カルドラ・サルフィーの受難
初心者の拙い小説にお付き合い頂きありがとうございました。
書けるものは一通り書いたので、ひとまずこの話を以て完結とさせていただきます。
この連載をいいねと思った方は、評価・感想等入れていただけるととても励みになります。
後書きにて新連載の告知をいたします。
こちらの連載よりもさらに作者として成長した姿をお見せできると思いますので、よろしければそちらもぜひお楽しみください。
背後でなにやら小さな気配がこそこそしている。
振り返ると、小さな影が慌てて引っ込んだ。
あれで見つかっていないつもりなのか。
カルドラは唇の端を上げた。
どうやら、雇い主の娘が、ここのところ数日間自分の跡をつけているようなのだ。
名前はアネッタ、5歳である。
背後の気配の正体はアネッタであることは明白だった。
なにせ、物陰に隠れるときに、母であるケイシーが毎朝髪につけてやっているフリルのついたリボンが、隠れきれずにひらひらと揺れるのだ。
所詮は子供の遊び。
カルドラとて厳しく咎め立てする気はない。しかし、
自分が商家の外に出たときまでついてこられると、少し困る。
迷子にでもなったら一大事だ。
カルドラはあの糞みたいな場所から自分を見出してくれた雇い主夫婦を敬愛していた。
アネッタに何かがあって悲しむ彼らは見たくない。
カルドラは厨房に向かう。
おやつのクッキーを分けてもらえないか頼むためだ。
クッキーの必要な訳を話すと、料理人は笑いながら快諾してくれた。
廊下へ移動し、わざと曲がり角に背を向けて花瓶を磨いているふうを装う。
案の定、小さな気配がじぃ、とこちらを伺っている。
姿勢をそちらへ向けるとすぐに引っ込んだ。
「妖精さん、妖精さん。プレゼンのクッキーをあげるからこっちに来ませんか。」
じいっとこちらを見つめる瞳を、じいっと見つめ返す。
しばらく逡巡していたようだが、ゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。
「妖精さんはどうして私の跡をつけているんです。」
「べつに。」
「妖精さん。私は妖精さんと仲良くしたいんです。そのためにプレゼントを持ってきました。仲良しの印に受け取ってくれますか。」
「いいわ。受け取ってあげる。」
アネッタはにこにこしながら受け取った。
「これで、アネッタとカルドラはともだち?」
「はい。ともだちです。ともだちなので、私に会いたいときはこっそり隠れていないで、ちゃんと正面から会いにきてください。いいですか。」
「きづいてたの?」
「ええ、ちょうど今日。」
嘘である。本当は初日から気づいていた。
「妖精さんがあんまり隠れるのが上手なので、気づけませんでした。」
妖精は得意げに小鼻を揺らした。
「でしょう。アネッタとカルドラはともだち。アネッタとカルドラはともだち!」
妖精は、『ともだち』という言葉の響きをいたくお気に召したようだった。
向こうから、アネッタを探すケイシーの声がする。
ここにいることを教えるため、カルドラは声を張り上げた。
「虐げられ令嬢は王立学院で無双する。〜契約精霊がざまぁをしろと煩いですが、スクールライフが忙しいのでそんな暇ありません!〜」
連載開始します。
明日の9:00に第一話を掲載。
この連載を読んでくださった方だけが楽しめるような、ちょっとした仕込みを入れさせていただいております。
虐げられ令嬢は王立学院で無双する。〜契約精霊がざまぁをしろと煩いですが、スクールライフが忙しいのでそんな暇ありません!〜
https://ncode.syosetu.com/n4017lw/
あらすじ
サラ・ベルクマンは家族に虐げられて育った。
この家にいるのはもう無理だ!
そう思ったサラは、家を出て王立学院に特待生として進学する。
契約精霊のララは、最近流行りの小説にはまっちゃったみたいで、「ざまぁ」をすることを私に勧めてくる。
いやです!ざまぁはしません!
だって勉強に友達付き合い、恋することに忙しいので。
ところが、父と兄が自分を連れ戻しに来て…?




