第2話 ふつうの日々と、わたしの仕事
メイが働いているのは、矢鞠市ふれあい文学館の運営を任された小さな公益法人。
文学館の片隅にある、事務所ビルの2階。
一日中、資料をまとめたり、ポスターの文字を直したり。
人と話すことより、ひとり黙々と手を動かしている時間のほうがずっと好きだった。
——最初は土日休みって聞いてた。
けど実際は、土日のイベント対応で現場に出る日がほとんど。
平日にぽつりと休みがあるような、そんな働き方だけど、今ではすっかり馴染んでいた。
思い返すと、就職のとき、「ここがいい!」なんて気持ちはなかった。
「子どもの頃に読んだ童話を書いた作家の記念館」で働くっていうのは、なんとなく、悪くないかも…
本はまあまあ好きだったし、
できれば静かなところで、
あんまり人と関わらずに済む仕事がいいな…
——そんな理由だった… ように思う。
そんな私も、入社して、もう二年目に入った。
なんとなく選んだ職場だけど、仕事はそれなりに合っていた… と思ってる。
静かな事務所で、決められたことを、淡々とこなす毎日。
忙しい時も時々あるけど、普段は至ってのんびり。特にこれといって、大きな問題も出来事もない。
少し物足りない。でも、それなりに満たされているようにも思う。慣れって、ほんとにこわい。
けれど。
平穏な日々も、いつまでも穏やかでいられるとは限らない。
ここまで読んでくださってありがとうございます!




