第6話 ゴブリンナイト戦
森林エリアのエリアボスと戦う為にボスエリアまで来ていた。
その道中、通常のゴブリンと遭遇するも落とし穴と砲撃で何事も無く突破した。
ボスエリア手前ではゴブリンソルジャーと2体と遭遇するも落とし穴と針穴でなんとか罠にはめて倒せた。
ボスエリア手前でネヴィアからエリアボスに関する情報を聞く。
「森林エリアのエリアボスはゴブリンナイト。掲示板情報によると剣と盾を装備しててカウンター狙いの戦い方をするみたいだよ」
「ふむ、それなら我輩のゼロ距離砲撃で簡単に倒せるか?」
「うーん、さすがにそんな甘くないかな。遠距離攻撃は確認されてないけど、戦ったプレイヤーは立ち回りが上手いって言ってる。それにボクたち相手にカウンター狙いの戦い方はしてこないと思うから罠にはめるのも一苦労かな。そもそもボクの罠が通じるかもわかんない」
共に積極的に近づいて攻撃するタイプではない。
その上、遠距離攻撃の術が無いならカウンターは狙ってこないか。
寧ろゴブリンナイトの方から接近して来るか。
確か以前、強力なモンスターには罠が通じないと言ってたな。エリアボス相手に罠が通じないと考えた方がいいか。
「ボクの罠だと一瞬、足を止めるくらいしかできないと思う。そこを狙い撃つしか勝ち筋は無い。頼んだよキング」
「うむ、任せておけ!」
作戦が決まったので、早速ゴブリンナイトに挑む。
森の中だというのに綺麗な円形状に開けている。
この開けた円形の場がゴブリンナイトのいるボスエリア。
中央には甲冑を身に纏い、剣と盾を持っているゴブリン、ゴブリンナイトがいる。
ネヴィアの情報通り、取り巻きなどもいない。
「いくよキング!遠隔設置、落とし穴!遠隔設置、針穴!」
ネヴィアがに二本のナイフを投げて突き刺すとそれらは消滅する。
これで同じ場所に二つの罠を設置できた。
あとはこの場所にゴブリンナイトを誘導するだけ。
ゴブリンナイトとの間に罠が挟まれるように位置取りをし、誘き寄せる。
「ファイア!!ファイア!!ファイア!!」
ドカドカドカーン!!
数撃てば当たる戦法ではワンチャン狙っていたが、やはりダメか。どれもこれもあらぬ方向へいくな。
しかし、彼奴生意気な!我輩に見向きもせず、ネヴィアへ向かっていくとは!
……いや、待て。冷静に考えるのだ。ネヴィアを狙っている今なら、奇襲を仕掛けることができるのではないか。
「遠隔設置、落とし穴!」
ネヴィアは落とし穴を設置して上手く逃げ回っている。
しかし、ゴブリンナイトが罠を迂回している理由がわからない。
……もしや、警戒しておるのか。
このゲームのモンスターは確かAIが搭載されておったな。未知の罠は警戒して当然ということか。なかなかに賢いAIだ。それを利用出来たらいいのだが……閃いたぞ!
「ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!」
ドカドカドカーン!!ドカドカドカーン!!ドカドカドカーン!!
どんなに賢いAIであっても我輩の砲撃がどこに飛ぶかまではわかるまい!!
「うわっ!ちょっ、キング!どこ狙ってるのさ!!」
「すまぬネヴィア!だが、これも我輩の作戦だ!」
「作戦?味方を狙い撃つのが?……あ、そういうことね」
これまで見向きもしなかったゴブリンナイトがこちらを見ておる。我輩の砲撃を無視できないか。そうだろう、そうだろう。
いつマグレ当たりが起きるかわからないからな。
戦闘能力皆無のネヴィアよりも先に倒そうと思うよな。
そしてお主はネヴィアが最初に用意した落とし穴と針穴の場所を見失っているとみた!
我輩の位置からある程度推察している可能性も考慮して砲撃を撃ちながら移動もした。
無論、我輩はパーティーメンバーとしてネヴィアの罠がどこにあるのかわかる。
そして、落とし穴と針穴は我輩の数メートル前にある!
そのまま突っ込んで来るがいい!
もし、来ないというなら、こうだ!
「ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!」
ドカドカドカーン!!ドカドカドカーン!!ドカドカドカーン!!
わっはははは!
狙い通り一目散に突っ込んで来た。
あとは罠にはまった所を接近し、安全に狙い撃つ。
あ、怪しまれぬよう抵抗している感を出しつつ砲撃を続けねば。
「ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!ファイア!」
ドカドカドカーン!!ドカドカドカーン!!ドカドカドカーン!!
うむ、見事に全弾外れておるな。だが、ネヴィアにも当たっていないし、良しとするか。
そうだ、そうだ。そのまま真っ直ぐ我輩の下まで……!?
何故、そこで迂回する!!まさか罠の位置を正確に把握しているというのか!
マズイぞ、どうする……。
「遠隔設置、落とし穴!遠隔設置、針穴!」
万策尽きた我輩の目の前にナイフが突き刺さる。
直後、ゴブリンナイトが罠を踏み抜いた。
おお〜!なんというコントロール!!これがプレイヤースキルの差か!
(※違います)
「助かったぞネヴィア!あとは我輩に任せておけ!」
「任せたよ〜。ボクMPが残ってないから」
うむ、この好機必ず仕留めてみせる!まだまだMPなら潤沢にあるしな。
僅かばかりダメージを負っているゴブリンナイトが罠から這い出て来た。
これを待っていた。
砲塔をゴブリンナイトにくっつけて
「ファイア!」
ドーン!!
これで終わったな。我輩をここまで苦しめたのはチュートリアルのスライム以来だ。誇れゴブリンナイトよ。
「キングまだ!」
「む?……!?ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!」
ドーン!!ドドーン!!ドーン!!ドドーン!!ドーン!!ドドーン!!
「……それはオーバーキル」
「仕方なかろう!まさか一撃で倒れぬとは。柄にも無く焦ってしまった」
「……あ、うん。そういうことにしておくね」
ん?どういうことだ?まあ、よい。
「それはそうと我輩、今のでLvが一気に2上がって7になったのだ。ネヴィアはどうだ?」
「うん、ボクも7まで上がったよ」