*** 21 初級神 ***
『エリザベートさま、ただいま最高神政務庁からタケルさまへの神格付与承認のご連絡が参りました』
(なんかあっさり承認が下りるもんなんだな……)
「そうか、それではタケル、まずはこのトーガに着替えよ」
それでさ、背中にスリットの入ったトーガに着替えた俺にエリザさまが俺に手をかざしたら、また俺の体が無茶苦茶光り始めたんだ。
背中には1対の翼まで生えて来てたし……
こ、これどうやって仕舞うんだ?
それで仕舞い方も教えてもらえたんで、出したり仕舞ったり練習してたんだ。
な、なんかヘンなギミックもらったみたいだけど、けっこう面白いぞこれ。
そんな俺を見てエリザさまは笑ってたけどな。
「それでは神法マクロも授けようか」
「あ、ありがとうございます……」
その途端に俺の脳には結構な情報が流れ込んで来たんだよ。
ほほー、これが神法マクロか。
さすがに高度なもんが多いな……
「ふむ、神に至ったのに神界に神殿が無いのもちと外聞が悪いの。
ならばこの神殿もそなたに半分くれてやろう♪
そうすればそなたが神界に来たときに一緒に寝られるからの♡」
「えぇぇぇ―――っ!!」
「当然だの、そなたは前世でも今世でも上級神の子の父親であるのだから。
そして妾のモノはすべてそなたのモノだ。
身も心も財も全てな♡」
「!!!!!」
それでさ…… 俺、地球に帰ってから恐る恐る父さんと母さんに報告したんだ……
あと8か月でおじいちゃんとおばあちゃんになっちゃうんだ、って……
「まあ! わたしの孫が上級神さまの子になるのね!」
「それはすごいな!」
「それにしても突然でゴメンね……」
「あら、あなたはタケルーさまの生まれ変わりなんだから、当然そうなると思っていたわ」
「そ、そうか……」
「でも、ふふふ、あなたのお父さまが親になったのは19歳のときで、わたしが17歳のときでしたから、あなたの方が早いけどね。
でもわたしがあなたのお父さまと初めてエッチしたのはお父さまが14歳でわたしが12歳のときだったから、童貞卒業はお父さまの方が早いわよ♡」
「!!!」
「どっちの恒星系でも婚約していれば普通のことだったし。
もちろんさすがに結婚前に妊娠するわけにはいかなかったから、それなりの処置はしてたけど」
(なんだよそれっ!
先進世界はそっちも先進してんのかよっ!)
「だって、それが2人の結びつきを確かなものにする最善の方法だものね。
それでもしも相性が悪いとなったら、相手を取り換えるかタケルーさまの生まれ変わりを宿すのは他のカップルにすればいいだけのことだし」
(そ、そうだったんだ……)
「それにしてもあのときのあなた、情熱的ですばらしかったわぁ♡」
「君の声もとっても可愛かったな♡」
(エリザベートさまもすごかったです……)
「ねえ、タケルも無事育ったし、もう1人ぐらい子供を作りましょうよ♡」
「1人と言わず2~3人作ろうか♡」
(あのー、息子の前でいちゃつかないでいただけませんか……
ま、まあ2人とも、見た目も体も20歳と18歳ぐらいなんだから仕方ないかもしれないけど……
それにしても両方とも若くて美形だからサマになってるのう。
あーあー、父さんが母さんをお姫さまだっこして寝室に行っちゃったよー。
母さんはもうおっぱいポロリしてるし……
そういえば俺もうレベル上がったから聴覚もすげぇんだよなー。
それにこの家純日本家屋だから、母さんのアノ声とか聞くのもなー。
そんなんでもし反応しちゃったら、俺の最大級の暗黒歴史になっちゃうし……
仕方ない、俺の部屋に音波遮断の魔法かけとくか……)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
翌朝。
父さんの頬はげっそりコケてて目の周りは真っ黒だった。
(昨日の俺とそっくりだよ。さすがは親子だな……
きっとキンタマも赤血球みたいな形になってるんだろう……)
もちろん母さんは艶々になってたわ。
それでキスマークだらけの両親を前に、俺はちょっと赤くなりながらも報告したんだ。
「あのさ、俺どうやら通信教育で銀河連盟大学を卒業しちゃったみたいなんだ。
これ、卒業証書……」
「まあすごい! それも最優等の成績ですって♪
さすがねぇ♪」
「ところでそろそろ中学で3者面談あるでしょ。
俺の進路どうしようか」
「銀河連盟大学の卒業資格持ってるようなあなたが、いまさら地球の大学なんか行ってもね」
「そうだな、海外に留学でもしたことにして、そのまま初級神としての鍛錬を続けたらどうだ?」
「その方がよさそうだね」
「それじゃあ表向きの手続きだけは始めておこうか」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「なあニャイチロー、俺レベル400になったしエリザベートさまに『魔法生命体創造』の神法も授けてもらったんで、そろそろ同レベルの魔法生命体を創造・召喚してトレーニングパートナーにしようと思うんだ」
「えっ…… た、たしか神法は神さましか使用を許可されていないにょでは……」
「うん、でもエリザベートさまが、神法を使えるようになるためにって、俺を初級神にしてくれたんだよ」
「「「 !!!!! 」」」
「ほら」
俺が背中から翼を生やすと、途端にニャイチローたちがその場に平伏した。
「ど、どうしたんだお前たち!」
「か、神さまにおにゃりになられていたとは知らず、ご無礼して申し訳もございません!」
「なんだよなんだよ、そんなこと気にせずに今まで通り気軽に接してくれよ」
「し、しかし……」
「神さまだろうがなんだろうがどうでもいいだろそんなこと。
別に俺自身の功績で成れたわけでもないんだし。
エリザベートさまが、タケルーさんの生まれ変わりだっていうことで、俺を甘やかしてるだけなんだぜ。
まあ、使徒としての任務のためにタケルーさん並みにレベルを上げるために必要っていうこともあるんだけどな」
「あ、あにょ…… 神さまにゃのに使徒ににゃられるんですか?」
「もちろんだ。
俺まだ宙域管理神じゃないし、別に神さまが使徒になっちゃあイケナイっていう法は無いんだろ」
「「「 は、はい、ありませんですにゃ…… 」」」
「もし今まで通り接しないようだったら、お前らがニャルーンさんに発情して俺の安眠を妨害したって銀河宇宙に広めるぞ」
「「「 !!!!!!!! 」」」
「そ、そそそ、そればかりはお許しを―――っ!」
「社会的生命を抹殺されますにゃぁぁぁ―――っ!」
「も、もう誰も交尾してくれにゃくにゃりますにゃぁぁぁ―――っ!」
(それほどまでなのかよ……)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「なあニャジロー、早速『神力生命体創造』っていうのを試してみたいんだけどさ、これどうやったらいいんだ?」
「あにょ、その神法は神さまだけに許されたもにょですので、申し訳にゃいんですけどボクにはわからにゃいんです……」
「そういえばそうだったか」
「それでは、『神力生命体創造』に『鑑定』をかけてみられたらいかがでしょうか」
「なるほどな。
なになに、まずは『種族』を選ぶのか、想像上の種族の場合には種族名をつけた上でその外見を強く思い浮かべるんだな。
それから『召喚設定』、これは毎回同じ個体を呼び出すか、違った個体を呼ぶかの違いか。
『意思疎通能力』、念話や会話が出来るかっていうことね。
『知能指数』、こんなのも設定出来るんだ。
こんな風に生命を設定出来るなんてすごい能力だな」
「まあ、神さま方のお力ですにょで」
「それもそうか……
ところでニャサブロー、銀河宇宙に『豚人族』とか『オーク族』っていう種族はいるのか?」
「豚人族はおりますけど、オーク族という種族はいませんにゃ。
それにボクも知りませんし、どんな種族にゃんですか?」
「あー、日本にはライトノベルっていう小説のジャンルがあってな、その中に出て来る想像上の種族なんだよ」
「それはフィクション小説ということですよね」
「そうだ。
そうそう、その中に『転生・転移モノ』っていう分類もあるんだぜ」
「「「 !!! 」」」
「そ、それはタケルーさまのように転生される物語ということですかにゃ!」
「まあだいたいは日本人が異世界に転生・転移するっていう話だ。
ほとんどは現代日本よりも1000年ばかり昔で別の国をモデルにした世界だな。
現地にはヒト族もいるけど、猫人族や犬人族やもっと他の種族も登場したりするんだよ」
「はぁ~、日本ではそんにゃ小説も書かれているんですにゃねぇ~
会ったことも見たことも無いはずなのに、よくそんな話が……」
「その異世界というのは、別の次元の世界ということですか、それとも並行世界とかですかにゃ?」
「まあその辺りははっきりさせていない話が多いかな。
中には過去とか未来とか銀河の別の星っていう設定もあるし」
「ということは、タケルーさまのような『異星界転生』のようなお話もあるかもですにゃね」
「はは、そうだな、まあ異世界も異星界も同じようなもんだろ」
「あにょタケルさま、そにょ小説ってボクたちも読ませて頂くことは出来ますか?」
「ん? ジョセさまの神域ってネット繋がるのか?」
「はいですにゃ」
「日本語だけど読めるのか?」
「AIに自動翻訳してもらいますにゃよ」
「そ、そうか……」
(そりゃあ銀河技術だもんな……)
「それじゃあジョセさまの神域に戻ったときにラノベのサイトを教えてやるよ。
『小説家になろう』っていうサイトなんだけど、素人が誰でも話を書いて投稿出来るんだ。
それで人気が出ると出版社から書籍化して公刊しないかって勧誘が来るみたいだな」
「にゃるほど」
「そういうサイトって銀河宇宙には無いのか?」
「各恒星系内ににゃらあることはあるんですけど、でもインターギャラクシーではありませんね。
何万光年も離れた恒星系への通信はそれにゃりのコストがかかりますので」
「なるほどな……」




