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ソラ・ルデ・ビアスの書架  作者: 梢瓏
第三章 世界樹の守護者
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第33話 メルヴィの街

 アルメイレには一瞬で着いた。

 セレスは、アルメイレの南東にある小さな街、トレイルトッカの外れの森に降り立った。

「この街でも大丈夫?」

 ライルが心配そうにセレスに尋ねると、

「あ、もう~全然大丈夫って言うか、アタシが行きたそうな街が良く分かったな~!?って今、本当に驚いている所だよ!」

と、セレスは感謝の意を述べた。

 ライルはその言葉に安心した様で、

「なら良かった!じゃあ僕は行くね。セレスの目的が果たされて自由の身になったら、ルキソに来てね。無理だったらイイんだよ。この問題は僕たちルキソの民がやるべき事だからね。」

と言いながら笑って、一人ルキソミュフィアに向けて飛んだ。

 次、ライルと会えるのはいつ頃になるだろう?と思いながら、セレスはトレイルトッカの街の賑わう街並みの方に向かった。

『深淵のエルフ』の居る可能性のある場所を探るため、街の情報屋に向かった。



 一方その頃、グレアラシルは一人苦悩していた。

『総務大臣の動向を探れ』

と、言われても、メルヴィレッジの内閣府までそうやすやすと入り込めるものでは無い。

 何とか自分だけでも出来る事を見つけようと安請け合いしてしまったけれども、早々に挫折寸前になっていた。

「とりあえず街に行ってみよう。」

 グレアラシルは書架を出て、とぼとぼと寂れた商店街を歩く。

 因みにこの商店街の名は、『アズワルド商店街』と言う名で呼ばれていた。

「アズワルド・・・・・」

 はて、どこかで聞いた様な・・・・と思いながら商店街を進む。

 商店街の末端に来ると、立てかけられている看板には、「また来てね!」と書いてあった。

「何かこの商店街、ちょっと変だな?」

 グレアラシルは一人、首をかしげながら首都の方まで歩いた。

 メルヴィレッジの首都の名前は、国名や人種名にもなっている『メルヴィ』と呼ばれていて、その名の通り首都の街並みを歩く人々の多くが『メルヴィ族』と呼ばれる人種の人達ばかりだった。

 メルヴィ族は基本的には亜人で、耳の形が少し違う。

 耳の先端にフサフサとした毛が生えているのが特徴だが、耳の位置は普通の人間と同じなので、獣人と言う訳でも無いらしい。

 かと思えば、メルヴィの中には尻尾の生えている人も居る様なので、獣人と亜人の中間の種族と言った感じなのかも知れない。

 その昔、まだメルヴィ達が一つの人種として確立していなかった頃は、もう少し獣人に近い存在だったのかも知れないと考えると、色々としっくり来るだろう。

 そんな訳で基本的に亜人や獣人が多いと言うか、亜人や獣人で構成されている国なので、他の地域、特にソルフゲイルで迫害されている亜人や獣人が流れ着いて来ることが多かった。

 そんなメルヴィの総務大臣は、見た目は普通のお爺さんだ。

 この間、グレアラシルはコレットを追いかける時に、偶然総務大臣とソルフゲイルの御三家の次男の密会を見ていた一人だった。

 密会なんてものに興味は無く、ただ目の前の獲物だったコレットに狙いを定めて、ただただ追いかけた。

 前払いの報酬に目が眩んだ。

 いつもの賞金稼ぎの賞金首の10倍位の額だった。

 このお金を元手に、ちょっと良いアパートに移る予定だったのだが、偶然知り合ったセレスの住居兼店舗のソラ・ルデ・ビアスの書架に身を寄せることになった。

 ソラ・ルデ・ビアスの書架の1階のダイニングキッチンの近くに部屋を作ってもらって、そこに住む事になったけど、部屋に暑らわれた空間があまり安定していないとかで、もしかしたらしばらくは変なモノが見えるかも知れないけど、この時空には干渉しない幻覚だから気にするな!とか言われたけど・・・・。

「やっぱり気になるな~。」

 グレアラシルは、部屋の状態が安定するまでは安眠出来ないかも知れないと、そう思っていた。

 首都の街並みに着くと、さて、どこに行ったら良いものか~?と思いながら行政府に向かう。

 行政府のある建物は少し大きかったので、迷う事は無かった。

「ああ~そう言えば、この間怪我した時に病院で手当てを受けた時に支払った金額が大きくて、支払い上限超えてるって言われた分を貰いに行くかな~。」

 グレアラシルは、自身の役所での手続きでやっていないことがあった事を思い出し、市民課の方に向かう。

 すると、目の前に金髪の、見慣れた感じの少女が立っているのに気が付いた。

 気が付いたけど、グレアラシルからは声をかけづらかったので、向こうが気付いてくれるまで待つことにする。

 いや、気付かなくてスルーされる方が面倒なことにならなくて良さそうだとも思いながら、順番待ちの座席に座った。

 数分後、グレアラシルの思惑通りと言うか、あまり望んではいなかったけど、向こうの方から声をかけて来た。

「あ!グレアラシルさん!!一昨日(おととい)は色々と・・・その前の日も・・・、どうもありがとうございました!コレットです!当然覚えていますよね?」

笑いながらコレットが挨拶をしてきた。

 グレアラシルは~と言うと、ちょっと苦笑いをしながら、

「ああ、当然覚えていますよ、一昨日ぶりですな~!」

と言って応じた。

 2人の間には、何とも言えない空気が流れた。

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