表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍発売中】美形インフレ世界で化物令嬢と恋がしたい!  作者: 菊月ランララン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/267

プロモーション





「黒い服を流行らす…?」

「黒い服が一度、喪服以外の印象で流行れば黒の印象って良くなると思うんですよね」


前世でも黒は葬式や喪服の色だった。しかし高級感のある色で、引き締め効果のある色で、黒は女を美しく見せる…なんてキャッチコピーみたいなのもあった。

むしろファッションがわからない層が無難だろと思って使う色だったりした。やり過ぎて黒ばっかになると流石にダサいと言われてしまったり…。



「不吉な色ですから、難しいかと思いますが…それは、ジュリ様の為に?」

戸惑ったようにカリーナ様が言う。

「主な理由はそうです。あとは…黒が好きだからですかね。黒はどんな色と組み合わせても合うし、すごく良い色なのに忌避されているの納得いかないとずっと思っているんです。黒い服着たいし…」


この世界で納得のいかないことは多々あるけど、こんだけカラフルな髪と目の色してて黒が普段着に使えないってなんなん?トップオブ意味が分からん。早めに何とかしたい。

黒髪の良さも皆思い知ってほしい。ほとんどいないんだから不吉とかじゃなく希少価値として……


―――と思ってたら皆ぽかん…としていた。


「…ジュリ様の髪の色だから、黒がお好きになった訳ではないのですね?」

「元々好きです」

カリーナ様は微妙な顔をして、プリムラ様はまたジト目になった。

「……アマデウス様が変わり者と言われていたことを失念しておりましたわ」



ええ… 黒が好きってそんなに変か……?

納得いかね~~~~~!!やっぱ何が何でも流行らせてやる。この国の全員中二病にしてやる。



ふとジュリ様を見るとじっと見つめられていた。

ハッ…… 『ジュリ様が好きだから黒が好きになった』の方がヘンな奴と思われずに済んだのか…今気付いた。

そっちの方が彼女にも喜んでもらえたかも…



「どうしました?」

訊くとジュリ様は恥ずかし気に視線を逸らして笑みを浮かべた。

「…黒が好きと、わたくしの為にそう言って下さったのかと思っていましたが…そういう訳ではなかったようで、その…むしろ嬉しいですわ」

「むしろ嬉しい…?」

「わたくしの為でも、勿論とても嬉しいのですが。心から黒を好ましく思って頂いていたとわかった方が…より喜ばしいと申しますか…」


お世辞でも嬉しいけど本気の方が嬉しいと言ってくれてるのか。良かった、がっかりさせたんじゃなくて。



「――それで、黒い服を流行らせる方法…をどう考えていらっしゃるのです?」

さてプリムラ様へのプレゼン続行。

「流行というのは、貴族の間ではやはり高位貴族から発信した方が広まりやすいというのは承知しております。なので、貴族の知り合いを巻き込んだ…催しをするのが良いと思ってるんですが」

「お茶会ですか?」

「考えているのは、演奏会を兼ねたお茶会…です」



夜や闇、星空辺りをテーマにした曲の新楽譜を発行する会を開く。

俺と楽師と歌姫たちが披露する。

歌姫たち、ジュリ様やカリーナ様方、アルピナ様方に黒い服着用をお願いする。

協力者ではない招待客には、何か黒い物を身に付けて来てもらうことをドレスコードにして招待する。



「とりあえずは真っ黒ではなく、上下どちらかを黒の面積多めの他の色と組み合わせた服なら抵抗は少なくないですか?歌姫たちには、星空をイメージした黒に金の刺繍のドレスを着てもらおうかと思ってるんですが」

「なるほど…悪くないですわ。ジュリ様は婚約が決まったことで跡継ぎの座が揺るがなくなりましたから求心力が強まっておりますし、多くのご令嬢が協力して下さることでしょう」

プリムラ様はそう言ったが、ジュリ様は少し自信無さ気にした。

「次期公爵としての求心力は望めても、わたくしの場合…服飾品の宣伝力は、正直自信がありませんわ」



十秒ほどの沈黙。

うーん、そうなんだろうな…要はファッションモデルだ。服を宣伝するとなると外見に自信がないと難しいと思ってしまうだろう。俺はジュリ様の黒ドレス姿むっっっちゃ楽しみだけど…

一応そこも考えてはいる。



「あー…この企てはまだ考えているだけなので、言うだけ言うんですけどね。男性の方はアルフレド様にお願いして広告塔になって頂けないかと思ってまして…」

「それが出来れば男ものの方は成功すると思いますわ!アルフレド様ならどんな服でも素敵でしょうからね」

カリーナ様が明るく肯定してくれた。

やっぱりそうか。流石美の化身。



そう―――――どんな服でも…美男美女が着れば良く見えるの法則!!!



普通の人間が着たら地味な服でもダサい服でも美男美女が着ればなんかスタイリッシュに見える、悲しいがそれが現実……!


いや黒はダサくないけど。抵抗がある人達の気持ちを吹き飛ばすくらいの圧倒的な美があれば…!

絶対死ぬほど似合うからアルフレド様に黒い服!!!!!

金と黒の対比最強だから。



そして俺は恐る恐る付け足す。

「…あと、これは交渉が上手くいくかわからないんですけど――――エイリーン様に、黒いドレスで来て頂けるようお願いして招待しようかと…」


「…ええっ?!ランマーリ伯爵令嬢に?!」

「き、着て頂けますかしら…」

「し、しかし、もし彼女に協力して頂けたら…上手くいきますわ、それは確実に。二つの公爵家のお墨付きとアルフレド様とあの美女が着ていたとなれば…!何人かすでに社交界に出ている若い方もお招き出来れば…」


プリムラ様が目を爛々とさせぶつぶつと何か計画し始めている。おお、プレゼンは好評だ…まだ何もちゃんとしたことは決まっていないが!


「…デウス様は、ランマーリ伯爵令嬢と親しくなさっているのですか?知りませんでした…」

ジュリ様が少し口を尖らせてぼそりと言った。もしやこれは妬かれているのだろうか。

俺は音楽効果で結構持ち上げてもらっているが、そんなモテ男ではないので心配いらないのに。


「いえ、親しいというほどでは…時々お話しする程度です。彼女どうやらピアノに興味があるみたいなんですが、あれもなかなか高価ですから、決めかねているようでして。なので…交渉する際に、もし黒のドレスを着て頂けることになれば、ピアノを一台進呈しようかと思ってるんです」

「ピアノを?…それは…そうですね、謝礼をお支払いというのも金額の設定が難しいお願い事ですし…贈り物でこっそり済ませることが出来れば」

「しかしアマデウス様がお贈りになったとわかると、仲を邪推されてしまうかもしれませんわよ」

「え、ああ、そう思う人もいますかね…」

「では…デウス様とわたくしの連名で贈るということにすればどうでしょう」

「ああ、それなら誤解されませんかね?」

ジュリ様は親切心で言ってくれたと思うけど、どこか牽制みたいな感じがしたのは気のせいか。まあ誤解された時の言い訳はしっかり準備しておくにこしたことないか。そもそも誤解されそうなことをするな俺。


「つまり、出来ればエイリーン様がピアノを買うと決断する前に交渉しないといけない訳ですね…」

「場所も、学院内では狭いですから…シレンツィオ公爵城で行えたら一番良いかと思いますが」

カリーナ様がジュリ様にアイコンタクトしてジュリ様が頷いた。



えっ。あのシンデレラ城みたいな場所で?!

大勢招待出来た方が影響力はあるのはそうだけど、あんなデカいハコでやるのは怖気づくな…歌姫たちも多分緊張がヤバいと思う。だ、大丈夫かな……?

―――練習と演奏会に早めに慣れてもらうしかない。



「父に話をしてみます。反対はなさらないと思いますわ。公爵家の娘として、本当ならそろそろお茶会を開き慣れていなければいけないのに、わたくしはずっと逃げていましたから…運営の手筈を経験する良い機会だと仰るでしょう。あとは…根回しが必要ですね。エイリーン様以外の方々にも…黒の面積が広い服を仕立てて参加してもらうのですから、了承頂いた場合何かしら利益があった方がいいですが…」


ああ、メイン広告塔エイリーン様を特別扱い…までは周囲もおそらく納得してくれるとは思うけど、彼女だけに利益があるのは角が立つか。ジュリ様は本当に下の者にもよく気を回してくれる。


「確かにそうですね、流石にピアノはほいほい上げられませんが……うちが出している楽譜かレシピ、どれか一つ…いや、二つ!進呈でどうでしょう。楽譜は最低でも二曲、新しく出すレシピも一つは用意する予定です」

「一つでも充分だと思うけど、二つ?!」

リーベルトが驚いた。

「それなら、損をした気分にはならないかなって」

「しかしそれではアマデウス様が損では…」

「私にとって大事なのは楽譜を売ることよりも音楽を楽しむ人を増やすことですから。むしろ良い販売促進になるかもしれませんし!」


「…アマデウス様は、純粋なのか打算的なのかわからないところがありますわね」

カリーナ様に呆れたような声で言われた。が、

「娯楽にも計画性は大事ですし、お金がかかる趣味の金策をしっかり考えていらっしゃるのは良いことですわ」

ジュリ様がフォローしてくれた。甘やかされてる。




こうして黒服流行作戦(仮)が動き出した。

女性陣が乗り気になってくれたおかげで俺が最初想定していたより大事になってしまった感はずっとあったが……流行を生もうというのだから規模がでかくなってこゎぃ…だなんて言っていられない。覚悟決めなければ。


新曲の楽譜と作詞も整えないといけないし暫く帰ったらレッスン漬けだこりゃ!!!歌姫たちも楽師たちも俺も!!!!!




場所や日程の調整が出来るまではまだ頼めない―――――エイリーン様がピアノの購入を決めてしまったらピアノを交渉に使えなくなるので、 買います!と言われるのを恐れるという矛盾を抱えて暫くハラハラしていた。

だが遭遇したエイリーン様はピアノや楽譜の話はしても買うとは言わなかった。



……いつも高そうな華やかなスカート履いてるし、服道楽で散財してて自由な金が無かったりするのかもしれないな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ