表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/953

92話 私が欲しいのは、「自分の身を守れる力」


メルから魔力マナの話を聞き、私が向かった場所。


「アルバートさん!」

「チヒロ?どうした、そんなに慌てて。」


向かった場所は、もちろん企画宣伝課のオフィス。

他のメンバーも、私のあまりの勢いに振り返った。


よかった。

アルバートさん、オフィスにいたよ。


魔力マナについて、教えてもらいたくて。」

魔力マナについて?」

「メルに聞きました。もしかしたら、私も魔法を使えるようになるかもと。」


私の言葉に、みんなどこか思い当たることがありそうだった。


「なるほどね。いつかは話そうと思っていたんだけど、まぁいいかな。はい、それじゃあ、僕と…ネロ以外は仕事に戻るように。フェリシア、あと頼むね」

「そういって、サボりの口実が出来たと思っていませんか?」

「なんで、俺まで」


アルバートさんの言葉に、フェリシアさんとネロは文句を言う。


「いやいや、そんなこと思ってないさ。あと、ネロはいいからついて来て。会議室で話そうか。」


最近、会議室は大活躍だなぁ。

そんなことを思いつつ、私は奥の方へと向かった。

会議室に入り、席に着く。

アルバートさんが、対面に座り、ネロは私が抱いて、そして横に座らせた。


「さて、魔力マナについて、知りたいんだよね。メルーレ王女からは、どこまで聞いたんだい?」

「私にも魔力マナの源である、気というものが流れていると。魔法の習得の可能性があると聞きました。私は、いままで魔法のない世界からやってきたので、私には使えないと思っていたんですけど、異世界転移しても、人族でも魔法は使えると聞きました。なので…」

「それを聞いて、チヒロは魔法を習得したくなったということかな?」


アルバートさんは、真剣に問いかけてきた。

私は、ネロの方をちらりと見る。

すると、ネロと目が合った。

ミシュティでは、魔物に襲われたとき、助けられてしまった。

今は、旅行者ステータスがEランク。

Eランクでも、私は自分の身を守れなかった。

今後、旅行者ステータスが上がって、別の旅行先に行ったとき、私は、周りの人に助けてもらうしか、生き残る方法がないなんて、そんなの絶対嫌だ。

せめて…


私は、アルバートさんの方に向き直り、はっきりと告げる。


「はい。私は、自分の身を守れる力が欲しいです。」


ネロは、私の言葉に息をのむ。

そして、アルバートさんは、面白そうに、にっこりと笑った。


「ほう。戦う力はいらないの?」

「欲を言えば、人を守れる力も欲しいんですけど、私の周りは現状、私の助けがいらないくらい、強そうなので…。だから、まずは自分の身を守れるようにして、周りにフォローしないといけないと、思わせないようにしたいです。」


戦っている姿は知らないけれど、みんな一人で旅行に行って、生き残って帰ってきている。

ネロもミシュティでは、自分の身を守って、なお私のことを助ける余裕があったし。


「よろしい。その覚悟を忘れないように。」

「はい。」

「ネロも先生として付き合ってあげてね。チヒロと一番多く一緒にいるのは、ネロだろうから」

「…わかった。」


アルバートさんは、私の決意を聞き、大きく頷いた。


「さて、チヒロ。僕が君に魔法を教えてあげよう。」


こうして私は、魔法という今まで触れてきたことのない文化を、学ぶことにしたのだ。

読んでいただき、ありがとうございます!


よろしければ、

評価、ブックマーク、感想等いただけると

嬉しいです!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ