875話 やり残したことをしよう
今日は、いろんなことがあったなぁ。
とにかく精神的に疲れた…
「チヒロは、後一週間で、ティエラに戻るんだろ?」
「あー…そうですね。」
大学が始まる一週間から、四日前くらいに地球に戻って、大学の準備をしておかないといけないから。
「じゃあさ、後一週間、こっちで何をするか決めたか?」
カイン君の言葉に、私は首を傾げる。
「後一週間は、仕事では?」
すると、横から割って来たリリスさんに、凄く引いた顔で見られた。
いや、私、ここ最近、休み貰い過ぎだから、もう休めないよ。
仕事するしかない訳よ。
「そりゃ仕事はあるかもしれないわよ?それでも、コスモスでやり残したことをしたいとか、あれ、やっておきたいとか、ない訳?」
「えぇ?いやぁ、お世話になった人たちに、一度挨拶はしておきたいですね。」
「それもほぼ仕事でしょうが。」
いや、違うでしょ。
私、地球に帰ります報告が、仕事になるんだったら、その仕事をずっとしていたいんですけど?
でもなぁ、やり残したこと、あるかなぁ?
やり残したことはないの?と聞かれると、何だろうと思うけど、おそらく信じられないくらい、やり残したことがあるだろうな。
「挨拶が仕事かどうかは置いておいて、取りあえず、仕事のやり残しは、なくしていきたいので、仕事優先でしょうね。」
「はぁー。枯れてない?しばらくコスモスに来られないんでしょ?行っておきたいところとか、買っておきたいものとかない訳?」
枯れてない?だと。
私まだ、二十歳なので。
まだまだ、枯れてないでしょ。
自分で、枯れてきたと言うのは、ありだけど、周りに枯れてない?と言われるのは、回避したい。
まだまだ、若いはずなんだ。
可能性も、無限大だから。
ちょっと減ったかもしれないけど、おそらくまだ、可能性は無限大なんだ。
「行っておきたいところが、お世話になった人たちの所なんですよ。しばらく会えないんですから、話溜めをしてもいいと思いませんか?」
「そういう事なら、まぁ。」
「でしょ?」
コスモスでやり残していることと言えば、今やっている仕事と、人に会うことくらいだから。
地球から帰って来て、コスモスに帰ってきましたと伝えて、すぐに、また地球に戻ることを決めたため、気持ち的に、そのことを伝えておきたいんだよね。
「でも、後一週間は、仕事なんだろ?」
「そうですね。なので、仕事終わりや、空き時間を見つけて、徐々に挨拶をしていこうと思っています。」
今の段階で、それが一番現実的だからなぁ。
「チヒロ。」
「なに?ネロ。」
「お前、その詰まったスケジュールの中で、挨拶回りをしようとしていた訳だろ?」
「そうだね。」
しばらく会えないのは、嫌じゃん。
「だったら、やはり俺たちに言うのは、もう少し早くするべきだったんじゃないのか?」
…いや、うん。
そうなんだけどね?
「確かにな。俺たちにバレなかったら、今日も黙っていただろ?そうしたら、挨拶回りなんて出来なくないか?」
いや、はい…
そうですね。
「もう、ごめんって言っているじゃん。ネロもそろそろ許して。ね?」
「別に、俺は、気になったから聞いただけだ?計画性は、観光職員として、大事だぞ?」
その話をそうやって、繋げるのね。
さすが、教育係。
だとしたら、普通に、計画性について、教えてくれても良かったかもしれないなぁ…
はは…
「まぁ、でも、後一週間、どうやってコスモスで過ごすのか、考えてみてもいいのかもね。」
「アルバートさん。」
「散歩するのもいいだろうし、散策するのもいいだろうし、探検するのもいいんじゃないか?」
えっと、外をブラリとしろという事ですか?
でも、アルバートさんの言う通りかも。
挨拶回りをしたいことは、変わらないけれど。
もう一度、コスモスでどうやって過ごすのか、考えてみてもいいかもしれないな。
決意を新たに、やりたい事である、挨拶巡りのアポ取りをしたら、本日は全滅したため、大人しく部屋に帰ることにした。
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