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ソラ・ルデ・ビアスの書架  作者: 梢瓏
第四章 ソルフゲイルの謀略
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第47話 宣言

 どうもベルフォリスとは気が合いそうにないグレアラシルはとりあえず放っておくことにして、セレスは、

「大変報告が遅れましたが、ワタクシセレスは母レオルステイルとミカゲの協力を得て、見事世界樹の守護者の任から解き放たれました!」

と、高らかに宣言した。

 高らかに言ったのは、階下でふてくされているグレアラシルの耳にも届く様に~と言う事だったが、大体的に宣言した方が自分もスッキリ爽快な気分になるだろうと踏んで、その様に叫んでみた様だ。

 宣言したセレスは、宣言した事によって名実ともに世界樹の守護者では無くなった事が明確になったので、ニヤニヤとした喜びの笑みが止まらなくなっていた。

「因みに、新しい世界樹の守護者は、なんと!このあちしだち!!あちしがこれから先何百年か守護者をやることになったち!」

 ミカゲも、セレスの真似なのかそれとも前々からヤル気だったのかは分からないが、同様に大きな声で宣言して腕をぐるぐる回した。

 回されている腕に、今まで重々しくいくつもの腕輪の形状をした拘束具が着けられていた筈なのに、一切装着していない事に気付いたコレットは、

「それはそうとミカゲ、拘束具はどうしたの?着けてないと大変なことになるんでしょ?」

 あの、拘束具を外して本性と言うか本体を露わにしてしまう可能性があるミカゲの事を心配して、コレットはミカゲに質問した。

 それに対してミカゲは、

「もう、全然大丈夫なんだち!実は世界樹が拘束具の役割をしててくれるから、もう拘束具は必要なくなったんだち。」

と、満面の笑みで答えた。

 コレットはそれを聞いて安堵して、ようやくミカゲに抱きついた。

 そして、角の生えた頭を抱きかかえて、髪をもしゃもしゃになる程に撫でまわした。

「そうだったんだね~ミカゲはこれからセレスさんみたいに自由を失ったり、力が無くなったりするのかな?」

 一番の疑問と言うか、今までのセレスの言い分では、世界樹に拘束されてメルヴィレッジから出られないと言うのと、力も吸収されて折角魔界人とエルフのハーフと言う魔力に恵まれた生まれをしているのに、殆ど人間と同じ位の魔法しか使えない100年間を過ごしてきた話を聞いて来たので、ミカゲも同じ様な状況になるのでは?と心配する気持ちが募ったのだ。

 このコレットの問いかけにミカゲは、

「実はあちしは、氷炎竜グレアリー・ニーゼンヴォルフって言う竜の種類で、そのお陰で世界樹から力を取られたりメルヴィレッジから出られなくなったりしないんだち。だから、コレットは何も心配する必要なんて無いんだち!」

コレットの予想に反して、かなり明るく元気良くミカゲは答えた。

 コレットはミカゲの答えに喜び、青い瞳から涙を流した。

「本当に、良かった。セレスさんも力が戻って、ミカゲも拘束具を着けなくても良い身体になって!」

そう言いながら、何度も涙を拭った。

 この光景を見ていたソフィアステイルは、見た目は角っ子亜人だが中身が竜でしかも強大な力を持ち過ぎているミカゲが、この国では迫害されたり誰も友達も居ないだろうと踏んでいた考えを、改めざるを得ないなと実感していた。

「驚いた。ミカゲに、ミカゲの事をこんなに心配してくれる友達が居たとはな。」

本当に感心した様子で、ソフィアステイルはミカゲの頭をわしゃわしゃとかき回した。

「ソフィア~、ひどいんだち!あちしは別にどんな境遇でも平気だち。コレットとはつい最近友達になったんだけど、めちゃくちゃイイ子だち。あちしはコレットの事好きだち!」

 ソフィアステイルにそう言うミカゲを見て、コレットは急に自信が無くなって行く感覚に襲われた。

 自分はそんなに価値のある人間じゃないし、今この書架に集まっている中では人間は私一人だし、皆の役に立てる自信なんて全く無いし・・・・と、自身がこのメンバーの中では一番非力な人類であることが恥ずかしくなってしまっていた。

 自分は、こんな所に居ても良いのだろうか?

 ミカゲの友達と言うだけで、他は特に何の価値も無い人間だと言うのに・・・・

 そんな考えをグルグル巡らせている思考を、ソフィアステイルは早々に読み取っていた。

 ソフィアステイルの特技は『慟哭の門』を操る事だけではない。他の者の思考を読み取る能力にも長けているのだった。

 特に人間の思考を読み取りやすいと感じている様で、それで人間との付き合いを希薄にしてきたと言う経緯を持っていた。

 自分の価値を見出せなくなっているコレットを見兼ねて、ソフィアステイルは声をかけた。

「コレットと言ったか、お前は何をそんなに悲観している?私から見ればお前はミカゲの心を解放に導いた立役者に見えるぞ?お前は非力でも何でもない、この書架に集う仲間たちの中で、青く煌めく宝石のような存在に見えるのだが?それとも私の目は節穴なのだろうか?」

と、ソフィアステイルの言葉を聞いたコレットは、顔を上げてこの言葉を投げかけた者の顔をしっかりと見据えた。

 青い長い髪を三つ編みにして、度の強そうな眼鏡をかけているエルフの女性の姿を、その目に焼き付けた。

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