死神
きっと誰のそばにも死神がいることがあって
そいつは命を奪ってやろうと構えて機会を見計らっている
早く条件がそろわんかと傍観しながら楽しみに待っている
誰かについている死神がこちらを見っけて
にんまりとほほ笑んで乗り移ってくることさえ
あるかもしれない
あっさりと命を奪っていくかもしれない
死神は人を差別しない
でもいつだって命を奪えるわけじゃない
時が来れば去ってゆく
乳白色の世界と黒色の世界を渡り歩けるのは死神だけ
あ~あ結局誰も死んでねえや
そういって死神が死神界に帰ってゆく背中を見送った
特別な瞬間はいったいいつのことか分からぬ間に
いつの間に終わっている