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906話 この言葉たちが、愛おしい


家にバタバタと入り、ベッドへと倒れこむ。


「つっかれたぁぁ。」


ベッドに倒れ込んだ瞬間、もの凄い疲労感が襲ってきたぞ。

いやぁ、凄い一日だった。

会長は久しぶりに会えて楽しかったなぁ。

ただ、まさか、その場に先輩が来るなんてなぁ。

さらに、その場に、後輩ちゃんまで来るから、大変なことになりかけたし。


「はぁ。」


携帯に手を伸ばす。

そして、異世界に繋がる画面を出した。

皆に会いたい。

そして。


「…ネロに会いたい。」


そして、携帯をいじる手を止める。

いやいや。

皆に会いたいと思うのも、ネロに会いたいと思うのも、早いって。

まだ、大学が始まっていませんけど?

少し大学に行って、大学の人たちと関わって、それで、皆に会いたくなるって…

今後、どれだけ皆に会いたくならないといけないんだ。

ホームシックか?

ホームシックなのか?

今頃、皆は、どんなことをしているだろう。

そして、ネロは、なにをしているだろう。


「あぁぁぁぁ。」


自分から、連絡はしないとか言っておいて、全然ダメだ。

すっごく話したい。

すっごく会いたい。

すっごく…

こっちに持ってきた、ネロ人形を抱きしめる。

このネロ人形も抱き心地は悪くないんだけど、ネロの抱き心地は、もっといいんだけどなぁ。

ネロ人形を抱きしめて、目を閉じる。

一旦このまま眠ろうか。

大学も始まる。

今日は早く寝よう。

すると、顔の横に置いてあった携帯がふるえた。

…携帯がふるえた?

何の連絡だろう。

何かのメッセージだと思うけど。

ごろりと体を動かし、横向きの状態から、うつ伏せになり、携帯を見る。


「えっ?あ、えっ?」


そこには、アルバートさんの文字。

…なんで?

いや、この文字だけ見ていても、分からない。

中身を確認しよう。

…私からの連絡ではないから、ここは見ても大丈夫という事で。


アルバート

元気かい?

そろそろ、寂しくなっている頃かと思ってね。

直接会いに行くのは、ダメ。

電話もどうしてもの時、以外ダメ。

という事だったから、メッセージにしてみたんだ。

ちゃんと届いているかな?

まぁ、届いているだろうね。

チヒロがコスモスに来た時よりも、ティエラとの繋がりが密になっているから。

頑張ると言って、ティエラに行った君に、こんな事を言うのは、どうかとも思ったんだが、企画宣伝課は、君が帰ってくる場所だから、きつくなったら、帰って来てくれていいんだよ。

むしろ帰って来てくれ。

俺たちも、仕事がきついから。

ただ、君が頑張るというのなら、ちゃんと応援するつもりだ。

でも、自分に厳しすぎず、ちゃんと休んでくれよ。

俺にとっても、君はとても大切だからね。


P・S

元気か?

待っている。


「ん?なんで、追伸に、また元気か?って、聞かれたんだ?」


それにまだ続いているみたい。

なになに?


P・S

君の上司からだよ。


「私の上司…」


もしかして、一個目の追伸は、ネロから?

ネロの言葉って事?


「元気か?待っている。だって。」


もう、言葉が少ないなぁ。

でも、この短い言葉だけでも、心が温まっていくのは、なんでだろう。

疲れたと思っていた心が、スッと軽くなった気がした。


「まったく、連絡は取るつもりはないって言ったのに、こういうメッセージを貰ったら、返さないと失礼じゃない?」


誰かに言い訳するように、口ではそんなことを言ってみるけれど。

アルバートさんとネロのメッセージかぁ。

なんて返そう。

心では、ワクワクして。

このメッセージを返したら、また、メッセージが来るのだろうか?とか、考えてみたりして。

ありがとう、アルバートさん、ネロ。

私は、こっちでやっていけそうです。

そして、成長した姿を見せるべく、大学も日常生活も、頑張れそうです。

抱きしめて物足りなさを感じた、ネロ人形も、愛おしく見えてきます。

そうだ、こういう時こそ、魔法の修行にちょうどいい。

気持ちが乱れた時こそ、いい訓練になる。


私は、アルバートさん達に、メッセージを返し、ベッドから起き上がった。

よし、今日は、もう少しだけ、魔法の練習をして寝よう。

読んでいただき、ありがとうございます!


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よろしくお願いします!

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