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6 みんな大人ですね(物理)

「えっとアイさん?」


「はい」


「全員大人の方達なんですけど?孤児達の里親の皆さんとか?」


 その言葉にアイさんは首をかしげ。


「いいえ。アレク様が医療ポッドでお休みの間に皆さん成長されました」


「はい?」


 寝てる間に成長って言った!?言ったよね?は?何年寝てたの俺!!

 

 恐る々何年寝てたか聞いてみた。


「因みになんだけど、俺は何年寝てたの?」


「はい、アレク様を保護した後に身体への魔力量増加及び身体老化予防処置及びアレキサンドロス8世の意識消去の為、あれから15年程経過しております」


 ぁあ!そうか。身体を調整とか言ってたのは15年も寝かせてたから運動不足的なリハビリ的なアレの事か!

 そりゃ調整もするか。しかし15年て……。


 10歳だった兄貴分はもう25歳って事?

 なら多分真ん中に居る一人だけ仮面を付けた赤髪の彼が兄貴分なんだろけど……デカイな。


「なにか?」


「いやこっちの話し。一応紹介してくれるかな」


「全員顔を上げなさい」


 どれどれ、ちゃんと見ればどこか面影が……って!全然ないよね!だって4歳の子が19歳だよ!?わかるわけないじゃん!しかも9人中6人が女性って!え?臭い坊主どもだと思ってた坊主達って女性だったの!?

 

「では左から自己紹介を」


 アイさんの指示で騎士達は背筋を伸ばし、向かって左手の一番小さな赤髪の騎士が一歩前に出る。


「男爵家近衛隊隊長ホルスです!幼少期には男爵様より兄貴分と呼んで頂き可愛がって頂いておりました!」


 ぇええええ!この一番小さな子が兄貴分なの!?え、25歳だよね!?小さくて可愛いけど女の子って事はないよね?

 そんな思考を読まれたのか。


「えっと男爵様。私は幼少期から女でありました」


……だよね。でも絶対あのやんちゃぶりはガキ大将だったよ。それと可愛がってたのは俺じゃなくて君だからね!?


 そしてホルスさんが元の位置に戻り、次に前に出たのは。


「近衛副団長のミュカです。アレク様とは同じ歳でしたが私の方がだいぶ年上になってしまいましたね」


 そう言って彼女の長いブロンドの髪を風が煽る。

……すんごい美人がそこに居た。

 

「え?モデルの方かなにかですか?」


「ち、違います!近衛副団長のミュカです!」


 おぉ、心の声が漏れてしまったぜ。


「団長のホルスは指揮力に長け、ミュカの戦闘力は他家の名だたる騎士に勝ります」


 おぉ、なんか見た目で判断してすみません。


 次に他全員が揃って前に出る。


「お久しぶりです。ミュカと同じ年のセロストと申します」

「ご無沙汰しております殿下。同じくダムセルです。今年21歳となります」


 そかそか、普通に生きてたら俺も21歳になってるのか。

 ちなみにセロストは中肉中背の茶髪の短髪君でイケメン。

 ダムセルは少し……いや結構太ってるが力がありそうな金髪にポニーテールの青年。


 そして次に一番大きな騎士が仮面を外す。


 ん?


「セシリア。20歳。ダムセルの嫁」


んん!?……終わりかよ!てかダムセルの嫁!?


「彼女とダムセルは昨年結婚致しました」


 情報過多!それとセシリア!ちゃんと喋れ!ってまぁ仮面を外して三白眼なんて物を見せられたらそうなんだろうなとは思ったけども!


「んと、他に結婚してる人は?」


「おりませんが何か?」


 いやね、俺って前世で婚約者亡くしてるでしょ?なんと言うか俺も結婚って言葉には思う処があるんですよ。


「ア、アレク様に於かれましてお日柄もよ、良く。ご機嫌麗しゅう事と思い思われ……あのそのえーっとチルルです!19歳です!」


 そこには怯える銀髪のツインテール。


「……ぁあ!あの舌っ足らずで俺の後ろにテケテケ付いて歩いてた子か!」


「あうぅ」


 彼女も面影は無いがその喋り方は4歳の時とあんまり変わってない!いやぁ、当時と面影が被るってなんか安心するね!


「ケインです殿下。19歳となりました」


 今度は爽やかなブルーの髪を靡かせる青年。

 セロストと言いケインと言いイケメンしか居ない件について。ダムセルはデブな割に視線だけはイケメンなんだよなぁ。


「再び会えて光栄です殿下。ロゼリアです。以後お見知りおきを」


 なんか最後に大人の女性ぽい人が来たな。騎士鎧でもその大きな胸が隠しきれて無いのが何気にポイントが高い。

 しかし、見た目20前後……では無い様に思えるけど。

 そんな疑問をアイさんは答えてくれる。


「彼女は今年26歳となります」


「ぇえ!じゃ当時11歳だったの!?」


「アイさん!それは秘密にして頂けるご予定では!?」


 ロゼリアさんが捲し立てるがアイさんは全く取り合う気が無いようで。


「ご当主様に虚偽を申し上げる事は出来ません」


「ムキーーーー!」


 どうやら彼女は当時6歳程度に見えていたが11歳だった様だ。

 あの栄養が足らない街では仕方の無い事だ。


「そうか、みんな立派に成長したんだね」


「「「「「はい!」」」」」


 あのガリガリだった名前も知らない子供達が、こうして立派に成長している事に少し目頭が熱くなる。


――ん?


 俺は9人揃っていたと思っていたが紹介が終わると8人しか居ない事に気付く。


「アイさん。スメラギは?」


 俺は残り一人の少女の名を告げた。





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