番外3-5 チヒロSaid 地球での日常
「今日も一日頑張ったぁ…」
ベッドに倒れ込み、もぞもぞと動く。
平日は、一日学校に行き、休日は、勉強と職場体験。
私は、そんな毎日を送っております。
ブランクがあるとはいえ、それなりにこっちの生活にも慣れてきたところだ。
そんな私の楽しみは、企画宣伝課のメンバーから送られてくる、連絡なんだけど。
「メルが、私に会いに、コスモスに来ていたとかさぁ。私も会いたかったなぁ。」
まぁ、メルに、私が地元帰りしたことを、ちゃんと伝えていなかったのがいけないんだけど。
まさか、一世界の王女様が、会いに来てくれると思わないじゃん。
…いや、会いに来ようと思えば、異世界転送装置によって、来られなくはないけれど。
それにしても、メルの相手をネロがやったとか、面白過ぎるなぁ。
ネロは、メルに振り回させたのかなぁ。
いや、でも、ネロがメルに会ったことも、羨ましいけれど、メルがネロに会ったことも、正直、羨ましいというか。
私も、ネロに会いたいんだけど。
くそぉ…二年半が長い。
いや、二年半は、あくまで目安でしかない。
そのためにも、こっちに帰って来たのだ。
「よし、もうちょっと頑張ろうかな。」
ベッドから起き上がり、机の方に移動する。
パソコンで大学の課題に必要な資料を集め、他にも使えそうな書物をリストアップ。
明日、空き時間があるから、図書館にでも行って、資料集めにでもしようかな。
それから、明日は、サークルの友人だった、桜と夏芽に、一緒にご飯を食べようと誘ってもらっている。
サークルをやめた私だけど、それでも付き合いは続いている。
いやぁ、マジで感謝だわ。
「明日は、授業からの資料集め、その後、ご飯を食べに行き、また資料集めかなぁ。」
うん。
おそらくそんな予定になるだろう。
明日の予定を確認して、本を一冊取り出し、またベッドに横になる。
今、読んでいるのは、世界遺産の本。
ピックアップされるべきポイントがしっかりと書かれており、旅行の時、紹介できるような見どころがたくさん書かれている。
私が、異世界を紹介する時の参考になるかもしれないと、買った本だが、世界遺産…なかなか面白いんだよなぁ。
世界は広い…なんて、そんなことは知っているけれど、それでも知らないことはたくさんある。
その中で、世界遺産って、世界の歴史を感じられたり、気候が感じられたりと、そこにはいろんな情報が詰まっているのだ。
それに、オタク心も擽られるしね。
ベッドに寝転がったところで、ベッドの上に置いてあった携帯が点滅していることに気が付いた。
「ん?連絡が来てる?」
携帯の画面を開くと、カイン君からの連絡。
「あれ?カイン君だぁ。」
メッセージのやり取りは、企画宣伝課の皆としているが、多くやり取りしているのは、アンジュ君アンヘル君たち双子ちゃんと、企画宣伝課の業務連絡という名の日常記録を送って来てくれる、アルバートさん。
そして、ネロ。
ネロも何気ないメッセージを送ってきてくれる。
今日の天気は…とかね?
私も今日の天気と今日の気分を返したりしている。
だから、カイン君からのメッセージが少ない訳ではないが、珍しかったりする。
何か気になる事があった時とか、面白いことがあった時に、連絡をくれるから、ワクワクするんだよねぇ。
「今回は、どんな内容なんだろう?」
メッセージを開き、件名を確認して、首を傾げた。
「リリスをぶん殴りたいんだが?…って、何があったの?」
あれ?
ものすごく物騒なタイトルなんだけど。
ワクワクする要素は、いずこに?
何があったんだろう?
リリスさんと何かあったことは、間違いないんだろうけど。
そう言えば、リリスさんからも、連絡が来たよな?
確か…
メッセージを少しだけ遡る。
「めちゃくちゃ楽しかった。…ん?」
リリスさんは、めちゃくちゃ楽しくて、カイン君は、怒り爆発って事?
「えっと…?」
おそらく、ものすごく面白いことになっているのだろうが、私は、このメッセージを開いていいのだろうか?
カイン君から来たメッセージを五分ほど眺めて、私は、そのメッセージを開いた。
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