第四章:康夫の正体と、決定的な脅迫
修が地方出張で一週間不在の夜。
康夫が、いつものように、小春を寝かしつけた瑠美のそばへやってきた。
「瑠美さん。あの脅迫者は、君が誰に相談したか、誰に助けを求めたか、全て把握しているそうだ」
康夫の言葉に、瑠美の警戒心が極限まで高まった。
「なぜ、それを康夫さんが…?」
康夫は、優しげな顔のまま、瑠美の震える顎を掴んだ。
その手の力は、父親のそれではなかった。
「なぜって?なぜだろうね、瑠美さん」
彼は、満足げに笑った。
「私は、過去に探偵としての経験がある。君たちを盗撮することなど、造作もないことだ。そして、脅迫状を書いているのも、この私だよ」
瑠美は、青ざめた顔で康夫を見つめた。
彼女の知性が、康夫の心理戦の巧妙さ、そして長年の悪意を理解した瞬間だった。
「あなたが…葉月さんの父親のあなたが…?」
「葉月の父親だからこそ、君が欲しい。君は、修くんの姉という禁断の愛の象徴であり、葉月の愛を裏切らせた魔性の女だ。そのすべてが、私を狂わせた。修くんは多忙で君を支配できない。だが、私ならできる」
康夫は、そう言いながら、瑠美の首筋からブラウスへと手を滑らせた。
瑠美の体はビクりと反応し、硬直した。
康夫は、勝利を確信していた。
瑠美の知性と警戒心は、康夫という「絶対に裏切らないはずの恩人」という防御壁によって、完全に無効化されていた。
康夫は、ブラウスの上から二つの膨らみを、味わうように堪能する。
その熟年の手つきに、瑠美は、今までにない快感を覚え始めていた。
しかし、瑠美は我に返り、「康夫さん、だめです、こんなの!」と言いながら、抵抗を試みる。
すると康夫は、例の動画のデータを、修の会社の上司全員へ「予約投稿」した、携帯の画面を瑠美に見せつけた。
「君が声を上げれば、この予約投稿はすぐに実行される。修くんの地位も、小春ちゃんの未来も、全てが崩壊する」
「やめて!修は関係ないでしょう!」
「関係あるさ。修くんの代わりに、君が私に奉仕することで、この投稿は「キャンセル」される。修くんのキャリアと小春の安全と、君の白い肌。地獄の契約だ、瑠美」
康夫は、勝ち誇った表情で、瑠美の服を脱がせていった。
瑠美は、絶望的な敗北を感じた。
愛する修のキャリアと、小春の未来を天秤にかければ、彼女に残された道は一つしかなかった。




