70話 お礼の品を渡して
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調味料セットとピクルス、ソルトアートの小瓶をもって再びお菓子のお城へ戻ってくる。
「お帰り、チヒロ」
「うん、さっそくなんだけど、まずこれをメルたちに。」
渡したのは調味料セットとピクルス。
「ミソマヨにしては、色が違うし、ヤサイスティックも細かいわね。」
「これは、タルタルソース、酢味噌、フレンチドレッシング、それからピクルスっていうの。」
調味料セットは、ネロと白熱しすぎた結果、味の調合でうまくいった、選ばれし調味料たち。
多少、地球の味とは違うけど、甘みが強めの材料たちだから、味の調整をするのが難しかったけど、楽しかった。
「まずは、大根とニンジンときゅうりのピクルス。」
「何もつけずに食べるの?」
「味は、既についてるから、そのまま食べてみて。」
メルは、そのまま、きゅうりのピクルスを口に運んだ。
初めて料理を食べてもらったときは、恐る恐るという感じだったけど、今の食べ方、なんか嬉しいな。
「ん!甘いけど、なんか、ん、ってなるわ…」
メルは、驚いたのか口をすぼめている。
あれ、口に合わなかったかな?
「おいしい。これは、甘…なにかしら」
「よかった。甘酸っぱいだね。」
箸で大根、ニンジンのピクルスも口に運んでいく。
「面白そうなことしてますね。」
メルと盛り上がっていると、グラースさん、ビスクート王、騎士の人たちも、続々と集まってきた。
「私もミシュティの方たちに、お礼の品を作ってあったので、メルにその味見をしてもらっていたんです。メルの口には、合ったみたいなのでよかったら、食べてみてください。」
「チヒロ、これはどうやって食べるの?」
私が、ピクルスの説明をしていると、メルが調味料セットの話題で割り込んできた。
ちょっと待って。
「それは、野菜スティックに付けてみて。」
「ヤサイスティックに?」
「そう。」
ピクルスの甘酸っぱさと、卵とマヨネーズの濃厚さ。
「おいしいわ。ミソマヨの時より、味が濃い気がする。でも、どこかさっぱりしているような。」
「きゅうりのピクルスが入っているの。重すぎないように、ピクルスでさっぱり感を出したよ。」
胃を休める意味では、タルタルソースはあまり適さないけど。
「これのレシピも書いて渡すね。気に入ったら作ってみて。」
「ありがとう。チヒロへお礼をするためのパーティだったのに、また私たちが貰っちゃった。」
「あと、これを渡したくて。」
「ん?」
私がカバンから取り出したのは、ソルトアートの瓶。
それぞれの色をイメージして作った瓶。
「きれい、これは?」
「ソルトアートの瓶」
「ソルトアート?」
「塩とチョークで作った瓶だよ。」
メルとグラースさん、ビスクート王、ベニエさん。
ミシュティで特にお世話になった4人への贈り物。
「ありがとう!大切にするね。」
「うん!」
4人に、ソルトアートの瓶を渡して、私的には、満足。
喜んでもらえてよかった。
「時間貰っちゃってすみませんでした。パーティの続き、ピクルスや他の調味料も使っていただければ。」
「さぁ、続きを楽しみましょう?せっかく、チヒロからお土産貰ったしね。」
メルの声に、再びパーティは再開した。
「何か面白そうなことしているわね。」
ん?
私の隣の方から声が…。
横を見ると、明るい茶色でストレートのショートヘアのきれいな女の人がにっこりと笑って、パーティを見ていた。
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