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余計な心配?
「…………えっと、どゆこと……?」
私の言葉に、ポカンと口を開けるロイ。まあ、そうなりますよね。ですが、これに関してはくどくど説明するつもりはありません。代わりに――
「――さて、改めてではありますが……ありがとうございます、ロイ。あの時、私を守ってくれて」
「…………別に、僕は何も……そもそも、僕なんかが出しゃばらずとも、リリアさんなら自分でどうにでも出来ただろうし……」
そう伝えると、少し目を逸らしつつボソボソと答えるロイ。……全く、そんな寂しいことを言わないでほしいですね。こっちは感謝してるんですから、余計な心配などせずに素直に受け取って頂きたいものです。
ともあれ、何のお話かと言うと――遡ること一年ほど前、入学から三ヶ月ほど経過したある日のことで。