中国ブイを即刻撤去せよ! こうして尖閣諸島は実効支配されていく!
筆者:
今回は尖閣諸島の現状について問題提起していこうと思います。
特に“現状の変更”に対して弱腰の姿勢を取り続ける政府、これを問題視しないマスコミ。この2つについてみていこうと思います。
質問者:
具体的にどういうことが問題なんですか?
◇尖閣諸島は「台湾有事」と「資源確保」に繋がる
筆者:
まず、中国がどうして尖閣諸島を狙うのかについて振り返っておきます。
そもそも中国は第二次大戦直後においては尖閣諸島の領有権を主張していませんでした。
※1960年中国発行の中国世界地図集では、尖閣諸島が沖縄に属するものとして記載。
ところが中国は、1968年に尖閣諸島周辺海域 尖閣諸島周辺海域に石油資源が埋蔵されている可能性が指摘された後に初めて「尖閣諸島の領有権」を主張し始めました。
その後もその近海に銅やレアメタルなどの鉱床がある可能性も指摘されており資源において欠かせない存在となっています。
2点目は台湾を武力で制圧する際に尖閣諸島の領海・領空を通らなければ包囲作戦を取ることがやりにくいという実情があります。
台湾を取ることで太平洋への領海も開けますし、
その手前の段階としての尖閣諸島の実効支配というのは必須のポジションにあると国防に詳しい人の間では認識されています。
◇単なるブイではなく「調査能力」を持っている
質問者:
尖閣諸島が台湾防衛の上でも資源の上でも重要なポジションを占めていることは分かったのですが、
現状どのようなことになっているんですか?
筆者:
あまり報道されていないのですが23年7月から尖閣諸島の日本の排他的経済水域(以下EEZ)に中国のブイが設置されているんです。
質問者:
ブイってそんなに危ない存在なんですか?
筆者:
皆さんブイというとプールとか海とかで設置してある“丸い奴”とか“四角い奴”をご想像されていると思うのですが、
こういうのが設置されているようなのです。
このブイは欧州宇宙機関(ESA)が公開している衛星画像からブイは直径約10メートルと推定されています。
海保によると、「中国海洋観測浮標QF212」との表記があった。係留型のブイは平成25年と30年にも同じ位置で確認されており、「重りが切れるなどしたブイが流される度に中国側が新たにブイを設置してきた」(海保関係者)という事のようです
11管の領海警備担当次長を務めた元3管本部長の遠山純司氏は「30年に漂流したブイを調査した際、気象や波のデータなどを送信していたことが判明した」と産経新聞の記事で証言していますので、今回のブイもそういった活動をしていることが推定されます。
質問者:
これはもはや“調査施設“に近いものがありますね。ただ単に浮き袋みたいなのが浮いているだけではないのですね……。
筆者:
人が滞在することはできないのですが、海底のデータを測定し中国に情報を送り続けているようです。
国連海洋法条約では、構造物の設置や科学的調査の実施はEEZを管轄する国にしか認めていないことからこの活動は「力による現状変更」に近いものであると国際法上は認識していいと思います。
◇しかし、上川外務大臣の対応は「暢気」
質問者:
これに対して国はどういう対応をしているんですか?
筆者:
昨年秋の国会とつい先日の3月13日に上川外務大臣がそれぞれ
「ブイの撤去や移動、わが国によるブイの設置を含むさまざまな対応について、関係省庁で連携、検討し、可能で有効な対応を適切に実施していく」
「有効な対応を適切に実施していく。具体的な時期を明示することはできない」
と「ゼロ回答」に近いものをしています。
中国が「撤去せよ」というものに対して応じてくるとはとても思えないので、
正直言ってまったくもって無意味な答弁です。
「中国の力による現状変更は許しません。直ちに外務省と防衛省が責任をもってブイを撤去します」と宣言する1択だと考えます。
質問者:
中国に対して忖度していると言われても仕方ないですよね……。
◇そもそもロクな報道すらされていない
筆者:
そもそも話題になっていないので、僕ですら情けないことにYOUTUBEでこの暢気な答弁を知ったというレベルで周知されていません。
質問者:
そもそもブイがそんな調査能力を持っていること事態知られていませんよね。
筆者:
しかもこのブイ事件について国民に最速で伝わったのは23年9月24日付の産経新聞の独自調査の記事が最初でした。
次に秋の国会答弁で知った人がいるかどうかのレベルで、中国の国際法違反について知っている日本国民は少ないでしょう。
政治資金について証人喚問すらしない茶番答弁を大きく報じないで、
こういった領土が侵害されているという事実をもっとマスコミは追及するべきです。
産経新聞と読売新聞がちょっと報じている程度でさしたる取り扱いがされていません。
◇「漁業船」によって侵害され続けている
質問者:
確かに……。あとは「漁業船」が相変わらず尖閣領域を侵害し続けているんですよね……。
筆者:
令和5年3月、与那国島、奄美大島、宮古島への部隊配備をようやく行いましたが、尖閣諸島には自衛隊の常駐部隊は存在しません。
また、尖閣諸島では訓練場はありますが、米軍との合同訓練の予定すらありません。
依然として海上保安庁が中国の漁業船、海警船への対応にあたっています。
海保によると、海警船の活動日数は令和2年以降、3年連続で330日を超え、領海外側にある接続水域での航行が常態化。昨年は過去最多の336日を記録したようです。
中国海警局は軍艦を改修した大型船を配備して武装強化を図っており、海洋進出を強める中国の公船の活動が活発化しているようなのです。
質問者:
継続的に実効支配一歩手前の動きを行っているのですね……。
◇中国に忖度をする必要はない
筆者:
ブイの問題と「漁船」問題を放置することは更なるステップである「中国部隊の実効支配」という段階に進みかねないと僕は考えています。
今の状況を一刻も改善することを国民の側から声を上げていく必要があると思っています。
「ウクライナが民主主義の砦! ロシアの力による現状変更を許さない!」
と上川外務大臣は高らかに主張されています。
しかし日本国内の尖閣諸島EEZ内にあるブイ1つ撤去することすらできない。
ウクライナについての発言は、とんだ偽善か適当なことを述べているようにしか見えないと思います。
質問者:
これを「ダブルスタンダード」って言うんですよね……。
ウクライナに対しては2兆円近い支援と、更に復興支援も約束しているんですからね……。
筆者:
本当にこれは皆さんに知っていただかなくてはいけないと思います。
中国との外交問題に発展したくないのでしょう。
貿易などに影響が出たら日本経済に大打撃とかそう言った下らない理由です。
ただ中国国内から見た場合の海外投資は23年は前年比8割減少と言ったデータもあります。
世界的な中国離れが進んでいることはある種のいいことではありますが、経済悪化を国外に向けさせるための“台湾有事”や“尖閣占領”を引き起こす可能性が上がることも覚悟しなくてはならないと思います。
質問者:
もしかすると差し迫っているかもしれないわけなんですね……。
筆者:
早急に国はブイに対して対応する必要が本来はあるという事です。
その上で尖閣諸島には常駐部隊を配置しなくてはいけません。
そして中国に対して何もできない上川氏が「次の首相ランキング上位に浮上」と言う状況も、この国の人材不足を如実に示していると思います。
質問者:
かと言って他の候補も頼りない方ばかりですよね……野党党首も怪しいですし……。
筆者:
それが最大の「国難」と言ってもいい状況だと思います。
国民側としては何が起きてもいい様に心の覚悟と、
海上封鎖が起きた場合に備えて備蓄をすることをお勧めしますね。
備蓄のお勧めは米と缶詰です。ローリングストックで食べながらいざというとき食べられるか検討することも大事だと思います。
という事でここまでご覧いただきありがとうございました。
今回は調査能力があるブイが尖閣諸島のEEZ内に設置されており、
これが「力による現状変更」にもかかわらず8か月近く経とうとしているのに何もしていないこと。
このまま行くと尖閣諸島は中国に実効支配されてしまう事。
その弱腰対応の上川大臣が次の首相候補で上位になってしまうほど人材難であるという事をお伝えさせていただきました。
このような時事問題や政治経済、マスコミの問題について個人的な解説を行っていますのでどうぞご覧ください。