1/10
プロローグ
プロローグ
夢を見た
暗くて、変な匂いがして、気分が悪くなるような…
…あれ? それは現実だっけ
「一体全体どういう事なんだー!!!」
気が付いたら私は走っていた
暗い路地裏をただただひたすら
後ろには二つの大きな影がある
ズンズンと音を立ててこっちに向かって走ってる
ああもう駄目だ。大体私は体力がない
でもこのまま捕まるのはごめんだ。大体なんでこうなったのだろう
細く薄暗い一本道の路地裏に、一つ分かれ道が見えた
そこを曲がって入ろうとしたら
「ぐぎっ!」
巻いていたマフラーが、何かに引っかかって動けなくなってしまった
それに首が絞まって苦しい
「うっぐっ、…クソッ」
後ろがさっきの黒い影が追ってきている
眼らしきものがギラギラ光って不気味だ
どんどん影が大きくなってきている…
本当にもう駄目かもしれない
覚悟を決め、目をぎゅっとつぶった
その時
「こっちですよ」
変な声が聞こえて
いきなり袖を引っ張られ、暗い道の奥へと連れ去られた