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GMは ダ女神アリエル

 GMゼネラルマネジャーとは

絶対的上位者権限により、 下位の人や機関を 統一して治める者である。 統轄と同義。

 尚、 統括とは 幾つかに分轄している機関を、 纏め(まとめ)る者。 



  バタフライ・エフェクト 1


 ダ女神アリエルは、 GMに就任した。

パラレルワールド X31は、 前任統轄が 余りのブラック業務に病んで、 イモータルオブジェクトたる 冬眠カプセルに、 エスケープしてしまった範囲だ。

 白銀に輝く、 冬眠カプセルが鎮座する GM執務室を、 外宇宙に射出し ダ女神アリエルは、 《 フンっ! 宇宙の藻屑決定! 》と 射出口の扉を、 ガシャンと閉じた。

 

 〈勝手に、 冬眠カプセルを捨てて良かったのでしょうか?!〉統轄補佐官は、 鳥肌をたて身震いして問うた。


《中途半端に 役職を投げ出した奴なんか、 目障りなだけよ! 文句があるなら 今直ぐだって、 この役職を譲ってやるわ!》

 ダ女神アリエルは、 冬眠カプセルの再起動(プログラムを再構築して 冬眠を解く)会議を、 事故処理のため欠席した。

 何処の世界でも、 欠席した会の面倒事は 其奴(欠席者)に なすりつけられるものである。

 ダ女神アリエルは、 決定事項として パラレルワールド X31の GMにも(にも!)就任してしまった。




 《ちょっと! 勇者召喚なんて 何やってんのよっ! アーティファクトの魔法陣、 ソレっ! あちこちオカシイじゃ…っ、 あーっ! 》執務室の X31の画像チェックに、 悲鳴をあげるダ女神アリエル。


 画像の勇者召喚魔法陣は、 1500年も以前に構築され しかし完全をしておらず、 所々にツギハギされた術式もみられる。

 召喚者達は、 ツギハギにも気付かないままに あろうことか、 その世界中から 掻き集めた、 30人もの魔術師達に 起動されようとしていた! 


 《あーっ! 間に合わないわっ! コンナの 聞いてないものっ!(前任者の申し送りないしネ…。) どーすんのよコレ(勇者召喚)っ! 》大量の魔石と 輝き始めた魔法陣・・・

 アリエルは、 瞬時に腹をくくった!



 《あ~っと、 38人召喚されるのね? ヤッてやろーじゃないの! この女神たるアリエルの、 采配の腕の見せ所よっ! フッ!》


 〈うぇーっ! なんじゃこりゃぁ~!〉心のなかで 声に出さず統括補佐官は、 神のはしくれなのに、 思わず 神に祈った。 マトモな結果など 本当に望むべくもない…ほどなのだ。


 《何か言った?! 緊急事態なんだから 静かにみてなさいっ! 次 邪魔したら 消すわよっ!》統括補佐官に向けて飛ばす アタタカイ台詞!


《さあっ! かかってきなさいっ!》




✡✡✡✡✡


  鵜殿ももは、 その日も クラスの片隅に、 ひっそりと着席していた。

 中学生になるにあたり、 小学校の担任は ももの進路を、 有名女子校に薦めていた。

 ワタクシ立の有名女子校は、 裕福な家庭に育ち 控えめで賢いももに、 とてもお似合いな校風だった。

 しかし、 幼稚園からどっぷりお付き合いされている 龍洞理沙と、 三屋拓人に押し切られ 都立中学に 入学してしまう。

 仲良し3人組? なので、 鵜殿ももは ニコニコと、 中学生生活を始めていた。


 鵜殿もも13歳、 中学生最初の保健体育の授業が 始まろうとした瞬間、 漆黒の空間にいた。

 「あれれ? 私 病気かな?」モモは、 両眼をパチパチしてみた。

「真っ暗だわ? 夢みてるのかな?」モモは、 左頬をツネッみた。

「イタタっ! 夢なのに痛いな?」モモは、 独り言を続けてみた。


  パチン!〈指パッチンの効果音デス…。〉


《初めまして! 鵜殿ももさん! ソレと、 統括補佐っ! 余計な効果音いらないからっ!》モモに、 聞こえるヘンな言葉?


《あっ! 漆黒のイメージカラーも もういらないわ! パッチン!》モモのまわりが、 ホフホワイトの ナニもない空間? イヤイヤ 対面するソファに、 綺麗な女の人が 座っている。


 「ももは、 教室にいたのに 変なオバサマの前の、 変な場所にいるのは コワすぎだわ…。」


《鵜殿ももさん! 心の声がダダ漏れして 言葉として、 発声されてますよ? 私は、 女神アリエルです。 決して 変なオバサマではありませんよ?!》ぷぷっと 吹き出しそうになるのを、 咄嗟に堪える統括補佐官を 睨みつけたアリエル。 モモに 視線を戻す時は、 営業スマイルを ちゃんととっている。


《コチラの都合ですが、 時間がありません。 鵜殿ももさん、 アナタは この世界に召喚されました。 私の独断と偏見により アナタの称号を、 【 魔王 】という ウルトラレアにしました。 何か希望がありますか? なければ 私が、 テキトーに見繕ったスキルで この世界に転移させます。》女神アリエルは、 一気に噛まずに説明できて そのことを心の中で 自画自賛していた。


「あのー? 何のコトでしょうか? 私は、 ドコかの芸能事務所に スカウトされたのでしょうか?」首を傾げるモモである。 


〈そりゃあ そうか? ソウですよね? 普通 まさか、 異世界召喚とか 考えられませんよね?〉統括補佐官は、 鵜殿ももさんに同情してしまう。


《お前っ!(統括補佐官) クビ決定! 今直ぐ 冬眠カプセルに入れっ!》統括補佐官は、 一瞬後 眠っており、 冬眠カプセルで 宇宙空間にいた。 理不尽に過ぎる とばっちり現象だな…、 南無ー!


《オボン! 鵜殿ももさんは、 何も気にしなくていいのよ? 何か希望はないの? 時間がないのよ!》女神アリエルは モモを急かす。


「あの~ぉ? スカウトなら 幼なじみのお友達二人も、 一緒でお願いしたいです。」モモの 精一杯の言葉だ。


《あー、 龍洞理沙さんと 三屋拓人君のことね? 理解したわ! 大丈夫 アナタの補佐にちゃんとしてあげる。 あとはまかせてね?》有無を言わせぬ アリエルの説明。


「えーっと? よろしくお願いします?」イマイチ 釈然としないモモの意識は、 再び暗転した。



✡✡✡✡✡


 モモ・ウドノ・ガブリエルは、 鏡に映った自身の全体像を もう一度チェックした。

 21歳でムカエル戴冠式。

 「魔王になります!」鏡の中の自分自身に 言い聞かせるような独り言。





 






 

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