671話 ネロがいっぱい?
皆がコスモスに戻る日を伝えられて、急いで皆を起こす。
急いで準備をして、目的の場所へ。
「ここが目的地?」
「普通のお店に見えるけど。」
見た目は、おしゃれな外装のお店。
「まぁまぁ。中に入ってみればわかりますって。」
中を覗き込み、開けてもいいか確認する。
そして、そっと扉を開いた。
「いらっしゃいませ。」
店員さんは、私が入ってきたことを確認すると、優しい声色で接客をしてくる。
「七人と猫ちゃんが一匹、居るんですけど、いいですか?」
「はい。もちろんです。ご注文がありましたら、声をかけてください。」
「ありがとうございます。」
店員さんと会話を終えて、ドアの外で待っていた皆を店の中に呼び込んだ。
皆がドアから入ってくると、店員さんは、一瞬ギョッとした顔をしたが、その後はプロなのか、にっこりと対応をしてくれた。
皆は、お店の中をキョロキョロと見回し、ここがどんなお店か気になっているみたいだ。
「じゃあ、ごゆっくり。」
店員さんは、ペコリと礼をして、また奥の部屋に入っていった。
「じゃあ、行きましょうか。ここに書かれたルールを確認してくださいね。」
私は皆を隣の部屋に案内する。
入り口前に、入る前のルールが書かれていた。
「ルールって、なによ?」
「ほんとだな。」
「ただのお店じゃないみたいだね。」
書かれたルールは、動物とのふれあいについて、そして、お店の中での過ごし方について。
「動物とのふれあい?」
「確認出来たら、行きますよ。」
扉を開けて、中に入る。
すると、猫ちゃんがいっぱい部屋の中にいた。
「な?」
「ネロも出ておいで。ここお店、ペット可だから。」
あ、でも、しゃべっちゃだめだけどね。
「すご。ここなに?」
「ペットを連れて来てもいい、動物カフェです。」
見て貰えばわかるように、ここは猫エリア。
動物たちと、それから、動物カフェに触れあいに来た人たち、これなら、皆も交流できるんじゃないかって思った訳よ。
「あぁ、だから、動物のふれあい方というルールがあったのか。」
「そうですね。お店の動物たちなので。」
お店に遊びに来ているお客さん、チラホラと見えるし、他のエリアにもいるだろう。
動物という話題にも絞れるし、交流もしやすいんじゃないかな。
しかも、大人だけではなく、子どものお客さんもいるみたい。
「というわけで、取りあえず、ここの猫エリアで、ちょっとふれあいに慣れてみましょうか。」
生きている動物を地球で見ていない皆も興味があるみたい。
『なぁ、なんで猫なんだ?』
『ネロの見た目に近いから、一番初めは、とっつきやすいと思って。』
『俺は、虎だと言っているだろ。』
いや、それはもう分かっているんだけど、この猫天国を見てくれよ。
もう、ネロの仲間がいっぱいいるようにしか見えないでしょ。
『大丈夫だよ。虎も猫の仲間だから。』
『何が大丈夫なんだ。』
私は、カバンからネロを出して、抱っこをしながら、座れる場所まで行く。
こう思うと、ネロって、小さいよな。
子猫に近い感じ。
「これが猫。確かに、ネロに似ているわね。」
「というか、ネロじゃね?」
「ネロがいっぱい。」
「猫もいっぱい。」
「これなら、チヒロがネロに猫だと言ったのも、分かる気がするなぁ。」
皆も猫と戯れはじめ、撫でたり抱っこしたりしている。
『おい。あいつら、好きかって言いやがって。』
『まぁまぁ。ここは動物カフェだし、何か食べる?』
あ、でも、猫ちゃん用の食べ物が出てきたら、困るな。
ネロがいつも食べている物って、私たちと一緒だもんね。
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