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894話 お土産?二年後なんですが…?


「ちょっと、チヒロ。ネロに食べられていたわね。」

「リリスさん?食べられたわけではなく、噛まれたんです。」

「似たような物でしょ。」


違いますけど?


「チヒロ。よかったな。」


すると、ネロがふわりと飛んできて、私の肩にチョコンと乗った。

私は、体を大きく震わすことになりましたが。


「…ネロさん?」

「何を警戒しているんだ?」


警戒するでしょ。

カプッとされたんだよ?

カプって。


「あんた、自分がその姿だからって、やりたい放題ね。」

「何か言ったか?リリス?」

「別にー。」


こらこら。


「どうかしたの、ネロ?」

「いや、別に。あいつらに絡まれて、面倒だから、こっちに来ただけだ。」


避難所に私の肩を使うんかい。


「それで、私の肩の乗り心地はどうだい?」

「まぁまぁだな。」


まぁまぁなの…?

なのに、随分、寛いだ装いだけど?


「チヒロ。」

「チヒロ。」

「アンジュ君、アンヘル君。二人も見送りに来てくれて、ありがとう。」


私は、二人の目線に合わせて、腰をかがめる。


「チヒロ、ごめんね。俺、チヒロに会いたくて。」

「僕も、チヒロのお見送りしたくて。チヒロは、僕たちのことを思ってくれたのに。」


袖をクイっと掴みながら、私の顔を見る二人。

じっと見つめてくる顔が、キューンと泣く、ワンちゃんの様で…

こんなの、可愛いしかないでしょ。


「ううん。二人とも。来てくれてありがとう。嬉しいよ?」


こんな可愛い二人に、ここまで気を使わせてしまって、やっぱり、帰界時間をしっかり考えるべきだった。


「本当?」

「僕達が来たこと、嬉しい?」

「うん、嬉しいよ。」

「チヒロ嬉しい。良かった。」


笑ってくれて、良かった。


「チヒロ。お前、アンジュとアンヘルに甘くないか?」

「だって、二人とも可愛いんだもの。」

「そうかよ。」


そうです。

二人はムギュっと私の腕に捕まっているので、そのままに。


「随分すごいことになっているわね。」

「寄せ集めているなぁ。」


肩にネロ。

両手に天使。

萌えのハーレムですね。


「そうだ、チヒロ。こっちに帰ってくるときは、ティエラのお土産をよろしくね。」


フェリシアさん?

二年半後ですけど?

それに、私のお見送りでお土産話なの?

フェリシアさんらしいと言えば、らしいのかな。


「ちなみに何がいいんですか?」

「そうね。その時に旬の物がいいわね。」


旬の物と言われても、食べ物、文化、エンターテイメント…いろいろあるけど。


「具体的には?」

「それはチヒロのセンスに任せるわ。」

「えぇ?欲しい物があるなら、言ってくださいよ。」

「お土産は、強請って買ってきてもらう物ではないわよね?」


いや、買って来てね…と言っている時点で、それは、おねだりに入りますよね?

そこまで来たら、もう、おねだりし切りましょうよ。


「選んでもらうのがいいでしょ?」


…その気持ちは分かりますけどね。


「分かりました。こっちに戻ってくるときに、お土産ちゃんと用意して、戻ってきますね。」


言われなくても、おそらく、いつもの異世界旅行のように、買って戻って来ただろうけど。


「俺は、食べ物がいい。」

「はいはい。ネロは食べ物のね。」

「もちろん、食べ物以外も受け付けている。」


…はいはい。

食べ物以外の物も買って来ればいいのね。


「私は、ティエラの恋愛ゲーム数点でいいわよ。」


なぜ、数点?


「一本だけだと、すぐに終わっちゃうから、またティエラに戻ってもらわないといけないでしょ?」


私は、乙女ゲームを買いに戻るためだけに、地球に戻るの?

嫌なんだけど。


「俺はそうだなぁ…」

「カイン君…わざわざ、ここでひねり出さなくてもいいんだよ?」

「そうか?今言わないと、いう機会無いよな?あ、俺、漫画にしようかな。」


あー…はい。

受け付けまーす。


「アルバートさんは、なにが?」

「チヒロの魔法の成長かな。」


現実的なのが来た。


「もちろん、俺が見ていない所でも、日々、トレーニングはするんだよ。サボっていたら、すぐ分かるからな。」

「わ、分かりました。」


その笑顔が怖い。

フェリシアさんは、その時の旬な物で、リリスさんは、乙女ゲーム。

カイン君は、漫画で、アルバートさんが私の成長。

ネロは、食べ物と食べ物以外…


「アンジュ君とアンヘル君は、お土産に何が欲しい?」

「俺?」

「僕?」

「うん。皆からも希望を聞いちゃったし、二人も何か地球で欲しい物があったら、戻ってくるときに買ってくるよ。」

「俺はチヒロ。」

「僕もチヒロ。」


はい、模範解答が来ました。

これだよ。

これが旅立つ者として、一番の癒しでしょ。


「チヒロをお土産で貰うんだ。」

「そうしたら、ずっと一緒だね。」

「喜んでいるところ悪いが、両腕の天使たちは、そんなに純粋じゃないぞ?」


肩から呟かれたネロの言葉に、私は苦笑いをした。

読んでいただき、ありがとうございます!


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