表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユタージン  作者: ヌーバス
3/3

ユタージン第3話

SSUさすらいのユタ

ユターシャの美しさに

すっかりやられてしまったSNS

ご存知

スーパーナチュラルサラリーマン夏田古文時その人である


島の空気は澄んで

夏田古文時は思い出す

夏休みを謳歌する心得としてこの島に来島せし由来を


気がつけば

恋の高鳴りの自由飛翔を快諾せし島の青空なりせば


ああ

SNSスーパーナチュラルサラリーマン夏田古文時ともあろふ者が


水牛ごときを追いかけていたなんて


なんて御馬鹿さんなんざんしょ


夏田古文時はユターシャをオープンカーに乗せて

水牛やらナカンダカラやらの居るロードを避け、潮風ロードへと左折した


潮風ロードをひた走るオープンカー


お幸せな夏田古文時の夏休みでした





さて

トキオ空港からナツダック本社にタクシーで移動したのは


御存知

SNSスーパーナチュラルサラリーマン夏田古文時ナツダコブンジその人である


深夜にもかかわらず

ナツダック本社に呼び出された夏田古文時


「会長が

屋上の畑でお待ちです」


たいして美人でもない女性が冷たい声で告げる


夏田古文時はエレベーターで上がりながら


「ユターシャなんかと出合わなければよかった、おかげで、どの女性もブスにおもえる、それにしても、このビルの屋上に畑があったなんて初耳だ、ナツダックの会長……、まだ会ったことのない、噂さえ社員間で交わされた

ことがない…」


やがてエレベーターが屋上に届いた

屋上に来たのも初めての夏田古文時であった


ナツダック本社の屋上は

真昼であった


御存知SNSスーパーナチュラルサラリーマン夏田古文時ナツダコブンジの乗ったエレベーターの速度が遅すぎて


深夜に一階を出発

屋上に着いたのが真昼


「いや、ナツダック本社は高層ビルではあるが、一階から屋上までエレベーターで数時間かかるほどの宇宙的規模の高さではない、いったいどうなって

いるんだ………?」



屋上は


屋上というより


屋外である……


というより


そこは

夏田古文時が冒険を繰り広げたあの南の島に

そっくりの場所であった


いや


南の島そのものであった


農道の遠くから近づいて来るのは……

水牛である


紛れもなく

水牛は


ぎゅうちゃんこと水田水遁ミズダスイトンその牛である


そして

ぎゅうちゃんの背に乗っている人物は……


水田水遁ミズダスイトンに乗っている人物は


ナカンダカラその人であった



南の島で

夏田古文時に

水牛のぎゅうちゃん(水田水遁)を貸し与え

「町を救ったら 町の

ちゅらかーぎ(美人)の娘と付き合えるし結婚できるさあ」

夏田古文時を騙して町を救わせた

あの憎き

ナカンダカラであった


ものすごく歳を重ねているようでもあるし

意外と若いような感じでもある


善人そのものの顔

なのに

悪人のようでもある


あのナカンダカラであった


「きさまあ、ぬけぬけと

現れやがったな!」


んもんもんもおお

ぎゅうちゃん(水田水遁)が場違いな のんびりとした声をだした


町の映画館の椅子に

夏田古文時を縛り付け

鼻の穴にポップコーンを詰めて放置した

憎き水牛である


SNSスーパーナチュラルサラリーマン夏田古文時ナツダコブンジ

鼻の穴にポップコーンを詰められると

念の力も 普通の力も出せないという秘事を

なぜか水牛が知っていたのである

きっとナカンダカラじじいの入れ知恵であろうと夏田古文時は推測している


「夏田古文時!」


ナカンダカラの声は

南の島で聞いたときと全く異なる


底知れぬ威厳を

聞く者に

無条件で受け入れさせる


そのような声であった


水牛のぎゅうちゃんの背で

胡座をかいて威風堂々のナカンダカラは

将軍のようでもあり

仙人のようでもあり……



「ほんとうに、あのナカンダカラさんであられますか?いや、それよりなぜ私を騙して、ぎゅうちゃんに縛り付け

させたのですか?」


「危機的状況下における

緊急避難で

あったのじゃ」


「?」


「おぬし夏田古文時、なぜナツダックに

勤めてをるのじゃ?」


「ナツダックを創設したのが、私の祖先でありまして、夏田ゆえにナツダックとう社名となりしとぞ聞き及びてをる状況下に

ござります」


「たわけ!おぬし、夏田古文時、時代劇風の口調となっとるぞ、従順のふりした順応性じゃ、わが子孫にこのような性質のものが現れようとは…、このような性質というのは、おぬしの性格のことだけではないぞ、その念の能力を特殊株に応用する、邪な

順応性のことじゃ」


「子孫? まさか、ナカンダカラさんは、わが祖先?だったら、ものすごい

じじいじゃないの?」


「夏田古文時!本性を現したな、だが、粗暴さをビジネススマイルで隠したスタイルは宇宙植物との戦いでは

役に立つ」


「宇宙植物?」


「それだ夏田古文時!その、知識をひけらかさないスタイル、宇宙植物との戦いでは役に立つ、おぬしが救ったあの町、あの町を捕食しようとしていたのが宇宙植物だ、あれはギンネムの大きいのでしょう、とかとぼけちゃならんぞ

夏田古文時!」


「ちぇ、その通りにすっとぼけようと

してたのに」


「夏田古文時!おぬしが宇宙植物を研究していることは知ってをるぞ、おぬしを宇宙植物研究へと誘導したのは

わしだからな」


「悪いやっちゃじっちゃん、じっちゃん自身が悪い宇宙植物

なんじゃねえか」


「さすが我が子孫じゃ、なかなかの推論だと評価する、さて

仕事じゃ夏田古文時」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ