衝撃
「……はぁ、俺はもう駄目だ……」
「……そう落ち込むなよ、フラン。今はちょっと調子が悪いだけだって。絶対、またすぐに出来るようになるから」
「……ジャン」
それから、数時間後。
放課後、廊下にて肩を落とすフランくんを暖かな笑顔で励ますジャンくん。……うん、やっぱり優しいよね、ジャンくん。フランくんのことも心配だけど、彼がついていれば大丈夫だと思う。
……ただ、それはそれとして――
「……流石に、おかしいよね」
そう、ポツリと口にする。と言うのも、あのような現象――優秀な生徒が驚くほどに調子を落とすという現象はフランくんだけでなく、他のクラスの生徒達にも見受けられているとのこと。性別も学年も問わず、校内でも優秀と評される生徒達に見受けられているとのこと。それも、フランくんと同じくこの二週間の内に……こうなれば、いくら馬鹿な僕でも流石に理解せざるをえなかった。なにか、この校内全体に異常な事態が生じているということを。……だけど、いったい何が――
「…………っ!!」
刹那、脳裏に衝撃が走る。そして、気付けば駆け出していた。……もちろん、確証なんてない。それでも――
その後、ほどなく到着したのは三階隅の空き教室――ここ最近、選ばれし者だけが使える特別な上級魔法を教えるとの理由で、学内の優秀な生徒達が呼び出されているとの場所で。そして、今日呼び出されていたのは――
「――――ジャンくん!」