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第1話!魔王城に就活で乗り込みました!!

――それは、世界が少しだけ落ち着きを取り戻した、戦後五十年のある日だった。


魔王城・玉座の間。冷たい石造りの床に重厚な空気が満ちていた。

……いや、本来ならば…そのはずだったのだが。


突如、少女の大声と共に、魔王城の扉が壁ごと吹き飛んだ。


「ドカァァァァァァン!!!!」


「こんにちわーーーっ!!魔王様っ!!私をメイドとして雇ってくださいッ!!!」


盛大な声と共に、我、魔王グレイヴァルドの前に一人の少女が現れた。

否、少女…というより…こやつは…


「─いや勇者が!?魔王城に就職活動しに来ているんだがッ!!!???」


<──数刻前、魔王領近くの小さな街にて──>


「まさか王都で働くのがあんなに難しいなんて思ってもみませんでした…」


そう呟きながら落ち込んだ様子でとぼとぼ歩く少女。

その正体は現代の勇者「アーシャ・ミルフィ」


彼女は平和な時代に生まれた勇者だった。

しかしその有り余る力と、自身のドジで、仕事中にモノを破壊しまくってしまうという

なんとも言えない悪癖があった。


「まさかたった1週間で損害賠償金と一緒に解雇されるなんて思わないじゃないですかぁ…」

「無職です。そして私は無力です。」


思わずアーシャは頭を両手で抱えた。


「…ってこんな事を言ってる場合じゃありませーーんッ!!!」

「早く次の就職先探さないとお母さんへの仕送りがーッ!!…ってあれ?」


アーシャは近くにあった、変わったデザインの置き看板に目を凝らす。


<魔王城で働いてくれるメイドさんを募集中!

未経験歓迎!ドジな子でもイチから丁寧に教えます!!>


「これは…!!願っても無いチャンスかもしれませんッ!!」


「急いで向かいますよー!!どっせぇぇぇぇぇえいッ!!!」


こうしてアーシャは目を輝かせながら、時速100キロの勇者フィジカルで爆走し、

魔王城へと猛ダッシュで向かったのだった。


「……ってあれ?こっちって魔王城の方向じゃ……」


「……ってあっちじゃないですかーーーっ!!!」(Uターン)


…なお彼女は方向音痴である。


<──そして現在、魔王城、王の間にて──>


「ドカァァァァァァァァンッ!!!!!(魔王城の扉が壁ごと爆散する音)」


「私っ!仕事のやる気とってもありますっ!!なので私を雇っていただけませんか!?」


魔王は大惨事を目の当たりにし、一瞬たじろいだ表情をするも、

直ぐに元の調子を戻し、少女に答える。


「んっ…ごほんっ。貴様は…現代の勇者、アーシャ・ミルフィだな?」

「何故勇者が魔王城に就職する必要がある?」


至ってシンプルな質問を魔王は勇者アーシャに問いかけた。


「私…王城で働いていたんですけど、ドジすぎてクビにされてしまったんです」

「なので仕事が無くてさっきまで途方に暮れていたんですけど…」


「さっき街で魔王城の仕事募集の看板を見つけて!これだと思って応募しにきました!」

「一生懸命働くので私を魔王城のメイドとして雇ってください!お願いします!」


深々と頭を下げて雇って欲しいと懇願するアーシャ。

魔王はしばらくしてから、口を開いた。


「事情は分かった。我は構わん。…皆は構わないか?」


アーシャの事情に理解を示した魔王に、周りの従者、メイド達も理解を示してくれた。


「うむ。ではアーシャよ。これから魔王城で働くメイドとして…期待しているぞ」


アーシャは魔王から言われた言葉に両手を思いっきり広げて、大喜びした。


「ありがとうございますっ!!私一生懸命働きますね!!なんでもしますからっ!!」


アーシャがそう言った後、アーシャが勢いよく入ってきた時に

ぶっ飛ばした扉が、音を立てて倒れた後に、粉砕してしまった。


「ガシャァァァァァン…」


「………あの…これは…あの…その…」


周りの従者やメイド、そして魔王すら苦笑いを浮かべながら呟いた。


「これは…とんでもない爆弾を抱え込んでしまったかもしれんな…はははっ…はぁ…」


最後まで読んでいただきありがとうございますー!

ドジっ子勇者が魔王城でメイドになる話、第一話でした!


方向音痴(どこいくねーんっ!!)って感じのアーシャちゃんですが、

これから一体どうなるのか…w

次回もお楽しみに~!

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