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第7話 新たな仲間

 どうやらエリアボスを倒してもこの先のエリアに行けないようだ。


「この後、どうする?」


「うーん、ちょっと待てね。掲示板で何か進展が無いか確認するから」


 掲示板か。情報収集に使えるな。我輩も見るか。


 ほう?なるほど。サバイバルゲームのように自分たちで拠点を作るのでは無いかという考察があるな。土属性魔法Lv10で小さいが建造物が作れたと。

 だが、現状では生産職に頼る以外で物を作るのが困難だからこの先、拠点作成イベントが発生するのではないかとという結論で終わっている。


「他のエリアでもNPCの集落を発見した報告は無しか。近いうちに小規模かもだけど、イベントがあるかもね」


 近いうちにイベント発生か。

 しかし、まだ運営から発表があったわけではない。

 そうなると次に何をするか悩む。

 他の初期エリアに趣き、戦うのも一つの手か。


「エリアボス戦を終えたのなら早々に退いてもらえると助かるのう。妾たちも挑戦したいのじゃ」


「え?あ、すみません!気づかなくて」


「申し訳ない」


「よいよい。黙って突っ立ておった妾たちにも非はある。お互い様じゃ」


 突然、声を掛けてきたのは二人組の女性プレイヤーの片割れだった。

 その女性は黒髪ツインテールの魔法少女のようなアバターが印象的。

 もう一人の女性は赤みの混ざった黄色寄りのオレンジ色の髪、腰まで伸びたロングヘアーが印象的の女性でどこかビクビクしておる。

 即座に場所を譲り、二人組の女性プレイヤーがゴブリンナイトと戦う。


 我輩はネヴィアと相談し、見学することに。

 もちろん、二人組の女性プレイヤーにも了承はもらったぞ。


 あれは正に一方的な蹂躙と言うのが正しい。

 あれだけ苦戦したゴブリンナイトが手も足も出ていなかった。

 しかし、どうやったらあのような戦い方ができるのか。


「ふむ、こんなものよの。どうじゃった妾たちの戦いは?あまり参考にはならんじゃろうが」


「……もしかしてあなたは奇術使いですか?」


「ほう?妾の職業を初見で見抜くか。お主なかなか情報通じゃな。その通りよ。妾は奇術使いじゃ」


「やっぱり!ボク奇術使いでここまで強いプレイヤーは初めて見たよ!」


 奇術使い……話についていけない。

 奇術使いは空を飛んで上空から絨毯爆撃のように攻撃の雨を降らすことができるのか。


「あ、自己紹介するね。ボクはネヴィア。職業はトラッパー。こっちは……」


「キングだ。職業は砲撃手」


「ふむ、ネヴィアとキングか。妾はシルヴィア、こやつはシャロンじゃ」


「シャロンです。職業はクリエイターです。よろしくお願いします」


 確か掲示板に初心者クリエイターらしき者が書き込みをしておったな。

 もしや同一人物……いや、さすがに考え過ぎか。

 それにそうだったとしても何も関係ないな。


「ほわぁ、生産職!!もしかして掲示板の子?」


「あ、はい。そうです」


「ほう?お主も掲示板を見ておったか。それを見た妾がパーティーにスカウトしたのじゃ。MP回復ポーションを作ってもらう為にの」


「MP回復ポーション!?シャロン、君作れるの?」


「シルヴィアさんのおかげで一応……」


 ネヴィアの目が輝いている。いや、これは狩の獲物を前にした猛獣だ。

 それに手つきも何やらいかがわしさを感じる。

 シャロンもちょっとだけ怯えて後退りして、シルヴィアの背中に隠れている。


「二人とも!ボクたちとパーティー組まない?」


「え?」


「ふむ、パーティーか。シャロンが良ければ、妾は構わんぞ」


「わ、私も大丈夫です」


「やったー!!いいよね、キング!」


「我輩も構わないぞ」


 こうして勢いではあったが、四人でパーティーを組むことに。

 砲撃手、トラッパー、奇術使い、クリエイター。

 随分と珍しい組み合わせのパーティーだ。

 今までやってきたゲームでこのようなパーティー構成は無かったな。


 その後、安全地帯の初期位置に戻ってこれからについて話をすることにした。


 道中、我輩はシルヴィアとネヴィアはシャロンと意気投合した。


「そういえば、シルヴィアよ。先ほどから普通に地面を歩いてるが、飛んで移動したりしないのか?」


「妾とてMPには限界がある。戦闘中に終始、飛び続けておられたのはシャロンが作ったMP回復ポーションのおかげよ」


「なるほど。我輩、奇術使いに関してあまり詳しくないので、いろいろ教えてもらえると助かる」


「ほう?そうであったか。ネヴィアが詳しいからお主も知っておるとばかり思っておったわ」


 確かにネヴィアは謎に詳しい。

 きっと最初に職業を選択する時にしっかりと説明文を読み込んだのだろう。


 我輩は面倒で明らか地雷っぽい職業は読まなかったからな。


「簡単に説明すると奇術使いはマジシャンじゃ」


「マジシャン?」


「そうじゃ。ただ一つだけ違いがある。タネと仕掛けが有るか無いかじゃ。マジシャンのマジックにはタネと仕掛けがある。妾の奇術にはタネも仕掛けも無い。強いて言うならMPを消費するくらいじゃ」


「なるほど。思ってたよりも強そうだな」


 奇術使いはもっと尖った性能の職業だと思ってたから意外だな。


「いや、奇術使いはお主が思っておるほど強くはないぞ」


「ん?我輩、何か見落としているか?」


「知らぬだけよ。奇術使いの初期スキルは『奇術』でその効果は一度発動した奇術はMPが0になるまで永遠と発動し続けるじゃ。当然、発動中はゴリゴリMPを消費する」


 他にも防御力が物理、魔法共にかなり低い。

 奇術を同時に使える数は『奇術』スキルのLvで決まるなど。


 シルヴィアからいろいろ教わった礼を告げると「パーティーを組むのだから当然じゃ」と返ってきた。

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