停止
時間が止まってしまうのが一番いい
人は一つ役割を果たしてしまえば
その続きのシナリオを延々と演じる羽目になる
そしてそのシナリオは
役割を果たした時点で
なんらかの形で実在せざるをえない
だから助けるのも助けられるのも
それが意図されなかったものだとしても
永久に人の記憶として強烈に残ってしまうだけでなく
永久に背負う記憶となって
両者の脳内に残って行くのだ
時間が停止してしまえば役割は役割として終わり
その役割の延長が人の範疇に侵入することはなく
綺麗なストーリーとしてまとまる
人との良い関係が崩れ去ることも一切ない
しかし人は誰もが死に向かわなければならなくて
時間は過ぎて外界の変化は起きてゆく
混乱が起きてしまう
人が死に近づいていくということは
欲を離れて物事を割り切っていくことなのだろうか
割り切って余りを頑張って捨てれば
余りはどこにいってしまうのだろうか
そういえば人は捨てるものがないと生きていけないのではないか
私たちだって
時間を止められないから
捨てながら生きてゆかねばならない
時間に支配された生き物なんだ
生き物はみな
死から逃れられないのは一緒