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第4話 ゴブリンとの戦闘

 ゴブリンは個体によって武器を持っているが、遭遇したゴブリンは何も持っていない。

 それにまだこちらに気づいた素振りを見せていない。


 ここは先手必勝あるのみ。

 初期に比べると精度のステータスは4倍になっている。

 この一撃で仕留めることもできる筈だ。


「ファイア!!」


 ドカーン!!


 くっ!大きく右に外したか。

 しかも今ので気づかれたな。

 だが、これくらいは想定内。


 ゴブリンは猛烈な勢いで突進してくる。

 ここは敢えて近づかずに近づかせる。

 これが戦いの肝。それをチュートリアルでスライムから学んだのだ。


 スライムとは違い、焦らしプレイをしてこない。シンプルに最短距離で突っ込んでくる。

 まだ、ギリギリまで引き付けろ。そう、もう少し……今だ!


「ファイア!!」


 ドーン!!


 ゴブリンの攻撃が眼前まで迫り来る中、攻撃した。

 我輩の攻撃が先に当たり、それが我輩に当たることは無かった。


 それにあの距離で撃てば外す心配も無い。

 わっははははは!我輩の完全勝利だ!


 この時、すっかり調子に乗っていた。ゴブリンなど敵でないと。

 ネヴィアが森の奥に進めば進むほど一度に出現するゴブリンは複数体になると言っていたことをすっかり忘れていた。


 更に奥へと進み、遭遇してしまった。

 ゴブリン3体と。それも内1体は魔法による遠距離攻撃を得意とするゴブリンメイジだった。

 そして残る2体は剣と盾を装備したゴブリンソルジャー。通常のゴブリンよりも当然、ステータスは高く、連携して動いてくる。


 くっ、ゴブメジの魔法が厄介すぎる!

 集中すれば回避はできるが、これでは反撃できない。

 それに加えてゴブソル2体は無理ゲー過ぎる。だが、諦めないぞ。

 数いるということは数撃てば当たる可能性もそれだけ上がる。


「ファイア!!ファイア!!ファイア!!」


 ドカドカドカーン!!


 くっそ、当たらない!こうなれば仕方あるまい。

 秘技ゼロ距離砲撃で1体ずつ仕留めるほか無い。


 機を窺った。ゴブメジの魔法はゴブソルを巻き込む形では放ってこない。

 それに気づいたので、ゴブソル相手に積極的に接近した。

 しかし、2体のゴブソルが上手く連携し、ゴブメジが魔法を放つ為の射線を開ける。

 これもあり、なかなか接近できない。


 完全に防戦一方となっていたが、ゴブメジの立ち回りからこの窮地を打開する策を閃いた。

 いざ、それを実行に移す。


 前提条件としてゴブソル2体とゴブメジの攻撃はこのまま全て回避。

 それができなければ、負ける。

 よく見るんだ。3体全てが視界に入るよう立ち回れ。

 必ず攻撃が当たらない安全圏が存在する。

 それを瞬時に見極めろ!


 ゴブメジは接近されるとは思っていない。

 それに攻撃が当たらぬからゴブソル2体と我輩を挟撃できる用に動いた。


 待っていたぞ。この瞬間を!


 ゴブメジが魔法を放つ時、常に我輩との間に障害は存在しない。今が、好機!


 ここで敢えてゴブソルの間合いから引くと見せかけてバックステップで下がる。

 ゴブソルと距離を取りつつ、ゴブメジとの距離が縮める。


 今だ!ゴブソルを無視して背後へと回り込んだゴブメジへ一目散に突っ込む。

 当然、逃げられるのは織り込み済みだ。


「ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!」


 ドカドカドカーン!!ドカドカドカーン!!


 わっははははは。我輩の砲撃がノーコン過ぎてどこに飛んでくるか読めないであろう?

 我輩にもわからんからな!

 ゴブメジよ、お主の敗因は攻撃を中断し、足を止めたことだ。


「ファイア!!」


 ドーン!!


 そしてわかってるぞ。お主らが我輩を追いかけてくると。

 つまり、今振り返ればそこにお主らはいる!


「ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!」


 ドーン!!ドドーン!!ドーン!!ドドーン!!ドーン!!ドドーン!!


 お主らの素早さは我輩よりも上なのはここまでの戦いでわかっていた。

 ゴブメジを倒す頃には背後まで迫っていることもな。


 わっははははは。我輩の完全勝利だ!

 いやはやこのゲーム想像してたよりも面白いな。最高過ぎるぞ!!

 このまま勝利の余韻に浸りたいとこだ。


 ピコン


 5分ほど前にネヴィアからメッセージが届いていた。

 どうやら戦闘中だったから今まで通知が無かったみたいだ。


『マップで位置情報を確認したけど、森の奥にいるよね?ボク一人じゃそこまで行けないから手前まで戻ってきてくれないかな』


 なるほど。そういうことか。女性を待たせるのは紳士のすることではない。直ぐに向かうとしよう。


 ◆◇


「あ、やっと来た。もしかしてゴブリンと戦ってた?」


「全て蹴散らして来たぞ」


「おお~、やるじゃん!流石ボクが見込んだプレイヤーなだけあるね」


 なかなかに嬉しい事を言ってくれるな。


 そういえばネヴィア以外のプレイヤーを見ていないな。


「我輩、ネヴィア以外のプレイヤーと遭遇していないのだが、他の赤陣営のプレイヤーはどこにおるのだ?」


「ああ、キングはチュートリアルで苦戦してたからすれ違っちゃったのか。この森林エリアのプレイヤーは奥でゴブリンと戦ってると思うよ。他エリアも似た感じじゃないかな。掲示板を見た感じ」


 なるほど。我輩がスライムと激闘を繰り広げている間に先へ進んでいたのか。道理で……。


「それなら我輩は何故ネヴィアと遭遇したのだ?」


「あ、もう察してるかもしれないけど、ボク結構キャラメイクに時間掛けてて・・・・・・」


「そしたら出遅れて他のプレイヤーと遭遇しなかった」


「そう!」


 なるほど。確かに最初、かなり凝ったアバターだとは思ったしな。

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