なら突っぱねてしまう。そもそも渋谷に来たのはこれが初めてだ。美味しいお店なんて知らない。

 駅前もお店の前もダメなら……。そうか! 本格的に迷子になっている人を探せばいいんだ。

 迷子になっている人に対して手を差し伸べる。それをキッカケにすればご飯を一緒に食べれる。相手からすれば俺は命の恩人なわけだから、


「ああ、ありがとうございます。あなた様のお陰で私は東京砂漠にこのナイスバディを埋めることなく無事にご飯にありつけそうです。よければご一緒にお食事を。あらいやだ、私ったら大胆だいたんなんだから。でも、そうさせるのはあなたなんですから。責任、取ってくださいね」


 という展開になるはずだ。ナイス吊り橋理論。俺の極楽浄土は、夏色をした東京砂漠の一粒から始まるのだな。

 まだ梅雨は明けていないけれども。



 ともかく、俺は迷子でかつ女性を捜すことにした。

 というわけで。

 俺が迷子になった。



 ……まあ、当たり前だよな。都会人が迷子になるぐらいだから、それだけ入り組んだ地形だったり、繁華街から外れた場所に迷子はいるわけだ。渋谷初上陸の人間が迷子捜索のために人のいない道を通れば、迷子になるのは必定ひつじょうだった。迷子迷子うっせえ。納鳴村ななきむらに閉じ込めっぞ!


 繁華街から遠のくと人通りも絶え、喧噪は過ぎ去った台風のようだ。俺の足音と室外機の笑い声だけが反響していた。

 周りはマンションやオフィスのような高い建物ばかり。これでは迂闊にすいませーんとインターホンも押せない。東京砂漠なんてでえっきれえだ! はやくも埼玉に帰りたくなってきた。でもこんなすぐに帰ったら姉貴に怒られるだろうなあ……。



 暗い脇道に入った。というより、歩いていたらそこを通るしかなかった。過去を振り返らないと決めたからには、通ってきた道を戻るわけには行かない。こうなればもう、ひたすら突き進んで本物の迷子を見つけるしかない。

 ……もしくはここの地理に明るい人を見つけるしかない。

 でもなんで誰も通らないんだよ。人っ子一人いない。ああ、もう!



「お困りですか?」


 ポリバケツでツービートを奏でていたら、肩を優しくたたかれた。

 まさかお巡りさんか。もしもそうなら家族に連絡をされて、姉貴に笑われて呆れられる。びくびくしながら振り向いたが、目線の先にあったのは国家憲兵様が着る青色の制服ではなかった。


 チェックのスカートを隠すようにクリーム色のセーターが胴体をおおっている。存在をなんとか確認できる程度のふくらみしかない胸が、誇張していないサイズを見せつけているようで、意識が朦朧もうろうとしていたら自然と手を伸ばしてしまいそうだ。

 エロチックな香りはない。しかし、彼女はまさに扇情せんじょう的としか言いようがない女子高生だった。


「どうかしましたか? バケツを叩いてモールス信号を送られていたみたいですが、私にはそちら方面の知識がないためこうしてお聞きした次第なのですが」


 パーツの整った小さな顔を外敵から守るように、黒い髪が背骨まで流れている。けれど彼女の顔は庇護ひご的な幼さを持つ一方、どこかの高校の制服を着ていなければ大学生や社会人と言われても通じるほどに大人びていた。

 そんな顔が、マシュマロを軽くつまんだみたいに微笑む。


「それとももしかしてドラムの真似事でしたか。ド下手糞ですね」


「……」


 微笑んでいた。うん。見間違えじゃなかった。あっれー? 聞き間違いかな。初対面で、しかも初対面の人に失礼なこという訳ないよね。きっと「Do he take sose?」って言ったんだ。あっはっは。Heは三単現だからdo じゃなくてdoseなんだよお嬢さん。


「返事がないですね。どこか怪我でもなされてたら病院へ行ってくださいね。私は治せませんけど病院の紹介ぐらいは出来ますから、私を頼ってくれて構いませんよ」


「……すいません。えっと、どちら様でしょうか?」


 最初の外見の評価など既に紙屑だ。この人はあんまし会話しちゃいけないタイプの人間だ。俺の第六感がそう告げていた。


「私は私です。それ以外の何物でもありません」


「そうですか。私もめだかなんです。それではまたどこかの御池で会いましょう」


「焦らないで、ちょっと待ってくださいよ。ステンバーイ。ステンバーイ」


 逃げようときびすを返したが、俺の服を掴まれる。か弱そうな腕だったが馬鹿力を隠していた。彼女はびくともしない。


「迷子さんでしょう。急いで逃げたらまた道に迷いますよ。ここは怖いですよお。三本に一本は涙なしには通れない場所へと繋がっていますから」


「どこだよそれ。死んだ犬と少年でも転がってるのか」


「いえ。カタギじゃない人の事務所がそこらへんに点在してるんです」


 逃げようとする力を抜いた。したら彼女も服を手放してくれた。


「まあまあ。焦ったって人生いいことないですから。肩の力を抜いて、まずは私とトークしましょう。最近の月って偽物なんですけど知ってました?」


 もしかして東京ってこんな人間ばかりなの? こいつはヤバイ奴だ。それも超弩級どきゅう。なんだ月が偽物って。外見だけは満点だが、内面が倒錯とうさくし過ぎている。

 現実と妄想の区別がついてない、日常生活を満足に遅れるかも怪しい女だ。


「知ってた知ってた。あれ全部コンクリートらしいな。だから来月からセメントの値段が跳ね上がるらしい。買い置きしとけよ。それじゃあな」


「この路地を抜けたら幽霊が出る公園とカタギじゃない人の事務所と地元ヤンキー御用達のパチンコ店しかないですよ。そんなところへ向かうだなんて、何がやんごとなき事情でもあるのですか?」


「さるお嬢様のために紫陽花あじさいを購入しなければならぬ。それでは拙者は先を急ぎますゆえ」


「紫陽花なら私の家にも生えてますよ。虫が湧いて困っていたので、よければ数本持って帰っても構いませんよ」


 優しさのようなものを振りまくこの仮定:女子高生が、美人局つつもたせだと確信したのはこの時だ。

 出会ったばかりの男を家に招くような黒髪女子高生が本物の訳がないからだ。彼女は美人局に違いない。きっと俺を家に招き入れるために淫靡いんびな雰囲気を振りまき、いざのこのこと着いていけば、所持禁止法令に引っかかるような大人のおもちゃを突き付けられ、スキンヘッドさんたちにあられもないビデオを撮られるに違いない!


「ごめんなさい。買う花を間違えていました。紫陽花じゃなくてリンカネーションでした」


「リンカネーションは輪廻という意味で、決してカーネーションのお仲間ではないですよ」


 ぬかった! 仏教用語を調べたときに、なんか格好よさそうな名前を一緒に検索してしまった余波がこんなところに……。


 俺は一刻も早くこの女の魔の手が届かない場所に逃げたかった。だがしかし、女子高生コスプレイヤー美人局は、一向に俺を帰してくれそうになかった。

 これが女の怖さなのか。

 それとも。こんな頭のおかしいやり取りが都会の普通なのか?

 ちょっと怖い顔をしてみた。彼女がおびえそうな怖い顔だ。

 彼女は首を傾げただけで、おくびにもひるむ様子なんて見せなかった。


「どうして迷子だと言えないのですか? 嘘ばかり重ねて、まるで狼男です」


「嘘ばかりついていたのは狼少年なわけだが」


「おっと失礼。日本産以外の童話にはうとくて。ではでは狼少年さん。迷子なら迷子だとはっきり言うのがベストだと思いますよ。人間だれしも迷子になります。人生の道に迷ったとき、通りかかる人間は多かれ少なかれ光に見えます。ほら、私にも後光ごこうが射してるでしょ?」


 射していなかった。暗がりの路地には、絶賛ぜっさん頭のおかしい美人局がいるのに、真上の太陽はそれを明るみには出さなかった。職務怠慢だ。太陽が働かないせいで誰も助けに来てくれない。


 俺がどうやって逃げようかと思案しながらため息をついたら、ぐいぐい距離を近づけていた彼女は一歩退いて、苦笑いを浮かべた。


「……ただ助けたいだけなのですが、とっても希少な確率ですけれども、もしかして迷子ではなかったりするの……かな。もしも狼少年さんが迷子じゃないんだとしたら、私は君のサインだけを残した借用書一枚を残して立ち去るけれども」


「借用書の存在と一緒にさっさと消え去ってくれ」


 ありったけのうさん臭さをかもし出した彼女は、無理やり作ったと小学生でもわかるほどひきつらせた笑顔を貼り付けて、路地の入口までとぼとぼと戻っていった。

 太陽が彼女の背中に光を当てる。落ちた影は色濃く、背骨が曲がった彼女は、自信満々のさっきまでとは打って変わって……その、なんだ……悲しそうに見えた。


 押しうる親切を無碍むげに切り捨てられた、狼少年のように。


「待ってくれ!」


 あーあ。なんで声を掛けちゃうかなあ、俺は。


「……いかがしましたか。借用の利子は私の誕生日を境に十倍になるという契約でビタ一文まけません」


 振り返った彼女の顔が上がっていくのを眺めてから、お願いした。


「あの、その……いや、実は月はセメントで固められてなくて、かわいいお嬢様お付きの執事でもなくて、ついでに花も探してなくて……後、お金も借りてない」


「はいはい」


 神妙しんみょうに頷く彼女。そんなことわかっていますよ、と言わんばかりにわざとらしい。


「待ってって、呼び止めた理由は、その……」


 優しくしたところで、リターンなんてないのにな。ほんと、なんでなんだか。

 待ち構える彼女に意を決して、俺は懇願した。


「迷子なんです。助けてください」


「はい。勿論です」



 胸を握りこぶしで叩いた彼女は、大海原へと航海にでる海賊船の船長のようだった。


 事実、俺は彼女と築いた関係を契機に、立ち込める霧の中を無我夢中で進み、時には暗礁あんしょうにぶつかりながら、巨大な島と決闘をしたりと七つ海を越えるよりも胸揺さぶられる冒険譚みたいな――日常を送ることになる。


 まだ見ぬ世界へと旅立つ旗揚げとして、彼女はアイスクリームのような声で笑った。


「なんせ私、神様ですから」



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