詩 かごの中の鳥はもうずっと飛べないまま
かごの中の鳥は飛びたかった
飛べるわけがないと諦めて過ごしてきたけど
やっぱり空を飛ぶことを諦めきれなかったから
翼を広げて 飛ぼうと思った
自分の翼で 飛んでみたかった
青い空とともに 白い雲とともに
心地のいい風とともに
自由に 思うままに
けれど 望むのが遅すぎた
扉が開くようになっていても
外に出られるようになっていても
気づいてしまった
「あの空にはいけない」と
かごの中にいる時間が長すぎたから
体は無力で かごの中に縛り付けられたまま
もう飛べなくなってしまっていたから
どんなに願っても
この事実を変えることはできない
動かなくなった羽が現実を突き付ける