表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/248

*** 33 とんでもねぇ奴 ***

 


「それで天使見習いや天使の給与は誰が払っているんだ?」


「天使さまの給与は神界から賜るのですが、天使見習(みにゃら)いの給与は原則として出身母惑星政府が支払うことににゃっております」


「そうか、全銀河宇宙で数百万人程度だったら、恒星系政府にもそんなには負担にならんか」


「はいですにゃ」


「それからその天使見習い心得っていう連中は何人ぐらいいるんだ?」


「10万人ほどですにゃ」


「けっこういるな。

 それさ、俺が任務を始めるに当たって、心得たちを天使見習いとして雇うことって出来るのかな」


「「「 !!! 」」」


((( それ、希望者が殺到するだろうにゃぁ…… )))


「そ、それはもちろんタケルさまは神格をお持ちですにょで可能ですが……」


「そうか、それから俺も神域っていうの持てるのかな」


「それも可能です。

 管轄宙域の近傍重層次元空間に神界が作ってくださいますにゃよ」


「それじゃあもう少しレベルを上げてから具体的に考えてみようか」




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 俺の『苦痛耐性』や『状態異常耐性』のレベルが100を超えて来た。


 おかげでもう体術訓練でも剣術訓練でもほとんど痛みは感じなくなって来ている。

 まだたまにニャイチローに腕はぶった切られてはいるけどそこまで痛くないし。


 そういえば以前地球で剣道を習ってる時に思ってたんだけどな。

 剣道の試合って、綺麗な姿勢と勢いで面やら胴やらに一本が入ったかどうかで勝敗を競うよな。

 だけどさ、相手の面狙いを頭を傾けて躱しても、竹刀は肩とかに当たってるだろ。

 それって真剣だったら即死だろうにな。

 それにかなりの上級者相手に戦って負け続けても、俺の竹刀はそれなりに相手に当たってるし。


 つまりさ、剣同士の実戦って、勝者が無傷だったってほとんど有り得ないだろうって思ってたんだ。

 剣豪同士が勝負なんかしたら、ほとんど相討ちだったんだろうな。

 運よく勝てても勝者は瀕死の重傷とか。


 日本の戦国時代の合戦でも死因の第1位は矢や投石が当たることで、第2位は槍に突かれることで、刀傷で死ぬことなんかほとんど無かったらしいからな。

 武将の太刀なんか馬上槍の代わりだったそうだし、小太刀なんか殺した敵の首を切り落とすためのものか自決用だったっていうし。


 つまり刀による1対1の戦いなんか滅多に行われていなかったっていうことなんだろう。


 ということは、未開世界の戦闘でも、ほとんど魔法による中遠距離攻撃にした方がいいっていうことなんだろうな。

 剣による近接戦闘は、あくまで非常時用っていうことだ。



 その魔法訓練も順調だったよ。

 もう魔力枯渇してもほとんど苦しくないし、気絶も1時間ぐらいになって来てたしな。

 おかげで訓練時間も増やすことが出来て、けっこうなペースでレベルが上がっていったんだ。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




『おいタケル、そろそろエリザとの約束の日が近いんじゃねぇか?』


「そういえばそうでした」


『あいつ、このテの約束忘れると怖ぇぞ』


「ははは、それじゃあニャルーンさんに頼んでアポの確認をしてもらいましょう」



 約束の日時にエリザベートさまの神殿に出向いた俺は、神殿前の階でエリザさまに迎えられた。

 その後ろには神殿の侍女や侍従さんたちらしき猫人たちがずらりと並んでいる。


「よく来てくれたのうタケルや♪」


 満面の笑みを浮かべたエリザさまは、トーガの胸元をがばっと開いて俺の頭を抱え、その雄大なおっぱいに押し付けた。


 むががががが……



 しかもどうやら前回の反省から、おっぱいが左右に開いたり閉じたりして俺の顔をぱふぱふ挟むワザも開発していたようだ。


「どうだタケル、新開発の『ぱふぱふ』は♪」


「た、たいへんけっこうなお手前で……」


「そうかそうか!

 それではさっそくサロンに行ってイチャイチャしようではないか♪」


 それで猫人さんたちが頭を下げる中、広壮なサロンに案内されたんだけどさ、大きなソファがヤタラにたくさんあるのに、エリザさまはすぐに俺の膝の上に乗って来て、俺をペロペロし始めたんだ。

 念話でずっとタケルーさんとイチャつきながら。

 しっぽは機嫌良さそうに揺れてるしな。


 その後は豪勢な夕食をご馳走になり、またもベッドでリビドーを吸い取られて気絶するように寝ることになったし……


 ぴろりろり~ん! 

 タケルのキンタマのレベルが1上がってレベル8になりました♪




 そして夜半。


(あー、また寝落ちしちゃってたかー。

 なんか喉が渇いてるけど……

 うん、やっぱりエリザさまにがっちりホールドされてるわ。

 仕方ない……)


 タケルは魔法で小さな水球を作って口に入れた。


(やっぱり魔法って便利だよな……

 それにしても……

 エリザさま幸せそうな顔して寝てるわー。

 こうして近くで見ても、やっぱりものすごい美人さんだよ。

 なんかすっごくいい匂いもするし。

 俺も将来どんなひとがお嫁さんになってくれるかとか考えたこともあったけど、タケルーさんのおこぼれとはいえ、まさかここまでの美人さんとは思わんかったわ。

 ま、まあとんでもなく歳上なのは置いとくとして、こんな綺麗なひとが俺の子を生んでくれるとはな……

 あ! い、いかんいかん!

 エリザさまの寝顔見ながらそんなこと考えてたら、な、ナニが反応して……)



 エリザベート上級神が目を開けた。

 長い睫毛がぱちぱちと動いている。


「タケル……

 妾の寝顔を見ながら発情してくれたのか……

 なんという嬉しいことを……

 これは番の相手として、またとことんリビドーを吸い尽くしてやらねばな♡」


(な、なんで反応したのがバレたんだ!

 あ! ちんちんにしっぽが巻き付いてたからか!

 ま、まるで発情センサーっ!)


「あ゛あ゛あ゛あ゛―――つ!」


 ぴろりろり~ん! 

 タケルのキンタマのレベルが1上がってレベル9になりました♪



(ふふ、また気絶するように寝おったか。

 それにしても、就寝前にあれほど吸い取ってやったのに、またすぐ妾に発情してくれるとはの♡)


『そりゃあ俺の魂が転生した男だからな。

 お前に発情するのも当然だろうに』


(おやタケルー、起こしてしまったか)


『それも当然だろうが。

 あれだけのことしてもらって、寝てられるわけねぇだろ』


(ふふ、それもそうか。

 のう、タケルーや)


『なんだエリザ』


(そなたの目から見て、このタケルという男はどうだ?)


『とんでもねぇ奴だな』


(どのようなところがとんでもないのだ?)


『お前もよく知ってるように、俺も戦闘力と魔法力の怪物とか言われてたけどよ。

 この野郎、それに加えて智力もすげえんだ。

 しかもその3つとも大半は自分の努力で手に入れてるしな。

 言ってみれば『努力の怪物』でもあるんだろう』


(はは、あのタケルーがそこまで言うか)


『そのせいで、周囲の連中にとんでもなく尊敬されてるしよ。

 まあカリスマの怪物でもあるんだろう。

 さらにあのムシャラフとミランダのおかげで超莫大な資産まで手に入れちまったんだぜ。

 こいつがどこまで突っ走るのか俺も楽しみだわ』


(そうかそうか♪)


『お前もそういう男は大好物だよな。

 俺の生まれ変わりっていうだけじゃあなくって、タケル本人にも惚れ始めてるんじゃねぇか?』


(妬けるかえ?)


『いや、不思議とそんな気にはならねぇな。

 やっぱりこいつが俺の生まれ変わりだからだろう。

 それにこいつのおかげでこうしてまたお前と話も出来るし、交尾も出来たしよ♪』


(それはよかった。

 そなたに嫌がられるのは悲しいからの)


『それにお前は猫人族だからな。

 そもそも交尾相手を1人に限る種族じゃねぇだろうに』


(はは、それもそうだ。

 だがそなたは気にせんでも、妾はタケルにも嫌われたくはないからの。

 これからは、交尾相手はそなたとタケルだけにすることとしようか……)


『ああ、それがいいかもな……』




 翌朝、食事も終えてサロンで寛いでいるときに、エリザベートがおずおずと口を開いた。


「の、のうタケルや、今日はこのまま帰ってしまうのかえ?」


「ええ、トレーニング空間でまた鍛錬もして、その後は地球の学校にも行かなければなりませんし。

 なにしろ日本では中学までは義務教育ですからね」


「そうか……

 それでな、こうして妾の神殿に来てくれることなのだが……

 鍛錬の妨げになるのは心苦しいのだが、月に1度ではなく2度にしてはくれぬだろうか……」


(あ、エリザさまちょっと顔が赤くなってる……

 か、可愛い……

 そうか、もっとタケルーさんとお話したいんだな……)


「もちろんですよ、もしよろしければ月に2度お邪魔させてください」


「あ、ありがとうの……」




『なあタケルよ』


(なんですかタケルーさん)


『あのエリザのことだけどな、あいつお前にもかなり惚れて来てるぞ』


(ええっ! 

 あれはもっと頻繁にタケルーさんといちゃいちゃしたいからじゃないんですかぁっ!)


『いや5万年前にもよ、俺が任務報告にあいつの神殿にいくのは年に数回だったんだ。

 そのときにたまたまあいつが発情期のときだと、あいつはフェロモン抑制剤を飲まずに俺と交尾してたんだわ。

 だから滅多に交尾なんかしてなかったんだよ。

 妊娠中に添い寝を頼まれたこともなかったしな』


(そうなんですか?

 あれは妊娠中に番の相手がいないと不安になるからだと思ったんですけど)


『それはヒト族の発想だな。

 あいつはそんな殊勝なタマじゃねぇわ。

 なにしろ神界上級神会議の議長まで務めてるやつだからな』


(はぁ……)


『つまりよ、あいつは俺だけじゃあなくって、俺の生まれ変わりであるお前にも惚れ始めてるんだよ。

 それももうベタベタにな」


(ええぇ―――っ!)


『なんだお前エリザのこと気に入ってねぇのか?』


(そ、そそそ、そんなことありませんよ。

 でも上級神さまだし、あんなに美人さんですし、そもそもタケルーさんの番相手でもありますし……)


『俺とお前は同一人物だろうに』


(そ、それはまあそうですけど……)


『それになにしろお前には俺の魂も入ってるからな、ああいう気の強い女がデレてくれるのはどストライクだろ?』


(!!!)


『だからよ、これからは俺に遠慮せずにあいつと本当の番になってやってくれや』


(は、はい……)





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ