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84話 報告までが、旅行でした


グラースさんとメルは、挨拶を終えて、また遊びに来てねと言って通話を切った。


「何がしたかったんだ?」


まったく、ネロの言うとおりである。

結局、ミシュティで関わった人たちや、ミシュティの技術について、そして、私がミシュティでやってきたことは、全部、私が説明することになった。

二人が、任せてというから、補足だけでいいかなと思っていたのに。

グラースさんやメルのことも、一から説明することになるとは。

楽をしようとしては、いけないってことですね。


「まさか、この短時間に王族の方と関わりを持って帰ってくるとは思わなかった。」

「出会い自体は、本当に偶然だったんですけどね。」

「それに、ミシュティで別の文化を伝えてくるなんて」

「困ってましたし、私が思ったことをお話しさせて貰ったら、そういう感じになってしまって」


アルバートさんとフェリシアさんは、私の方をまじまじと見てくる。

私も、そんな感じになるなんて思ってませんでしたから。

普通は、思わないって。

お菓子の国に行って、フライドポテトや、じゃがバター、野菜スティックを作ってくるなんて。


「それにしても、ミシュティの魔力マナ操作の技術はすごそうね。」

「実際、すごかった。風化の刻印やお菓子の造形もそうだが、職人芸だ。それに、体内の魔力マナ操作に関しても、異常だったな。人族であの若さを保っているのは、すさまじい。」


確かに、あのときは、年齢を聞いて驚いたなぁ。


ん?

人族ということは…ほかの種族の人は、また違うってことだろうか?

今聞くと、また話がそれるだろうし、今度聞いてみようかな。


「風化の技術や、魔力マナ操作による建築技術は、コスモスでも欲しがられる技術だろうね。」

「技術課や研究課が喜びそうな話。」

「あと、製造課も。」


アルバートさんの話に、双子がうんうんと頷いた。

ネロも、そんなこと言ってたな。


「それに、営業課や流通課も王族の方と関わりを持ったって聞いたら、飛んでくるかもしれないわね。」


それは勘弁願いたいような気もするけど。

ミシュティが他の世界と積極的に交流を持ったら、いろんなところから、引っ張りだこかもしれない。


「さて、初旅行と初仕事おつかれ様。ここまで、旅行先と関わりを持ってくるとは思わなかったけど、これで、ミシュティへの旅行客が増えるといいね。」

「はい!」

「ネロも、初の教育係おつかれ。」

「あぁ。」

「いいコンビだったみたいだし、この調子でよろしく頼むよ」


アルバートさんの言葉に、ネロは顔をしかめたが、何も言わなかった。

前まで、文句をいっぱい言ってたのに。

ちょっとは、ネロとの関係も進歩したんじゃない?

あまりにも些細な変化だけどね。


「じゃあ、ミシュティの魅力についての報告書は、チヒロに任せるよ。報告ありがとう。」


報告作業を終えたので、せっかくだからお土産を今のうちに渡しちゃいたい。

日が経つと、新鮮味もなくなるだろうから。


「あの、私、ミシュティでお土産を買ってきたので、お渡しできればと。」

「お土産?」

「ミシュティの?」


お土産という単語に、アンジュ君とアンヘル君は、目をキラキラさせて反応してくれる。

そういう反応してくれると、嬉しいものだな。


「そうだよ。あの、今いいでしょうか?」

「大丈夫。わざわざ、ありがとう。」


アルバートさんに時間をもらえたから、お土産をカバンから机の上に出した。

読んでいただき、ありがとうございます!


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