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第一章 三話 異世界転移しました!




冷たいコンクリートの床。


ところどころにある蝋燭の火があるが、光は弱々しく、ろくに周りを照らさない。





そんな気が狂いそうな場所に足音が響いた。





その音でアメリダは顔を上げる。





ここは貴族が罪を犯したときに処罰を待つ部屋。いや、部屋というより牢屋のような見た目で、少し広くて粗末なソファとベッドがある牢屋と部屋の中間のような部屋だ。




(……誰かしら、処刑はまだ先だと聞いたけど)





「アメリダお嬢様……」




響いたのはまだ若い、男の声。悲しみを帯びた声で、アメリダはその声に泣きそうになる。





「カルロ」




この男はアメリダの昔からの世話係であるカルロだ。





そして、アメリダが家族のように慕っていた人。





アメリダは養女として義理の義理の両親から愛情など与えられずに育ってきたが、カルロは唯一、アメリダの事を大切に、優しく接してくれた。




「お嬢様、お怪我はないですか?」






手に持っていた銀のランプを置き、アメリダの事を心配そうに確認し始める。




(……あぁ、申し訳ないわ)




レグジュール家は追放される。



カルロもこれから豊かでは決してない生活を送るのだろう。





「ごめんなさい…カルロ…」




「何故謝るのですか」




「全て、私のせいよ」





「そんなことを言わないでください。お嬢様は何もしていないことはわかっています。」




「……ありがとう………」




「……お嬢様、もういっそ亡命しましょう。隣国のサカロル家なら、保護してくれます。」




「…………いいえ、私は刑を受けるわ。亡命はカルロだけでして……生きて欲しいの」



そう言うと、カルロは悲痛そうに顔を歪め、




「……アメリダお嬢様、私は貴方の事が…………………………

いえ、分かりました。ですが、私はお嬢様の世話係です。最後まで見送らせてください。」



「ありがとう、本当にありがとう…」













〜〜〜






そして処刑当日、王都の広場にギロチンと台が置かれ、アメリダ令嬢が連れてこられた。





(あぁ、ここで終わりね。)






台に上がり、首をはめられる。






「…………ではこれより、アメリダ・シュリ・レグジュールを処刑する。

では、落と……………」




指示が聞こえ、ぎゅっと目を瞑った、その瞬間だった。





閉じていた瞼でも眩しすぎると感じる、強い光と、止まった指示。





(………ん……………???)





異常だと悟り目を開けると、それと同時に腹と顎に痛みが走る。





「…………ッッえ!?」





広がる視界には、群衆が消え去って、鮮やかな緑をした木々がアメリダの周りを取り囲んでいた。








そう、この日、アメリダは異世界転移したのである。




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