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第3話 パーティー結成

 パーティーか。

 一人よりも効率良く戦えるな。


「良かろう。共にパーティーを組もう」


「ホントに!ボクすっごく嬉しいよ!あ、ボクの職業はトラッパーで戦闘能力皆無だからモンスターとの戦いはほぼ任せることになるけど、それでもいい?」


「ん?戦闘能力皆無でどうやってチュートリアルモンスターを倒したのだ?」


「ああ、そこから。砲撃手は戦闘職業だからチュートリアルはモンスターとの戦闘。トラッパーは支援・妨害職業だからチュートリアルはモンスターを罠にはめる。根本的に内容が違うんだよ」


「ほう?モンスターを罠にはめるか。立ち回り次第ではかなり強そうだが、不遇職業と呼ばれる理由は何なのだ?」


 しっかりと覚えていたぞ。

 ネヴィアは最初、「ボクと同じ不遇職業を選んだプレイヤーがいて嬉しい」と言っていたことを。

 つまり、トラッパーも不遇職業と言われている。


「序盤は役立つんだよ。でも、徐々にモンスターが強くなるにつれて役に立たなくなるってのがβテストでの評価」


 弱いモンスターなら問題無いが、強いモンスターとなると罠にはめることができない。

 もしくは、罠にはめても破壊され、脱出されるなどするから役に立たない。

 何となくネヴィアが言おうとしていることは理解できた。


「ネヴィアよ、強いモンスターでも罠にはめる事はできるのか?」


「え?できるけど、直ぐに破壊されるのがオチだよ」


 それなら問題無い。

 罠を破壊される前に倒せばいい!


「うむ、ならば問題ない。改めて宣言するぞ!我輩はネヴィアとパーティーを組む!」


「え、ホントに!?」


「無論だ!どんな強力なモンスターであろうと罠が破壊される前に我輩が倒せば問題無い!」


 罠が破壊される前にモンスターを倒すとなると攻撃力は高いに超したことない。

 ならばSPは全て物理攻撃力に振るべきか。


 その後、ネヴィアとフレンド登録をし、パーティーを組んだ。

 今はトラッパーとして今できるのは落とし穴を設置することだけ。

 それも『落とし穴』のスキルLvが1ではスライムしか罠にはめることができない。

 

 スキルのLv上げも兼ねてスライムを探し回る。

 数分ほどで一体のスライムと遭遇する。


「いくよ、キング!遠隔設置、落とし穴!」


 ネヴィアはクナイ、いや細いナイフらしき物を地面に向けて投げた。

 地面に突き刺さると同時に消えて無くなる。

 ここには目に見えない落とし穴が存在する。


 今はゆっくりと歩みを進めるスライムが落とし穴にはまるのを待っている。


 突如としてスライムの下の地面が消えた。

 中を覗くが、スライムが這い上がって来るという心配は大丈夫そうだ。


 砲塔を落とし穴の中にいるスライムへ向け、撃つ。


「ファイア!!」


 ドカーン!!


「わあ!?」


「ん?」


「ちょっとどこ狙ってるのさ!てか、何で落とし穴の中を狙ってるのに地上にいるボク目掛けて砲撃が飛んでくるのさ!ちゃんとSPを精度に振ってるの?」


「何を言っている?SPは全て物理攻撃力に割り振ったぞ。罠にはめたモンスターを一撃で倒せる確率を上げる為に」


「……え、あ、うん。ステ振りは自由だからね。ボクは特に干渉しないけど、それでどうやって戦うのさ?」


 何かおかしな事を言ったか?

 ネヴィアの顔は笑っておるが、目が笑っていない。

 うむ、考えてもわからんな。

 あ、いかんいかん。どうやって戦うのか聞かれておったな。


「無論、当たるまで撃つ!数撃てばいつか当たる!」


「あ、そう。うん、じゃあ、砲塔をしっかり落とし穴の中に入れてね。そうすればボクには当たらない筈だから」


「おお!その発想は無かった」


 早速、ネヴィアのアドバイスを実行に移す。


「ファイア!!」


 ドカーン!!


 あらぬ方向へ飛んでいき、スライムには当たっていない。

 しかし、これなら落とし穴の中にしか砲撃は飛んでいかない。

 これでネヴィアへ誤射する心配をせずに済む。


「ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!ファイア!!」


 ドカドカドカーン!!ドカドカドカーン!!


 数撃てば当たる戦法でとにかく撃ち続けた。気づいたらスライムに砲撃が当たらしく、落とし穴が消えた。

 罠にはまったモンスターを倒すと罠そのものも消滅するのか。

 しかし、これは楽で良い!!スライムの焦らしプレイと戦わずに済む!


「わっははははは。どうだネヴィアよ。我輩たちの勝利だ!!」


「うん、ちょっと時間は掛かるけど、これなら確実に倒せるね」


 どうやらスライムは有象無象のモンスターとなってしまったようだ。

 これも成長している証。


 おっと、いかんいかん。ネヴィアに聞きたいことがあったのだ。

 危うく忘れるとこであった。


「ネヴィア、お主の武器は先ほど投げた刃物か?」


「ん?ボクは武器なんて持ってないよ。さっき投げたナイフは罠を遠隔設置する為のアイテムで『遠隔設置』スキルを発動すると自動的に出現するの」


「では、お主は武器を持っておらぬのか?」


「そうだよ。そもそもこのゲームって武器や防具の概念があってないようなものだからね。普通のゲームなら武器や防具を装備してステータスが上がるけど、このゲームにはそれが存在しない。一応、見た目だけはそれっぽく見せるオシャレ装備があるらしいけど」


 思い返すとβテストの情報でそのようなのがあった。

 わからない事はその都度調べるつもりでいたから失念していた。


 その後もネヴィアとこの調子でスライムを倒していった。

 

 そしてゲームを始めて一週間が経過した。

 Lvが4まで上昇し、ネヴィアの『落とし穴』のスキルLvが2に上がった。

 これでスライムだけでなく、ゴブリンも罠にはめることができる。

 しかし、今リアルの諸事情でネヴィアはいない。


 そこでゴブリンとサシで戦ってみることに。


 ネヴィアの情報によると赤陣営の初期エリアは序盤はスライム。

 更に奥に進むとゴブリンが出現する。

 スライムと激戦を繰り広げつつ、森の奥へと足を踏み入れた。

 そこで遂に見つけた。

 スライム以外のモンスター、ゴブリンを。

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