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もし、事前に――

 ……ただ、それはそれとして――



「……それが理由で、ロイの魔力を完全に抑えつけたということですか? ですが、流石にそれは理不尽――いえ、そもそも貴方なら事前に止められたのではありませんか? 彼の魔力が暴走してしまう、その前に」

「……そう責めるでない、リリア。止められるものなら止めておったが、わしだって万能ではない。間に合わないことだってあるのじゃ」

「…………」


 そう、淡く微笑み答える神様。……まあ、そう言われてしまえば返す言葉もないのですが。ですが……それでも、とは思ってしまいます。もし、事前に止められていれば、彼は――



「――じゃが、流石にわしも不憫に思った。じゃから、あの時は特別に両親を生き返らせることにした――ある代償と引き換えにな」

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