狂の愛
ねぇ?なんで君は私だけを見てくれないの?
そう昔、君に聞いたよね。
そうしたら君は、他に好きな人が居るからって言ったよね。
真っ赤に染まる包丁、バラバラにされた人間だったもの。
返り血がなかなかおちなかったり、女の子の後片付けをしたりって大変だったのに。
君ハ私ヲ見テクレナイノ。
私は君の幼馴染みなのに。
君はそれからも何度も恋をしたよね。
そのたびに私はその子の血を浴びて綺麗になっていったのに、君はまだ私のことを好きになってくれない。
そして今君は私の前に倒れている。凛々しい顔、逞しい胸、かっこいい足、その全てを血に濡らして。
仕方なかった。君がどうしても私だけを見ることはどうやっても無いって。解ってしまったから。
私は怖かった。君が私の前から居なくってしまうんじゃないのかと思うと心臓が張り裂けるんじゃないかってくらい怖かった。
でも、もう全てドウデモイイ。
ねぇ……今から行くよ……?
今度こそ……私を愛してね……?