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第90話 あずさ参戦!第3回キャンプ計画会議


メイと詩音がラズベリーモールから帰ってきたのは、昼を少し回った頃だった。

道中のスーパーで、お菓子と飲み物もちゃっかり買い込んでいる。


「ねえ、メイちゃん。お菓子、足りるかな?」

プジョーから降りた詩音が、エコバッグをのぞき込みながらつぶやく。


「これだけあれば、大丈夫でしょ」

ドアをリモコンでロックしながらメイが苦笑いを浮かべた。

「ホントはあのドーナツも買いたかったんだけどなぁ」


そんなことを話しながら、ふたりは玄関先へと歩いていく。


「あ、そうだ!梓ちゃんが来るまで、まだちょっと時間あるじゃん。今のうちにタープ張って、びっくりさせよ!」

「それ、面白そう!」


ふたりは顔を見合わせて笑うと、さっそく準備に取りかかるのだった。


スタッフバッグを抱え、ふたりはメイの家の前に立った。


メイの家の庭は、意外と広い。建物を正面から見て、左手に洋室、中央に玄関、右手には和室が並び、それぞれ縁側がついている。

庭の三分の一ほどは人工芝で、残りはコンクリート。陽を受けて、芝がすこしだけ柔らかく光っていた。

コンクリートの上には、メイのプジョー208がすでに停められている。


「この広さなら、タープ楽勝に張れそうじゃない?」

詩音がうれしそうに声を弾ませる。


「まずは、広げてみようか」

メイがスタックバッグを開けると、厚手のタープ生地が出てきた。慎重に取り出し、人工芝の上に広げる。


「ほら、充分いけるじゃん!」

詩音がちょっと自慢げに笑う。


「動画だと……このタープの端っこから、ポールを倒して位置を決めるって言ってた気がする」

メイが記憶をたぐり寄せながらつぶやく。


付属のポールは、一本あたり235センチもあるロングタイプ。組み立ててみると、ふたりの背丈よりずっと高く、存在感がすごい。


「メイちゃん、これ……先っぽ、手が届かないんだね」

詩音が背伸びしながら見上げる。


「ほんとだよ……高いなぁ」

その高さを前にして、少し不安になるメイ。


「……ちょっと、動画見ながらやらない?」

「賛成!」


ふたりはスマホを取り出し、WeTubeで『初心者でも簡単!ヘキサタープ設営法』なる動画を見つけて、再生し始めた。


「へぇ〜、こうやってペグを刺す位置決めるんだ」

動画を見ながら、詩音が感心したように言う。


ふたりはさっそく、それにならって作業を始めた。


「このポールを、タープの端から倒して、目印を……」

メイが呟きながら、小さな石を置く。


「それからポールを移動して、ペグの位置を……」

ひとりごとのようにぶつぶつ言いながら、メイが慎重にポールを動かす。


「メイちゃん、こっちのポール、壁に当たって倒せないよ〜」

反対側で作業していた詩音が声を上げる。人工芝の隅っこ、洋室の縁側の近くだ。


「もう少し、タープそっち寄せないとダメかも」


「オッケー」

メイはタープをズズズと引きずりながら、位置を調整する。


もう一度目印をつけて、ポールを動かして……と作業を進めるが、

「あー……コンクリートにはペグ刺せないよねぇ」


タープの端の、玄関寄りは全面コンクリート。メイが困ったように顔をしかめる。


「詩音、そっちってペグ刺せそう?」


「うん、この植木のとこ土だから、いけそうだよ」


「じゃあ、そっちからポール立てようか」


人工芝側でポールの位置を確定し、再び動画をチェック。


「次は……ロープを張るんだったかな」


メイがガイロープを取り出し、輪っかを作ろうとする。


「ここに輪っかを作って、ポールの先にかけるんだよね」


見よう見まねで“もやい結び”に挑戦するが──


「……てろん」

輪っかがほどけてしまう。


「えー、なんで!もう一回!」

メイが少しムキになって再挑戦するが、やっぱり──


「てろんって、解けるぅ」

詩音が思わず笑う。


「案外むずいんだから。詩音もやってみてよ」

メイがロープを渡すと、詩音も真剣な顔で結んでみる。


──が、結果は同じ。


「やっぱ、てろんじゃん!」

メイの言葉に、ふたりとも顔を見合わせて吹き出した。


秋空の下、庭に響く笑い声が、なんとも心地よかった。


なんとか、もやい結びが完成し、ロープをポールに引っ掛けて、タープ本体のハトメをポールの先端のボールに差し込む。


「これで、立ち上がるんじゃない?」と詩音。


「うん、やってみよう」


ふたりでタイミングを合わせて──


「せーのっ!」


ぐっと力を入れて、ポールを持ち上げる。


「……なんか、ぐらぐらしてない?」

ポールを押さえながら、詩音が不安そうに言う。


「もっとロープ締めなきゃかも。詩音、ちょっと持ってて」

メイが自在金具を手に取り、ロープをぐいっと引いて調整する。


「かなりテンションかけたから、大丈夫だと思うけど……」


「じゃあ、離すよ?」


詩音がゆっくり手を放す。なんとか自立している──ように見えたポールが、ぐらり。


「わっ!」

思わず詩音がキャッチする。


「もう少し引っ張らないとダメかもね」

再び金具を調整するメイ。ロープにぐっとテンションをかけて、今度こそ、と手を止める。


「これでどう?」


詩音が、ふたたび慎重に手を離す。


今度は──倒れない。


「おー、いい感じじゃん!」


ふたりは顔を見合わせて、ぱちぱちと拍手を交わした。


なんでもない午後のひとときが、ふわりと嬉しく感じられた。


「じゃあ、あっちのポールも立てないと」


ふたりは、タープを踏まないよう気をつけながら、反対側へと移動した。


「こっちは……ペグが打てないから、何かにくくりつけないとなんだけど」

横に寝かせたポールを見ながら、メイが言う。


「とりあえず、先にポール立ててみる?」


「うん、そうしてみよっか」


メイと詩音はそれぞれガイロープを取り出して、ポールに引っ掛ける輪っかを作ろうとする。


「……あははは!てろん、だって〜」

詩音がまた笑っている。


一方のメイは、真剣な眼差しで指先に集中していた。


「……これ、本番までに練習しとかなきゃ」

ぼそっと呟くその声に、ちょっとだけ責任感が滲んでいた。



なんとか、もやい結びを完成させたふたりは、ポールにロープの輪を通し、タープのハトメを差し込む。


「せーのっ!」


タイミングを合わせてポールを立ち上げると、大きなタープがバサッと音を立てて宙に舞った。


「うわっ、重っ!」

ふらつくポールを抱えるように支える詩音。


メイもポールをしっかり持ちながら、きょろきょろと周囲を見回す。


「どこかにロープ、くくりつけないと……」

目についたのは、和室の縁側の下にある柱だった。


「とりあえず、こっちのロープはここでいいかも。

詩音、ちょっと離すから、そのまま持ってて!」


「おうよっ!」

詩音はポールにしがみつくようにして、体全体で支えた。


メイはロープを縁側の柱まで伸ばし、ぐるぐると回してしっかりと結びつける。


「もう一方は……」

コンクリートの地面には、ペグも効かず、くくりつける場所もない。


あたりを見回すメイに、ポールにしがみつきながら詩音がぽつりと提案する。


「それ、車のタイヤとか、どう?」


「……あ、いいかも!」


メイはプジョーの前までロープを引っ張り、前輪のホイールに通してしっかりと結びつけた。


「よし、テンションかけて……」

両側のロープをピンと張る。


縁側の柱と、プジョーの前輪。どちらもなかなかガッチリと安定していた。


「こんなもんでしょ。詩音、離してみて」


「うん……いくよ」


そっと手を離すと、タープはぎこちないながらも自立した。


「お、いけたんじゃない?」

手をパンパンと払いながら、メイがちょっと誇らしげに言った。


が、その直後、詩音が言った。


「でもさ、メイちゃん……これ、玄関、使えないんじゃない?」


「……あっ」


まさかの盲点だった。


これだと、タープの端が玄関先を覆って、玄関までたどりつくことが出来そうにない。



そう気づいたその瞬間、反対側のポールのペグがスルッと抜けた。


「メイちゃん、倒れる!」


詩音が慌てて駆け出し、タープの下に潜り込むようにしてポールに向かう。


「あー……」

メイは呆気にとられて固まったまま。


その目の前で、自分の手元のポールもスローモーションのように傾き出した。しかも、プジョーの方へ。


「ヤバっ!」


咄嗟に手を伸ばしてポールを支える。

ギリギリ、車にはぶつからなかった。

でも、タープはグイッと引っ張られ、大きくバランスを崩す。


そのとき。


「うあっ!」


詩音の大きな声が響いた。


パサッ。


カラン。


詩音側のポールが地面に倒れ、タープ全体がふわりと持ち上がり、そして詩音をすっぽりと覆いかぶさった。


「メイちゃん、タープに捕まっちゃったよ!」


タープの中で、人型の盛り上がりがごそごそとうごめいている。


思わず、メイは吹き出してしまった。


「ぷっ……詩音、大丈夫〜?」


「メイちゃん、出口がわからないよー!」


タープの中からバサバサと手を伸ばし、詩音がもがいている。


――その時。


ブロロロ……と、バイクのエンジン音が近づき、すぐそばで止まった。


静まり返る庭。


「……何やってるんだ、お前たち?」


タープの向こう、バイクに跨ったままの梓が、

ゴーグル越しにあきれた顔でこちらを見ていた。


◇◇◇


「……ってな訳で、梓ちゃん、びっくりさせようと思ったんだよ」


崩れ落ちたタープを前に、詩音が苦笑いで説明する。

その隣で、メイもうなずいた。


梓は、腕を組んでタープを見つめると、ぽつり。


「……違った意味で、びっくりした」


くっと笑ってから、ぽつり。

「そっか……だからローチェア持ってこいって言ったのか」


梓は、呆れ半分、笑い半分でため息をついた。

そして、タープを指差して言った。


「じゃあ、立て直すぞ。ほら、手伝え」


梓の声に、ふたりは「はいっ」と声をそろえる。



三人でタープの前に並び、まずは全体の位置を確認することにした。


「ちゃんと位置決めしないとな……よし、広げるよ」


梓の指示で、三人がかりでタープを丁寧に広げていく。


広がった布を見て、梓は人工芝側にしゃがみ込む。

抜けたままになっているペグの穴を見つけ、指で土をいじった。


「ここ、土が柔らかいな。この短いペグじゃ、ちょっと頼りないかも」


そう言いながら、植木を囲うコンクリートブロックの隙間にガイロープを通し、左右のペグをしっかり打ち込んでいく。

ペグの角度とテンションを何度も確認して、微調整を重ねる。


「……うん。ポールの位置は、これでいけるはず」


ぱん、と手を払って立ち上がると、梓はもう片方のポールの方へと移動する。


その後ろを、メイと詩音が小走りでついていった。


「こっちのメインポールのロープの位置は、このあたりでいいと思う」


梓はそう言いながら、コンクリート側のロープを器用に扱い、長さを微調整した。


「あと、タープをポールに挿すときの、順番ね。

タープ、ロープの順。ロープを先にかけると、風でバサッといくから」


そう言うと、迷いなくタープのハトメをポールの先端に挿し、続けてロープを掛ける。

その一連の流れは、どこか軽やかで、無駄がなかった。


「なるほど〜」

「へぇ〜」

見ていたメイと詩音が、思わず声を揃えて感心する。


梓はロープのテンションを一度ぐっと引き、手早く自在金具を調整した。


「じゃあ、立てるよ」


そう言うと、ひょいとポールを立ち上げ、ボールの頭を片手で押さえたまま、自在金具をもう一度締め直す。

その動きはどこか職人のようで──


「……立った!すごっ!」

「ほんとだ、安定してる〜!」


手を叩いて喜ぶふたりに、梓は「ふっ」と小さく笑った。


◇◇◇


メイが出してきた小さなローテーブル。その上には、ところ狭しと並べられた袋入りのお菓子たちと、三つのマグカップ。


三人はタープの下、テーブルを囲んで腰を下ろす。


「じゃあ〜!キャンプ計画会議、はじめま〜すっ!!」


詩音が両手をあげてノリノリで叫ぶ。

そのテンションに、梓はふっと笑ってから口を開いた。


「……で、どこまで決まってんの?」


「えーっと、11月の第2火曜と水曜に行くってことと、麓高原キャンプ場に行くってこと……くらいかな?」


メイが少し考えながら答える。


「ふーん……全然決まってないんだ」


呆れたように梓が言うと、詩音が慌てて口を挟んだ。


「そ、そんなことないもん!ギアもちゃんとあるし!」


「じゃあ聞くけど、詩音は何持ってるの?」


「え? えっと……テントと、シュラフと、チェアと……あと、キャンプウェアっ!!」


ドヤ顔で答える詩音。

梓はその最後の一言を完全にスルーして、メイの方を向いた。


「……で、メイは?」


「もー!梓ちゃんのいけず〜!どんなウェアか聞いてくれてもいいのに〜!」


「そんな調子だから、二回もやって何も決まってないんでしょ」


ぷいっとそっぽを向く梓。

「ありゃ〜、怒られちった!」と詩音がぺろっと舌を出す。


そんなふたりのやりとりに、メイはくすくすと笑いながら目を細めた。

なんだかこの感じ、ちょっといいかも──そんな表情だった。


◇◇◇


「必要なのは、こんなところかな」


メイのキャンプ道具がずらりと並ぶ。場所はタープのすぐ横、和室の縁側。

梓が横に立ち、メイと一緒にそれを眺めていた。


少し離れたタープの下では、詩音がローチェアに座りながら「キャンプ計画帳」と書かれたノートに、せっせとメモを取っている。


メイはスマホにまとめた持ち物リストを見つめながら、ぽつりとつぶやいた。


「……結構あるよね」


「うん。でもさ、これだけ揃えたなら大したもんだよ。チョイスも悪くない」


「ありがと。でも、またマウントワン行かないと…」


「まあ、それでもいいけど、最近は100均でも意外と使えるのあるしね」


そう言って、梓はタープ下に戻り、チェアに腰を下ろす。


「エマゾンとか、安くてもそこそこ使えるのあるから、通販って手もあるよ」


「それもありだね」メイもうなずく。


「あと、メイたちは車でしょ。多少かさばっても大丈夫だろうから、まな板とか鍋とかは、家にあるもので代用しちゃえばいいと思うよ」


梓がそう言って腰を下ろすと、詩音がノートを覗き込みながら口を開いた。


「ねえ、梓ちゃん。このマットってさ、シュラフあるからいらなくない?」


「いや、冬キャンは底から冷えてくるんだよ。地面の寒さ、案外きついよ」


「ほえ〜、そうなんだ」


「詩音はコットとか使わないじゃん。寒さが直にシュラフに届かないように、厚めのマットは必需品なんだよ」


「銀マットだけじゃダメかな?」


「それは人によるかな。寝心地とか考えると、私なら銀マットの上にエアマットかインフレーターマットを敷くかなぁ」


「……あ、梓ちゃん、寒がりだもんね!」

詩音がニヤッとしながら言った。


「え、そんなことないと思うけど」


「だって、モンレルのシュラフ、あったかいやつにしたんでしょ?」


「ああ、あれはすごく寒いところに行くとき用だから」


「いや、絶対寒がりだよ!」


「なに、その断定」


ぷっと吹き出す詩音。梓もつられて苦笑いする。


タープの下、笑いがこぼれる。

メイもつられて「ふふっ」と微笑んだ。

澄んだ秋の空の下、三人の時間が静かに流れていく。



◇◇◇


「ねぇ、梓ちゃん……」


ぽつりと、メイが口を開いた。少しためらいがちな声音だった。


「梓ちゃんも……十一月のキャンプ、一緒に行かない?」


ふと考えるように、梓は視線を横にそらす。

メイのプジョーの横に、斜めに停められたレブル250。そのマットブラウンのタンクに、秋の夕陽が淡く映っていた。


「私は、ソロ派だから。一緒には行かないかな……」


ぽつりと答えた梓に、詩音がすかさず声を上げる。


「えー、一緒に行こうよー!」


「……いや、やめとくよ」


梓はそっと視線を落として言った。


「気が向いたら、一緒に行こうよ。今回じゃなくてもいいから」


メイの言葉は、あくまでやわらかく、押しつけがましさのない笑みと一緒にあった。


梓はそれに答えず、少し遠くを見た。


タープの布越しにのぞく夕空には、うっすらと雲の縁が金色に染まりはじめていた。


「梓ちゃん、寒いの嫌だからだよ〜」


詩音が茶目っ気たっぷりに言うと、


「だから、寒がりじゃないってば」


「絶対、寒がりだー!」


「お前、バカか!」


梓のツッコミに、ふたりの笑い声が重なった。


メイはそのやり取りを見ながら、そっと笑みをこぼす。


(なんか、いいなぁ、こういうの……)


そんなふうに思った次の瞬間、詩音がいきなり顔を覗き込んでくる。


「メイちゃん、ポテチ、のり塩とコンソメ、どっちがいい?」


「お前、まだ食うのか!」


すかさず梓がつっこむ。


「だって、せっかく買ってきたんだもん」


「私、のり塩!」


元気よく手を挙げるメイに、


「おっ、気が合いますなぁ。私ものり塩。梓ちゃんは?」


「……じゃあ、のり塩」


「はい、のり塩、当選確実でーす!」


詩音が高らかに宣言すると、三人の笑い声がタープの下に弾けた。


ゆっくりと夕暮れが訪れはじめる。

少し冷たい風が、タープの布をわずかに揺らした。


「そうだ、メイちゃん、ランタン点けない?」


「……あ、いいね、それ」


メイはゆっくりと立ち上がり、縁側に置いてあったオイルランタンを手に取る。真鍮のボディに少しだけ夕陽が残っていた。


タープの下、ローテーブルの真ん中にそっと置いて、芯に火を近づけた。


ぽっ、と小さな炎が灯る。


ガラス越しの炎が揺れて、三人の顔をそっと包みこむように、ほんのりとオレンジ色に染める。


一瞬、言葉が落ちて、静けさがタープの下に舞い降りた。


「……なんかさ、もうキャンプ来てるみたいだね」


詩音が、ほぅっと小さな声で言う。


「……だね」


メイもゆっくりと頷く。


「庭キャンだぁ……」


詩音がにこっと笑うと、メイも思わず笑みを返す。


そのふたりの様子を、梓は黙って見ていた。


(誰かとキャンプするって……)

そんなふうに思った瞬間、少しだけ、口元がゆるんだ。


メイはその横顔をちらりと見ながら、静かに思う。

(いつか、一緒に行けるといいな……)


燃える炎のあかりは、強くもなく、弱くもなく。ただ、そっとそこに在り続けた。


十月の夕暮れは、ほんのりやさしい時間を

三人のもとに運んできてくれた。



ここまで読んでくださってありがとうございます!

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