キラーマシーン
山奥にある西洋風の御屋敷、すっかり寂れた外観とは違いつい最近まで人が住んでいた形跡があり手入れが行き届いている、地下には小さな研究施設があり他の部屋とは違い荒らされ、壁面や床のあちこちには赤黒い染みが…。
いったいなにがあったのか…。
マッドドクター山田は世の中を恨んでいた。
確かに彼は天才ではあったのだが、安全性を考慮しない、非人道的な実験の数々で世間からは総スカン状態、才能では劣る他の発明家や研究者に先を越され、科学界の第一線からはすっかり身を引いていた。
過去の栄光である発明の一部、特許料で年老いてからはコッソリと御屋敷で隠居生活をしていた。
しかし科学者として全く評価されなくなった彼のプライドは傷つき、世の中に対する恨みは募る一方、いつか復讐を…そう決めていた、彼は危険だ世間が正しかったのだ。
彼は隠居生活中、ある研究に没頭していた。
人造人間の開発である。
もちろん目的は社会への貢献などではなく、彼の私欲を満たす為、つまり社会への、人間への復讐、人造人間の圧倒的な力によって人類抹殺を目論んでいた。
ついに人造人間が完成。
知能指数は200を超え、身体的スペックは人間の十倍以上、目的は人類を皆殺しにすること、手段は選ばない。しかも活動は半永久的に停止することは無い、水分の補給と日光を浴びることで活動可能、光合成のような機能が備わっている、完璧だった。
「うははははは!ついに、ついに完成したぞ私の最高傑作が、人造人間は起動した瞬間から人間を例外なく抹殺し続ける、しかも絶対に止まることは無い、私の声紋認証以外ではな…、いまこそ世に復讐を…、私の才能を認めなかった世に罰を…」
いまマッドドクター山田が人造人間の起動スイッチを入れる…。