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78話 荷物の収納は、アトラクションである


にぎやかな朝を終えて、そのまま宿舎に戻る。


「おかえりなさい。」


すると、部屋の中でベニエさんが迎えてくれた。


「ただいまです。」

「お城での一夜は、どうでしたか?」

「新鮮でした。あまり体験できないことなので。」


にぎやか過ぎだったけど、というのは、口には出さす、心の中にとどめておいた。


「いつ頃お帰りになるのですか?」

「準備できたら、お昼ぐらいにはコスモスに帰ろうと思っています。」


準備といっても、持ってきたものはカバン一つだし、お土産などを入れるだけなので、すぐに宿舎を発てると思う。

メルたちには、お昼に帰ると伝えてあるので、それまで時間潰しかな。


「そうですか。ほんとはご一緒したいんですけど、もう観光案内所の方に行かないといけないので、またそちらでお会いしましょう。」

「はい。ありがとうございました。」


ベニエさんは、急いで宿舎の方を後にした。

もしかして、待っていてくれたのかな。

私たちに与えられた部屋に戻り、ベッドにダイブする。


「帰る準備するんじゃないのか?」

「するんだけどさ、お菓子の国への滞在がもう終わりだっていう実感があまりないんだよね。明日も、このベッドで目覚めそうというか。」

「まだ、ここにいたいのか?」


いたいのかな…。

でも、フェリシアさん達、コスモスの人達にも早く会いたいんだよね。

私の体が分身すればいいのに。

そして、一人をミシュティに置いていけばいい。

私同士だから、情報共有も感覚共有も完璧だし。


旅行に行くたびに、こんなことを思うのだろうか。

そしたら、私何人にならなきゃいけないんだろう。

最終的には、何百人とかになるのかな。

でも今は無理だし、仕方がない。

そのうち、そういう技術ができることを期待しよう。

足を上げて、体に反動をつけて、ベッドから起き上がる。


「帰る支度をしようと思います。」

「早くしてください」


ネロは、ほとんど準備するものないから、そう言えるのだ。

私もないけど。


旅行って、お土産とかで、行きより帰りの方が、荷物が多くなる傾向にあるけど、それがきれいにきっちり入ると嬉しくなる。

入れてやったぞという感じ。

もともと、着替えと財布くらいしか持ってきていない、小さめのリュックだったけど、入り切ってよかった。


「お前、それ大丈夫なのか?」

「大丈夫って何が?」

「カバンだよ」

「大丈夫。これは、計算されつくした収納なの」


私がそういうと、ネロは、疑いの目で見てきた。

カバンに荷物を詰める。

これは一種の儀式であり、アトラクションなのだ。

地球には、袋詰めに命を懸けている主婦の人たちもいたわけだし。

こういうのは、入っていれば大丈夫だから。


この宿舎は、アミューズメントエリアにあるから、異世界転送装置デゥールまで、少し距離がある。


「そろそろ、出る?」

「準備ができたならな。」

「できた」


この宿舎とも今日でお別れ。

入口まで出て、しっかりとお辞儀。

滞在中、本当にお世話になりました。


さて、行こう。

アミューズメントエリア、噴水広場、綿菓子の並木道を通って、観光案内所へ向かう。


観光案内所の入り口をノックして、中に入る。


「こんにちは…」

「はぁい」


私が声をかけると、すぐに奥からベニエさんが出てきてくれる。


「来ましたね。では、異世界転送装置デゥールまで、行きましょうか。」

「よろしくお願いします。」


ベニエさんの言葉に、私は強く頷いた。

読んでいただき、ありがとうございます!


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よろしくお願いします!

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