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4、フロージア探索

4、フロージア探索

とりあえずいつまでもここじゃ何だから、と言ってレアンドラは俺の手を引いて歩き出した。

そして連れていかれたのは、巨大な洞窟。

「何だ、ここ・・・」

てっきり天界に連れて行かれでもするのだろうかと思っていたものだから、驚きが大きい。

それにしてもデカい・・・

東京ドーム入るんじゃね、これ?

「ここはね、現世に善を探しに行く前にフィンドールが作っておいてくれた隠れ家よ。」

「作った!?」

まじか・・・ゼウス(キルレイズか)の側仕えともなるとそんなことできるんだな・・

「申し訳無いんだが、天界へ行くのはもう少し後になる。」

「え?」

「俺たちだけでは天界へは帰れん。通行の神に通してもらって来たのでな。」

どうやら、こんなに早く事が進むとは思っていなかったので、1か月後に帰してもらうという約束で来たらしい。

と、いうことは・・・・・・

「1か月、自給自足になりまーす!!」

うわあ・・・・・・・予想通りの展開キターーーーー!

「まあね、近くに街があるから物資には困らないんだけど♪」

あんのかよ!!!!!

「行ってみる?」

「へ?」

「どうせ、時間はありすぎるくらいだし。街、行ってみる?」

行ってみた。

「でっか!!!!」

レアンドラによると、この馬鹿でかい街はフロージアというらしい。

幻世一の大きさなのよ、とも言われたが、これで一番じゃなかったら俺はこの世界の奴らの感覚を本気で疑おうと思ってたところだ・・

「おや!?ゾラじゃないかい!!久しぶりだねえ!」

「ナタリア!会いたかったわ!!元気だった?」

レアンドラが中年の女の人に声をかけられた・・ゾラって誰だよ?

疑問の声を上げかけた俺に、黙ってて・と目配せを送ったレアンドラが女の人に向き直った。

「ごめんなさいナタリア、今日この子を案内しないといけなくて。エディに頼まれてるのよ・・」

「ああ、そうかい。呼び止めてすまなかったね。行っておいで!」

「また今度ね!」

爽やかに手を振ったレアンドラとは裏腹に、俺の頭のなかはクエスチョンマークで一杯だった。

「レ、レアンドラ・・・?」

「ごめんね善、びっくりしたでしょ。ゾラっていうのは、私のここでの仮の名前なの。あと、レアンドラって名前は、キルレイズ様とその側仕えしか呼び捨てにできない決まりになってるから、こういう所ではゾラって呼んでくれる?」

「へー・・・」

分かった、と言ってまた歩き出す。

フロージアは大きさに比例した賑わいを見せていて、人混みを掻き分け掻き分けやっと少し開けた場所に出た。

「善ー、大丈夫?」

人に酔ってしまい、ぐったりと座り込んだ俺にレアンドラが水を差し出した。

「あー・・・有り難う・・・」

「善はあまりこういう所、好きじゃない?」

「んー・・・昔から人混みはちょっと苦手だったけど。」

「そうなんだ・・・なんか、ごめんね。無理矢理連れてきちゃって。」

レアンドラが申し訳なさそうに言う。

「あっ嫌、別に謝られるほどの事じゃねーし」

俺がそう言うと、レアンドラはふふっと笑っていった。

「ごめんね善、ひとつだけ用事を済ませたいんだけど、付き合ってくれる?」

「・・・?」

用事?よく分からなかったけど取り合えず頷く。

「善の服だよー。気づいてないかもしれないけど結構目立つよ、その制服。」

「あっ・・・」

そうか。そういえば俺制服のままだった・・・

俺は覚悟を決めてもう一回人混みに飛び込み、レアンドラの背中を追った。

レアンドラは歩くのが速くて付いていくのが精一杯だ。

人混みを抜け出したレアンドラは、ふっと路地裏に消えた。

急いで続くと、建物と建物の間の狭い路地にぽつんとドアがひとつあり、その前でレアンドラが微笑んでいた。

ちりん、と音を鳴らしてドアを開けると、そこには巨大な棚とそこに収まりきらないのではないかというほど膨大な量の布地があった。

「セシリアさーん。あれ、いないのかな?セシリアさーーん?」

呆気に取られている俺を置いて、レアンドラは棚の横の小さなドアに入っていってしまった。

「すげーなー・・・何枚あるんだ・・・?」

ひとりごちた時、みしりと棚から嫌な音がした。

「え・」

後ろを振り向くと、目の前にはさっき見ていた棚と布が迫ってきていた。

「っ、うわあああああああああああああ!?」



続く







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